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平凡な主婦が妄想に支配され“怪物”と化す「たまゆらのマリ子」公開

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「たまゆらのマリ子」

「たまゆらのマリ子」

イギリスの第25回レインダンス映画祭で作品賞と脚本賞にノミネートされた「たまゆらのマリ子」が、12月1日に公開される。

「焦げ女、嗤う」の瀬川浩志が監督した本作は、都市生活に疲弊しながらも懸命に生きる人々の孤独、苦悩、欲望を、ブラックユーモアを交えて描く人間ドラマ。劇中では、家庭や職場で不満を募らせ、友人にも見放された主婦・マリ子が、ある妄想に支配され、現実でも常軌を逸した行動を取る“怪物”となっていく。劇団・遊園地再生事業団牛尾千聖が主演を務め、山科圭太三浦英後藤ひかり根岸絵美がキャストに名を連ねた。

第12回大阪アジアン映画祭、第26回TAMA CINEMA FORUMで上映された本作。劇場公開にあたり、瀬川は「シリアスなシーンのはずが妙に滑稽だったり、その逆に滑稽なシーンのはずがどこか物悲しかったりするややこしい作品ですが、自然で剥き出しの人間の姿というのはきっとそういう裏腹の要素を併せ持つものなのだと思います」と作品についてコメントしている。

「たまゆらのマリ子」は東京の池袋シネマ・ロサにてレイトショー。

瀬川浩志 コメント

この作品の構想を思いついたのは約4年前。東京にやってきて間もなく10年を迎えようとしていた当時の僕は、都会での生活を満喫しつつも、一方でとてもイライラしていました。効率を求め、楽に生活しようとすれば衝突を生み出すような「本音」なんて言わないほうがいい。それはわかる。わかるけど、でも本当にそれでいいのか? みんなぶちまけちゃえばもっと楽になれるんじゃないか? そんな思いを抱えながらも、日々をやり過ごすために己を偽っている他人にも自分自身にもイライラしていました。
そんな日常で感じていたフラストレーションが、常識というリミッターを取り払って己を解放する本作の「マリ子」というキャラクターにつながったのだと思います。これまで自分が創り上げてきた作品同様、シリアスなシーンのはずが妙に滑稽だったり、その逆に滑稽なシーンのはずがどこか物悲しかったりするややこしい作品ですが、自然で剥き出しの人間の姿というのはきっとそういう裏腹の要素を併せ持つものなのだと思います。

(c)「たまゆらのマリ子」製作委員会

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