「ホテル・ルワンダ」監督が新作携え来日、「今年最高のヒーロー映画と伝えて」

「THE PROMISE／君への誓い」のプレミアイベントが、1月24日に東京・神楽座にて行われ、監督のテリー・ジョージが登壇した。

本作は、オスマン帝国によるアルメニア人大量虐殺事件に運命を翻弄された3人の男女の物語。ジョージはまず、監督作「ホテル・ルワンダ」日本公開の際、上映を求めたファンによる署名運動が行われたことに感謝を述べ、「映画においても素晴らしい歴史を誇る国に来ることができて、とても光栄に思います」と笑顔を見せた。

「ホテル・ルワンダ」を撮るにあたって虐殺の歴史を調べるうちに、本作で題材にした史実を発見したというジョージは「語られることのなかった20世紀の大罪であると気付きました」と述べる。また撮影中には、シリアから逃れようとしている難民たちの様子が連日報道されていたことを受け、「現代に通じる切実なテーマであると感じながら撮影しました。これは100年前の設定だが、難民の物語でもあるし、過酷な状況を生き抜いた男女の話でもある」と思いを語った。

イベントの中盤には、イラン生まれのサヘル・ローズがゲストで登壇し、アルメニアの国花・アネモネの入った花束をジョージに贈呈。今までに好きな映画を尋ねられると「ホテル・ルワンダ」を必ず挙げていたというローズは「THE PROMISE／君への誓い」の感想を「観終わって涙が止まらなかったです。（この事件を）知らなかったことがショックでした」とジョージに伝える。中東でも虐殺の歴史がほとんど知られていない現状に「イランの若い世代にも観てほしいです。主人公たちが受けた苦しみと同じことが現代に起きてしまっている。この映画は過去を現在に映し出す鏡だなと思いました」と力強く訴えると、熱心に話を聞いていたジョージは「パーフェクトレビュー」とほほえんだ。

最後にジョージは日本のファンに向けて「単なる難民映画ではなく、今年最高のスーパーヒーロー映画だと伝えてほしいです。この映画に出てくる人々は空を飛べるわけではありませんが、現実と闘いながら人の命を救うために尽力した真なるヒーローなのです」と語りかけた。

「スター・ウォーズ／最後のジェダイ」のオスカー・アイザックが主演を務め、シャルロット・ルボン、クリスチャン・ベールらが出演する「THE PROMISE／君への誓い」は2月3日より東京・新宿バルト9ほかにてロードショー。