舞台「チェンソーマン」脚本・演出家が手応え「2.5次元を次のフェーズに進める狼煙に」

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藤本タツキ原作による舞台「『チェンソーマン』ザ・ステージ」が、本日9月16日から10月1日にかけて東京・天王洲銀河劇場で上演される。去る9月15日には、初日前会見と公開ゲネプロが行われた。

「『チェンソーマン』ザ・ステージ」より。

「『チェンソーマン』ザ・ステージ」より。

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「『チェンソーマン』ザ・ステージ」の初日前日会見より。左から脚本・演出の松崎史也、早川アキ役の梅津瑞樹、デンジ役の土屋直武、マキマ役の平野綾、パワー役の甲田まひる。

「『チェンソーマン』ザ・ステージ」の初日前日会見より。左から脚本・演出の松崎史也、早川アキ役の梅津瑞樹、デンジ役の土屋直武、マキマ役の平野綾、パワー役の甲田まひる。[拡大]

会見にはデンジ役の土屋直武、早川アキ役の梅津瑞樹、パワー役の甲田まひる、マキマ役の平野綾、脚本・演出を手がけた松崎史也が出席。松崎は開幕を控えた今の心境を聞かれ「2.5次元を次のフェーズに進める狼煙となる作品ではないかと。志だけじゃなくて、実際に技術としてそうだと思っています。それを何より証明するのは本番の面白さ。面白い演劇を皆さんに観ていただきたいです」と期待値を上げる。

「『チェンソーマン』ザ・ステージ」より。

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自身の役で注目してほしいポイントについて、土屋は「1人ぼっちだったデンジが、人と関わるうちに変わっていく姿を見てほしい」とコメント。梅津は「こんなに複雑に絡み合った殺陣はしたことがない」とアクションをアピールする。甲田は「パワーは笑っているシーンがいっぱいで、アクションのときですら1人で楽しそうにしています。私が登場したときは、皆さんに笑っていただけたら」と呼びかける。

全体的な見どころを聞かれると、平野は「この劇場の規模としてはすごく大掛かりなセットで、映像もすごいし照明もすごい。でも実はかなりマンパワーで動かしていて、裏ではスタッフさんや、そのシーンに出ていない一部キャストの皆さんが走り回ってくれています。お客様にも細部まで観ていただけたら、みんなのがんばりも浮かばれるのでは」と回答。梅津も劇場について言及し、「銀河劇場に来るのは久しぶりだったんですが、妙に狭く感じてしまう。それくらい、舞台上の熱量や周りに伝播させようとする力がものすごいと感じます。とにかく、見どころは全編と言いたいです」と答える。

また役と本人で一番ギャップがある人として名前が挙がった土屋からは「気を抜くと真面目になっちゃうので、常日頃から口を開けてボケーっとするようにしています」という舞台裏のエピソードも。梅津が「役に侵食されかけているよね。『なんとか“だぜ”!』とかよく言ってる(笑)」と証言すると、土屋も「確かに、語尾とかしゃべり方は変わってしまったかも」と同意した。

松崎はマンガを舞台に起こすにあたり大切にした点について「原作が面白すぎて、面白くない回、面白くないシーン、面白くない瞬間がない。舞台もそうなるように作りました」とコメント。また会見冒頭で「キャスト、スタッフが全員素晴らしい。一部にフォーカスしてお話ししたほうが、皆さんに伝わることは多いと思うんですが、どうしても全員褒めたくなってしまう」と言っていたことから、土屋、梅津、甲田、平野の4人を順番に褒めてほしいと記者に求められる。

「『チェンソーマン』ザ・ステージ」より。

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まず甲田に対し、松崎からは「初舞台ということですが、あんなに度胸があったら人間としてよくないのではと思ってしまうぐらい度胸がある(笑)。最初の演技からずっとパワーで、それは彼女が表現者として培ってきたものがあるから、『チェンソーマン』という作品を愛してくれているからだと思います」という言葉が。梅津については「ウィッグを被っていなくてもアキくんで、こんなに美しい男がいるのか!って日々思っています(笑)。それ以上に彼が素晴らしいのは、演劇がすごく好きなんだなっていうことが演技の端々から伝わってくる」と褒める。

「『チェンソーマン』ザ・ステージ」より。

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「『チェンソーマン』ザ・ステージ」より。

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平野については「お客様も観たら驚かれると思いますが、役柄に対しての解釈、解像度、理解度が常人じゃない。いくつもの道を極めてこられた平野さんが、今表現するのに相応しい役柄だったなと強く感じています」と称賛。最後に、土屋については「もう本当は見せたくないぐらい、自分たちのものにしておきたいぐらいデンジなんです。こんなにデンジだったっけ?って何度も思いましたが、それは本来の彼がデンジらしいからではありません。実際はクレバーで身体能力も高く、そのうえで演出意図をわかって周りの俳優とセッションしている。ちょっと、近年稀に見ないぐらい能力が高い俳優だと思っています」と絶賛した。

会見の最後、登壇者を代表して土屋が挨拶。「『チェンソーマン』が舞台化されるという情報が世に出たときから、すごく期待度が高かったと思います。スタッフとキャストで作り上げてきたものが、ようやく皆さまにお届けできることが幸せです。(公演時間の)約3時間10分、数字としては長いですが、体感は絶対に短いと思います。最高な作品ができあがったので、ぜひ劇場や配信で観ていただけたら」と締め括った。

「『チェンソーマン』ザ・ステージ」より。

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舞台はチェンソーマンの悪魔・ポチタを相棒に、主人公のデンジがデビルハンターとして暮らしている描写から始まる。ところがデンジは、仕事を斡旋してくれていたヤクザの裏切りにより殺されてしまう。薄れる意識の中、ポチタと契約したデンジは悪魔の心臓を持つチェンソーマンとして蘇り……。物語の序盤、体に響くようなチェンソーの音で観客は一気に惹きつけられる。チェンソーマン役の夛田将秀が見せる激しいアクションと、仲宗根豊によるダンサーならではのしなやかな身体使いは見どころだ。また悪魔と契約を結んだ人間が発する能力などは、ステージと客席の間に設けられるほぼ透明のスクリーンに映像を投影することで再現。コウモリの悪魔をはじめ、恐ろしい見た目の悪魔たちも見事に再現されている。

「チェンソーマン」は悪魔を身に宿した少年・デンジが、デビルハンターとして活躍する姿を描くダークヒーローアクション。2018年に週刊少年ジャンプ(集英社)で連載がスタートし、2022年7月からは第2部が少年ジャンプ+で発表されている。2022年10月からTVアニメも放送され、話題を呼んだ。

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「『チェンソーマン』ザ・ステージ」

日程:2023年9月16日(土)~10月1日(日)
会場:東京都 天王洲銀河劇場

日程:2023年10月6日(金)~10月9日(月・祝)
会場:京都府 京都劇場

スタッフ

原作:藤本タツキ(集英社「少年ジャンプ+」連載)
脚本・演出:松崎史也
音楽:和田俊輔
振付:HIDALI

キャスト

デンジ:土屋直武
早川アキ:梅津瑞樹
パワー:甲田まひる

姫野:佃井皆美
東山コベニ:岩田陽葵
荒井ヒロカズ:鐘ヶ江洸
岸辺:谷口賢志

チェンソーマン:夛田将秀、仲宗根豊
サムライソード:オレノグラフィティ、吉岡将真

マキマ:平野綾

船木政秀、三枝奈都紀、阿瀬川健太、新原ミナミ、古屋敷悠、山咲和也
キッキィ、啓、ゴリキング、Charlie

声の出演

ポチタ役:井澤詩織

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(c)藤本タツキ/集英社・「チェンソーマン」ザ・ステージ製作委員 会

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