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尾崎世界観(クリープハイプ)がジム・ジャームッシュ監督作「ナイト・オン・ザ・プラネット」に影響を受け制作した楽曲から着想を得た本作。別れたあとの男女の姿から始まり、1年ごとに時をさかのぼりながら2人の二度と戻らない日々が描かれる。けがでダンサーの道をあきらめた照生を池松壮亮、タクシードライバーの葉を伊藤が演じ、葉の友人さつき役で大関がキャスティングされた。
数年前にある映画のオーディションで顔を合わせたことがあったという伊藤と大関。伊藤は「大関さんが足を骨折されていまして……。歌を歌うオーディションだったんですけど、メチャクチャうまくて、私は大関さんのVine動画も観ていたので『大関れいかだ!』って(笑)。オーディションのあと、一生懸命歩いて駅に帰ろうとしていて、私は車だったので『送りましょうか?』って声を掛けたんです。そうしたら『いいんですか!』って。『どこまでですか?』と聞いたら、『代官山でバーベキューやるんで!』って答えられて、『骨折してるのにバーベキュー行くんだ!?』って(笑)。もともと好きだったけど、もっと好きになりました!」と振り返る。
松居が2人の共演シーンについて「昔からの友だち感が出ていて助かりました」と話すと、大関は「(伊藤が)自然とそういう空気を作ってくれるんです。すごくやりやすくて、勝手に『私、伊藤さんと昔からの友だちなんだな』って、シーンのあとも、なれなれしくしゃべりかけちゃうような感じでした」と回想。これに伊藤は「バーベキューまで送ったら、もう友達でしょ!」と笑顔で応じた。
本作で大関が演じたさつきは、松居の監督作「
イベント中には、1年ごとに時計が映るシーンの長針がすべて7分を指していることを指摘され、「初めて気付かれた気がします」と松居が驚く場面も。松居は「『ナイト・オン・ザ・プラネット』でも、5つの都市を舞台にした物語で示される時刻が、すべて7分なので、本作でも同じようにしたんです」と言い、「この7分が8分になったら、葉が過去を振り返っていたけど、前に進もうとするという思いを込めました」と続けた。
「葉ちゃんには、共感しかなかったし、今までで一番“演じている感覚”がない役でした」と思い返す伊藤。「監督が事前に私にインタビューしてくれて、私の恋愛観とかも入ってるからかなと思う」と分析し、「わかる!と思ったのは喧嘩のテンションかな? もう2人の仲が終わりに近付いていると、怒鳴り合いとかにならず『ダメだ……話にならない』という感じに私もなるのかな」と言及する。松居は喧嘩のシーンに関して「もともとは照生がムスッとして『もういっか……』と言ってたんですけど、伊藤さんと打ち合わせする中で、『私はもう終わりだと言っちゃうけど止めてほしい』と言っていて。それはいいなと思ったんです」と伊藤の恋愛観を作品に取り入れたことを明かした。
最後に伊藤は「余韻が楽しめる映画だと思いますし、2回目がさらに面白い映画って素敵だなと思います。この映画を観て、皆さんも恋愛だけでなく、ちょっと思い出すことがあったり、思い出す人がいたりすると思います。少しでも自分に肯定的になれたり、『また明日からがんばろう』と思うきっかけ、背中を支えてくれる作品になっていたらと思います」とコメント。松居は「この2、3年でいろんなものが奪われたり、失われたりして、嫌なことのほうが多いけど、でもこうして映画館に来たり、友達と話せるってことが、昔よりも貴重でうれしいことになった気がします。こうして苦しいからこそ光が見えるような映画にしたつもりです」と述べた。
「ちょっと思い出しただけ」は全国の劇場で公開中。
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