テルマエ・リラックマvs西原、キャッキャウフフな画力対決

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西原理恵子と有名マンガ家が観客の前でイラストを描き、その出来映えを競う公開ライブイベント「西原理恵子の人生画力対決」が、新宿ロフトプラスワンにて7月25日に開催された。ゲストは「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリと、「リラックマ」のコンドウアキ。Ust中継NGとされた門外不出の女子会に、コミックナタリーの取材班は潜入した。

ヤマザキが描いた「TIGER & BUNNY」。牛角に訴えられてもおかしくない。

ヤマザキが描いた「TIGER & BUNNY」。牛角に訴えられてもおかしくない。

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ヤマザキが描いた「黒柳徹子」は、とてもリアル。

ヤマザキが描いた「黒柳徹子」は、とてもリアル。

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画面は「テルマエ・リエコ」表紙のビッグコミックスペリオール。購入の際は目印にしよう。

画面は「テルマエ・リエコ」表紙のビッグコミックスペリオール。購入の際は目印にしよう。

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「いい湯だな」をBGMに、頭にタオルを乗せて登場したヤマザキ。

「いい湯だな」をBGMに、頭にタオルを乗せて登場したヤマザキ。

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コンドウの描いた「怪物くん」。頭のプロペラだけでなく、感情が全くつかめない表情も恐ろしい。

コンドウの描いた「怪物くん」。頭のプロペラだけでなく、感情が全くつかめない表情も恐ろしい。

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過去には江口寿史から「ドブねずみの巣みたい」と評されたロフトプラスワンだが、今回は心なしか観客も若い女性が多め。しかし「忍たま乱太郎」のテーマ曲「勇気100%」を伴って入場した西原は、いきなり「今日のゲストは、キレイな仕事をする気に食わない女」と悪態を吐き、場の空気をブラックに染め上げる。

対決は2部構成。1戦目のゲスト・ヤマザキは頭にタオルを乗せ、「いい湯だな」をBGMに登壇した。ゲストの画力を測る恒例のナマ描きでは、「テルマエ・ロマエ」からルシウスを執筆。同時に西原もルシウスを描くが、これがなかなか見事な出来映えで、ヤマザキからも太鼓判が捺された。

1問目「なでしこジャパン・澤穂希選手」をサクサク描くヤマザキを見て、司会進行役の小学館・八巻和弘氏は「上手すぎる、偽物か!?」と叫ぶ。実は西原とヤマザキ、去る6月26日にもアメリカ・シカゴで画力対決を行っていた。「この間と手つきが違う!」と八巻氏。ヤマザキはシカゴでどのような筆致を見せたのだろうか。

続いて「リラックマ」がお題に出されると、「こいつはOLと一緒に住んでるヒモ男なんですよ」と西原。ヤマザキも実物を見て「はーあ。かわいらしいこと」と嫌味モードで楽屋のコンドウを挑発する。イラストの出来は2人とも上々だったが、西原のせいで「リラックマ」はすっかりヒモ野郎のイメージに。

「チェ・ゲバラ」「つげ義春のねじ式」など、難問を次々に消化していくヤマザキだが、中でもマッチしたお題は「黒柳徹子」。シワまでくっきりと描き込んだリアルテイストに、客席からは感嘆の声が上がる。西原も「ババアをババアに描いちゃダメ!」と憎まれ口を叩きながら、その出来映えには感心しきりだ。

この「黒柳徹子」から老人へのこだわりを感じとった八巻氏は、第1部の最終お題に「フケ専」を提案。ヤマザキは「テルマエ・ロマエ」に登場してもおかしくない、色気ある老人男性の裸体を執筆してみせる。ならば自分は「デブ専」だ、と西原、肥満体型の老人を描いてご満悦だ。マニアックな男性嗜好を明かしあう様子は、女子会らしいといえなくもない。

第2部はコンドウが顔出しNGのためネット配信はなし。コンドウがナマ描きする「リラックマ」に「なにそれ?チンコ出てんの?」などと野次を飛ばす西原に対し、八巻氏がいつになくソワソワしている。なんと八巻氏は「リラックマ」の大ファン。仕事のスケジュールは「リラックマ」手帳につけ、会社のデスクにも祭壇のようにリラックマが積まれているという。ファンシーグッズを愛好するオジサンに、西原は「ホモなの?」と苦言。コンドウは「乙女なんですね」とファンを擁護する。

コンドウは「怪物くん」がお題に上がると「帽子にプロペラついてました?」「髪は生えてた……?」など不思議な発言をし、「紅の豚」のポルコについては「服は着てなかった」と豪語。キャラクターグッズ界のトップクリエイターが、世にも不思議なイラストを次々と産み出していく。

和田慎二を追悼すべく出されたお題「スケバン刑事」にも、「ハチマキしてましたっけ?」と容赦ないボケをかますコンドウ。西原も「ヨーヨーが女性器みたいになっちゃう」「真ん中の割れたところがそっくり……」とひどい下ネタ。場が荒れるにつれてトークのキレも増し、問題発言も連発された。「Ustしてなくて本当によかった!」と肩を撫で下ろす一同。

イベント後半では、再びヤマザキがステージに登場。この日、いちばんの盛り上がりを見せたお題「TIGER & BUNNY」に3人で挑戦する。放送中の人気アニメだが、西原以外の2人はお題をまったく理解していない様子。八巻氏と西原の説明も「キャラクターの服に牛角って書いてある」「ロボットが出てくる」など、混乱を煽るだけで要領を得ない。

「TIGER & BUNNY」のタイトルに騙され、コンドウは虎と兎を合成したクリーチャーを創作。ヤマザキは兎が虎に食べられている酷いシチュエーションを描いてしまう。そして両者とも、服にしっかり「牛角」の文字……。少ないヒントで健闘した2人だが、正解を見ると「え、人間の話なの?」と、狐につままれたような表情を浮かべた。一方ただひとりアニメを知る西原だが、会場の度肝を抜く画力不足を露呈して優位を活かせず。桂正和の美麗イラストを冒涜するような試合に、八巻氏は「最長不倒距離」の評価を下した。

イベント締めのお題は、画力対決の定番「ゴルゴ13」だ。西原とヤマザキはデューク東郷をブリーフ姿で描くが、コンドウはスーツ着用。コンドウのカマトトぶりを非難する西原とヤマザキだが、「これぐらいウブなほうが男受けするのかもね」と本音を覗かせた。

しかし乙女心を取り戻したのも束の間、対決を終えたヤマザキは「今後は路線を変えて、ブリーフマンガでも描こうかな」、西原は「眩しい女子に囲まれても、心は黒いまんまよ」と汚れ路線。果たされなかった女子力アップを3人で誓い、対決は閉幕した。この対決は西原によってマンガ化され、後日ビッグコミックスペリオール(小学館)の「西原理恵子の人生画力対決」にて数回にわたり掲載される。掲載号の表紙は、西原による「テルマエ・リエコ」が飾る予定だ。

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テルマエ・リラックマvs西原、キャッキャウフフな画力対決 http://natalie.mu/comic/news/53822

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