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「猿楽町で会いましょう」は、駆け出しのフォトグラファー小山田修司が東京・猿楽町で撮った読者モデル・田中ユカの写真が、2人の運命を大きく変えていくさまを描くラブストーリー。存在しない映画の予告編を制作する未完成映画予告編大賞 MI-CANの第2回でグランプリに輝いた作品をもとにしている。
本作は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、1年の延期を経て昨日6月4日に公開された。児山は「待ち侘びた瞬間でした。単純にほっとしています」と封切りを喜び、小山田役の金子は「純粋だけど未完成なキャラクター」と脚本との出会いを振り返る。石川は「脚本だけ読んだ段階では、ユカをあまり好きになれなかった」と率直に明かし、「ユカを演じるにあたって、善悪の判断は必要ないと思いました。できるだけ彼女に寄り添って、無垢な状態でいたかった」と続けた。
ユカの元恋人・北村良平役の柳は「正直、近寄りたくないタイプの女性です」と、ユカへの思いを素直に伝えてほかの登壇者たちを笑わせる。雑誌編集者・嵩村秋彦役の前野は「僕にとってはすごく魅力的。近くにいたらきっと歌を作ってしまう」とシンガーソングライターならではの視点から心情を述べた。
撮影は2019年の初夏に2週間にわたって行われた。金子は「児山組の皆さんはすごく熱を持って参加してくれていたし、1つひとつ大切に撮っている感じがして幸せでした」と懐かしむ。スタッフの男女比は半々だったそうだが、石川は「男子校みたいな現場」と児山組の活気あふれる雰囲気に触れ、自身が難しい役を演じていたが故にそのノリを楽しみきれなかったと悔やむ。児山は「どういう表情を出そうかと、みんなが自然とユカのほうを向いていた現場。スタッフ、キャストの一体感を毎日感じ取れて発見があったし楽しかったです」と回想した。
最後に石川は、ユカが持つ“他者からの理解されにくさ”を挙げて「彼女みたいに理解されることから遠のいているように感じられる人でも、きっとどこかで誰かにわかってほしいと思っているはず。周りにそういう人がいたら、ぜひ手を差し伸べてあげてください」とメッセージを送り、金子は「児山さんがこの作品に懸けた思いを知っているので、皆さんに観ていただけてうれしい」と観客に語りかける。児山は「可能性、才能、魅力に満ちあふれていて、これから邦画の顔になっていくと思う」と俳優陣を絶賛して「僕も負けないようにいい作品を作っていきたいです」とさらなる飛躍を誓った。
※「猿楽町で会いましょう」はR15+指定作品
※柳俊太郎の柳は木へんに夘が正式表記
おおとも ひさし @tekuriha
「猿楽町で会いましょう」金子大地が幸せな2週間を回想、石川瑠華は「男子校みたい」 - https://t.co/kv1M0zVEmc