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本作は、ある一家の惨殺事件を偶然目撃したマンガ家・山城圭吾を主人公にしたダークエンタテインメント。「悪人が描けない」と悩んでいた圭吾が、その犯人をキャラクターに落とし込んだサイコスリラー「34(さんじゅうし)」を発表するとまたたく間に大ヒットを果たす。しかし、マンガの残酷シーンを模した連続殺人事件が発生してしまう。菅田が圭吾、Fukaseが両角と名乗る殺人鬼を演じたほか、事情聴取や取り調べに天性の才能を見せる刑事の清田俊介に小栗、圭吾の恋人・夏美に高畑、清田の上司である刑事・真壁孝太に中村が扮した。
菅田は初めてのマンガ家役に「普段からマンガが大好き。憧れのマンガ家さんに少しでもなれて楽しかった」と述懐。浦沢直樹作品の共同制作やマンガ原作者として知られる長崎からは「(圭吾が)20代の頃の浦沢さんに似てる。就職しようか、マンガ家になろうか悩んでいた、イケてない頃の浦沢さんに」という証言も。菅田は、マンガ家の知られざる創作現場に密着したドキュメンタリー番組「浦沢直樹の漫勉」を観てから撮影に臨んだことも明かした。
異常殺人者を演じたFukaseは、役作りの苦労を問われると「殺人衝動を出すのに苦労しましたね。どうしても言葉にできなくて油絵に描いて(役を)理解しようとしてました」と回答。その絵を監督やプロデューサーに見せたところ「本編に使いたいから、2m×2mで描き直してほしい」と求められたそう。「え、やだ」と思ったそうだがFukaseは依頼に応じ、巨大な油絵は両角の自室の美術として使われた。ほかにも役作りのためにスーパーの包丁売り場でセリフを練習していたというエピソードも飛び出し、Fukaseは「怪しまれないように包丁売り場と鮮魚売り場を行ったり来たり(笑)。でも、なるべく早くスーパーを出ました」と明かす。
2005年公開「隣人13号」以来、16年ぶりの共演となった中村と小栗。中村は「あまり刑事役をやったことがなかったんですが、小栗くんが隣にいてくれて本当に心強かった。出演を決めたのも、小栗くんの存在が大きかったんです」を信頼感を明かし、小栗も「獅童さんは温かく包み込んでくれる。途中からは勝手に本当のお兄ちゃんのように付き合わせていただきました」と話した。
高畑が「後半は血まみれの撮影が多かったんです。体験したことのないぐらいの血のりに、ちょっと興奮してしまって」と話すと、菅田は「うれしそうにフィルムカメラを取り出して写真を撮ってましたよ。『血だらけー』って言いながら」と、現場での高畑の様子を打ち明ける。その日は血のりが付いたまま待機する時間が長かったそうで、高畑は「みんなで血だらけでしりとりしてました」と明かし、菅田と一緒になってFukaseの「ブレーメンの音楽隊」というしりとりの返しに、アーティストとしてのセンスを感じていたことを話す。Fukaseは「大したこと言ってないのに僕を持ち上げようとするんです。『さすがミュージシャン』って、イジられてましたね(笑)」と和やかな雰囲気の現場を振り返った。
構想10年に及ぶ本作の脚本には、長崎と永井のほか企画担当の川村元気、プロデューサーの村瀬健によるアイデアも用いられた。長崎は、3人との共同作業を「どんどんアイデアを言ってくる、わがままな人たち。永井監督は優しそうな顔してるけど、けっこうひどい人です」と笑い交じりに暴露。「主役を女性刑事にしてくれ」「前半は山城、後半は清田を主人公にしよう」とさまざまなアイデアが生まれてはボツになり、脚本も完成までに約20稿を数えた。長崎は「よく考えるとこの10年間、3人の手のひらで踊らされた(笑)。でも10年目で本当にいいシナリオができた。いろんな方に観ていただきたい」と自信をのぞかせ、永井も「やりたいアイデアを長崎さんが編集者のようにうまく導いてくれた。脚本の書き方が普段とは違って新鮮でした」と振り返った。
「キャラクター」は6月11日より全国ロードショー。
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