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カウリスマキ「希望のかなた」主演俳優が来日、ハチマキとサロンで寿司職人風に

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シェルワン・ハジ

シェルワン・ハジ

アキ・カウリスマキの監督最新作「希望のかなた」で主演を務めたシェルワン・ハジが来日。本日10月2日、東京・ユーロライブでトークイベントを行った。

第67回ベルリン国際映画祭で監督賞に輝いた「希望のかなた」は、「ル・アーヴルの靴みがき」に続く“難民3部作”の第2弾。フィンランドの首都ヘルシンキを舞台に、生き別れの妹を探すシリア難民の青年カーリドが、レストランのオーナーやその仲間たちと出会い彼らの善意に救われていく。

今回が初来日となるハジは日本語で「いらっしゃいませ」と挨拶し、冒頭から観客の心をつかむ。続いて本作のオファーがあったときの心境を「最初は誰が監督なのかわからない状態で、数カ月後にアキ監督の作品だと知ったんです。それに約7年間、俳優業から遠ざかっていたのでびっくりしました」と述べ、「難民というデリケートな問題を取り扱う作品の大役を任されたことに、うれしさと恐怖、興奮と緊張が入り交じった気持ちになりました」と振り返った。

カウリスマキの人柄についてハジは「これまで人生で会ってきた中で、もっとも素晴らしい方の1人です」と力強く話し、「誇り高く、明晰で、これまでにいろいろな人生経験をしてきた人。アキ監督のように、何かいいことをしようとしている人と出会えたこと自体が私にとって幸せな出来事でした」と述懐。カウリスマキが本作で描きたかったことを問われると「忍者のような格好をする女性がいるといった、中東に対するステレオタイプなイメージを壊したかったんだと思います」と持論を語る。

また本日のイベントには作家の小野正嗣も参加した。小野は映画を観た感想を「カウリスマキ監督の映画ですから美しい画面構成の中にも笑いがあって、観た人の心の中に余裕を作ってくれます」とコメント。そして、カーリドが生き別れた妹のために行動していることに触れながら「自分が苦しい状況にあっても、誰かの居場所を作り続ける。その大切さを重くせず笑いとともに考えさせてくれる作品です」と称賛した。

イベントの終盤で小野は、日本で寿司屋に行ったというハジに劇中の寿司屋との違いを尋ねる。ハジは「ほとんど違いはなかったです」と笑顔を浮かべたあと、ステージに持ち込んでいたハチマキとサロンを着用し、寿司職人のような身なりに。観客はハジに対し大きな拍手を送り、彼はダブルピースでそれに応えた。

「希望のかなた」は12月2日より東京・ユーロスペースほか全国にて順次公開。

(c)SPUTNIK OY, 2017

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