青春残酷物語

セイシュンザンコクモノガタリ

上映時間:92分 / 製作:1960年(日本) / 配給:松竹大船

解説 当時、松竹ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として強い支持を受けていた大島渚のデビュー2作目にあたる作品。欲望につき動かされるままにいきいきと行動しながらも、残酷な終末へジリジリと追いつめられていく青年と少女の姿が印象的な一編である。少しグレた女子高生マコこと真琴は、おもしろ半分で中年紳士の車に乗せてもらい、ラブホテルに連れ込まれそうになる。そこへ通りがかった大学生・清は、彼女を助けたうえに、紳士から金を巻き上げる。そんな風にして出会った二人は、その金で遊びまわるうちに深い仲になっていった。やがて、中年男をカモに、つつもたせで金を稼ぐようになる二人。無計画でアナーキーな彼らの行動は、警察に逮捕されてから一気に破滅へ向かう。“おれたち自分を道具や売り物にして生きていくしかないんだ。世の中がそうなっているんだ”。社会への敗北感にうちひしがれ、淋しくつぶやく清。この荒々しい野獣性と繊細さを合わせ持つ青年を川津祐介が好演。桑野みゆきとともに高い評価を得た。

情報提供:ぴあ

スタッフ

監督:大島渚
音楽:眞鍋理一郎

キャスト

桑野みゆき
川津祐介
久我美子
渡辺文雄
田中晋二
森川信
佐藤慶