「火の山のマリア」で知られる映画監督
ラ・ヨローナは、夫に捨てられ子供と一緒に入水自殺した女性が、死後も悲しみ嘆きながら現世をさまようという怪奇伝説だ。中南米に古くから伝わる怪談であり、2019年にはジェームズ・ワン製作のホラー「ラ・ヨローナ~泣く女~」としてハリウッドでも映画化されている。
ブスタマンテはラ・ヨローナをモチーフに、故郷グアテマラの悲劇的な歴史を恐怖の幻想譚として紡ぐ。物語の中心となるのは、軍事政権下で大虐殺を指揮した容疑で裁判にかけられる元将軍エンリケだ。証拠不十分として無罪になり自宅に戻ってから、彼は夜な夜な女のすすり泣きを聞くようになる。そしてメイドとして働き始めた若く美しい女性アルマの周囲でも奇妙な出来事が起こってていく。
予告は「暴力は突然始まった」というセリフとともに、内戦時に政府軍によって殺された子供たちの姿から幕開け。30年後、事件を巡る歴史的裁判が続く中、自身の正当性を訴えるエンリケと彼を見守る家族の様子も確認できる。後半にはアルマが屋敷で働き始める場面も。「火の山のマリア」にも出演した
「ラ・ヨローナ~彷徨う女~」は東京・新宿シネマカリテ、UPLINK渋谷、UPLINK吉祥寺ほか全国で順次ロードショー。国内では「ラ・ヨローナ伝説」のタイトルで2019年に東京国際映画祭で上映されている。
映画ナタリー @eiga_natalie
中南米の怪談がモチーフ、グアテマラの悲劇描く怪奇幻想譚「ラ・ヨローナ」7月公開(動画あり)
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