Netflixオリジナル作品「オクジャ/okja」の記者会見が本日6月22日、東京のザ・リッツ・カールトン東京にて行われ、監督の
第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネートされた本作は、少女ミジャが多国籍企業に追われる巨大生物・オクジャを守るため奮闘するアドベンチャー。ミジャをアン・ソヒョンが演じ、彼女の脇をティルダ・スウィントン、ポール・ダノ、ジェイク・ギレンホールらが固める。
本作についてポン・ジュノは「かわいらしい少女ミジャと巨大な生物オクジャの愛を描いた作品。僕が作った初めてのラブストーリー」とコメント。カンヌ国際映画祭で宮崎駿からの影響について言及していたポン・ジュノは、ミジャについて「『未来少年コナン』の女の子バージョンだと考えたこともあります。ミジャもコナンのようにずっと走り続けていて誰にも止められない」と説明する。
「影響を受けたのは宮崎駿監督だけではない」と述べるポン・ジュノは「先日オーストラリアでジョージ・ミラー監督とお会いしたのですが、彼が監督した『ベイブ』にもインスピレーションを受けています。ブタが主人公ということ、そして自然の中で暮らしていた動物が都会に出ていくというストーリーもです」と明かす。続けて「オクジャとミジャがニューヨークの真ん中で行われているパレードを訪れるシーンは、純朴な者たちが資本主義の心臓部とも言える場所にいるという状況を生み出した。そこは押井守監督による『イノセンス』のパレードのシーンを参考にしました」と述懐した。
「オクジャはミジャにとっての家族と思って演じた」と述べるアン・ソヒョンは、MCから撮影中のエピソードを聞かれ「オクジャが川に飛び込む場面があるんですが、そのシーンの撮影では20回以上も水鉄砲を浴びました」と回答。その言葉にポン・ジュノは「本当にすいません。監督は悪魔です」と日本語で冗談交じりに謝罪する。また2100人以上の候補からアン・ソヒョンを選んだ理由について「私も、コプロデューサーも務められたティルダさんも彼女への関心を止めることができなかった」と振り返った。
カンヌ国際映画祭で、劇場未公開作はコンペティション部門に出品されるべきではないという見解が出されるなど物議を醸した本作。映画の形態に違いについてポン・ジュノは「大きなスクリーンを多くの人々が集まって観るというのは、依然として最も美しい映画のあり方だという考えに変わりはありません。しかしデジタルストリーミングも1つの映画の形だと考えています」と述べ、「1960年代にテレビの登場によって劇場は終末を迎えたと恐怖心を表す人々がいました。しかし現在、テレビと映画は共存関係にあります。デジタルストリーミングと映画もそのような関係を結べるはずです」と考えを示す。
またNetflixで制作したことに関してポン・ジュノは、「先日マーティン・スコセッシ監督とお会いしていろいろとお話したのですが、彼のような巨匠もNetflixで作品を制作しています。大きな予算の作品でありながら、100パーセント創作の自由が与えられている。クリエイティブがコントロールできる」と制作環境を称賛。多くの監督がNetflixで作品を制作することについて「創作の自由に関する渇望。干渉されたくないという思いからNetflixで作っているのでは」と思いを述べた。
「オクジャ/okja」は6月29日よりNetflixにて全世界同時配信。
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筧昌也 @kakehi_maxxxaya
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