京アニ事件被告の主治医のドキュメンタリーが9月1日夜に放送、4年間の苦悩と道のり追う

「ザ・ドキュメント 猛火の先に ～京アニ事件と火を放たれた女性の29年～」が、明日9月1日25時25分からカンテレで放送される。

同番組は、京都アニメーション放火殺人事件の青葉真司被告の主治医を務める上田敬博教授と、医療チームの4年に及ぶ苦悩と道のりを追うドキュメンタリー。2019年7月に発生した京都アニメーション放火殺人事件で青司被告は自身も全身にやけどを負った。彼の治療にあたった上田教授は、治療中の心境を振り返って「絶命させたら遺族や被害者を落胆させてしまうと気負いがあった」と明かし、9月5日から始まる青葉被告の裁判に対する思いを語る。

また番組では、新全国犯罪被害者の会・新あすの会の岡本真寿美氏にも密着。29年前に職場に乗り込んできた男にガソリンをかけられ放火され、全身の9割にやけどを負った岡本氏は、罪を償わないまま加害者が死亡し、苛烈な治療費の請求に苦しむ。被害者の補償制度を整えようとする岡本氏の姿も捉えられている。

ナレーションは救命救急センターが舞台となったこともある「チーム・バチスタシリーズ」で主演を務めた伊藤淳史が担当。伊藤は「僕も、一刻一刻を争う中で目の前に対する命に向き合おうと思って演じたので、このドキュメンタリーの医療チームの心境には共感するところもあります。人の命を救うという、“医師としてすべきこと”に全力を尽くした彼らは何も悪くないのに今も悲しみや苦しみを抱えています。事件に関わったさまざまの立場の人の複雑な思いを心に刻んでもらえたら」と見どころを語る。また「事件を扱う番組を見られない被害者やご遺族の方もおられるはず。そのことも胸に刻んで、やらせていただきます、と思って収録に臨みました。このあってはならない事件が忘れられてはいけないという思いです」と番組への覚悟を見せ、「一番ケアをされるべき被害者にここまで補償がされていない現実に驚きました。この国の被害者に対する救済を見直してもらいたいですが見直されればと思いました。」と願いを語った。