ドキュメンタリー「
本作の舞台は、宮崎・西都市に位置する銀鏡(しろみ)。500年以上前から伝わる“星の神楽”を舞う村人の暮らしを追う。「かぐら」とは神という存在を招き入れ顕現を呼び起こす儀礼のこと。「神楽」という文字を当てるのは、その儀礼が手鈴などを使った身体表現を用いて神を楽しませることに由来する。
監督を務めた
赤阪友昭 コメント
映画「銀鏡 SHIROMI」には、二つの時間が流れている。ひとつは、銀鏡の自然に流れる悠久の時間。春の訪れを告げる山の花々、山肌を流れる清らかな水、森に住まう動物たち。山の恵みを感じながら、宙を見上げれば、夜空には星々が降りそそぎ、銀河の時間すら感じることができるだろう。そして、もうひとつは神楽の里に生きる人々の一年。限界集落の村で、柚子や唐辛子を生産し加工までを担う会社をつくることで雇用を生み出し、村に住み続けて神楽を守ろうとする銀鏡の人々がいる。彼らは20年以上にわたり、山村留学を通じて人を育て、学校を残してきてもいる。決して未来を諦めず、今という時間をひたむきに生きる彼らの暮らし、そこには自然に軸をおいた人々の謙虚で真摯な営みの時間が流れている。
そんな銀鏡の里では、一年に一度、この二つの時間が邂逅するときが訪れる。それが星の神楽、「銀鏡神楽」だ。銀鏡神楽は、神々の舞を通して星への祈りを捧げる。あらゆる命の源は、星々の住まう宇宙にある。私たちの存在が、そもそも星のかけらからできているという本質を知っているかのように、銀鏡神楽は宇宙の摂理を内包している。そして、神楽の舞を捧げる銀鏡の人々は、それぞれが光り輝き、互いの関係性によって世界をつくろうと懸命に生きている。そんな彼らの生き方は、今の私たちではなく、未来の子供たちの世界がどうあってほしいのか、千年先の世界を想像して生きることの大切さを教えてくれる。
赤阪友昭の映画作品
タグ
映画ナタリー @eiga_natalie
500年以上前から伝わる“星の神楽”題材のドキュメンタリー「銀鏡」公開決定(コメントあり)
https://t.co/8TeirJW8qm https://t.co/g2gGDloVw4