アニメ「モノノ怪」のイベント「アニメ『モノノ怪』十五周年記念祭」が本日6月18日に東京・フジテレビ本社1Fのマルチシアターで開催された。
2007年7月よりフジテレビ「ノイタミナ」枠ほかにて放送された「モノノ怪」は、薬売りの男が“モノノ怪”に立ち向かう冒険譚。「アニメ『モノノ怪』十五周年記念祭」はアニメ放送15周年を記念し実施されたもので、イベントには中村健治監督、薬売り役の
イベントはまずファンから募集した質問に答える「#モノノ怪秘話」のコーナーを展開。「作品の世界観を出すのに、参考にした場所や作品は?」という質問に、中村監督は「場所で言うと目黒雅叙園。百段階段があって『座敷童子』の参考にしました。作品だと市川崑さんの『犬神家の一族』とか、『十二人の怒れる男』とか。作品を作るときにはいろんなものを参考にします」と回答する。
また櫻井に対する「薬売りを演じる際に気をつけていることは?」という問いには、「台本にも細かく指示が書いてあるんですが、インスピレーションですね。最初のうちは戸惑いもあったんですが、作品のマナーやルールが分かってきてからは、勘というか嗅覚でやっていました」と言葉で説明するのは難しいと述べる。そんな櫻井に対し、中村監督は「基本的には役者さんのほうが自分よりキャラクターについて詳しいと思ってるので、わざとあんまり細かいことは言わないようにしてます」と語る。さらに「最初のアフレコが一番好きなんですよね。(キャストが)声を発した瞬間に魂が入って、命が生まれた瞬間を感じるんですよ。その瞬間に自分の中でシュッと1つになる感じがあって」と、演じるキャストに対する思いを明かした。
さらに櫻井は、「薬売り以外で好きなキャラクターは?」という質問に対して「『海坊主』のエピソードに出てきたキャストの方々が濃くて。それまでは作品の雰囲気を感じながら演じてたんですけど、関智一さんとかがぶち壊しに来るんですよね(笑)。それがセンセーショナルで楽しかったので、『海坊主』のキャストの皆さんは役も含めて好きです」と語ると、会場からは笑い声が。さらに「のちのち若本(規夫)さんも出てくるので、もはやスタジオがモノノ怪でしたね(笑)」と櫻井が続けると、中村監督も「若本さんはコントロールできなくて。もう生かしていくしかないなと諦めたのを覚えてます(笑)」と苦笑いを浮かべる。
「制作中に起きた不思議な出来事は?」という質問には、アフレコ中に機械がよく止まったというエピソードを披露。櫻井が「変な止まり方してましたね」と述べると、中村も「原因が分かんなくて、やばいなっていう感じがスタッフの中にふわーっとあって」と苦笑い。山本プロデューサーが「お祓いにも行ったんですけど、それでも止まったんですよね」と続けると、中村監督は「僕、遅刻してお祓いに行けてないんですよね(笑)」と笑うと、山本プロデューサーに「そのせいじゃないですか」とツッコミを受けていた。
そして劇場版「モノノ怪」の制作が発表に。中村監督は「おめでとうございます。あの、がんばります。めちゃめちゃがんばります、大丈夫です。お任せください」と力強くコメント。櫻井が「『モノノ怪』の打ち上げのときに、監督とまたやれたらいいですねという話をしていて。もうビジュアル見ただけで涙が出そう。早く会いたいし早く出たいです」と期待を語ると、中村監督は「(ティザー映像の)アフレコで櫻井さんの声を聞いて、イメージがシュッと降りてきて。やっぱり櫻井さんが必要なんですよね。お芝居が想像と違ってたりもするんですけど、それがいいんです」と櫻井に対する信頼を明かす。
また公開されたティザービジュアルで、薬売りが黒い衣装を着ていることについて、中村監督は「作品の舞台が大奥なので、周りの人たちがきらびやかであざやかなんですよ。薬売りもきらびやかな人物なんですけど、一緒にすると混ざっちゃうんですよね。なので、場を締める意味でダークな色の薬売りさんに着替えてもらいました」と明かす。さらに山本プロデューサーが「旧作のようなテクスチャーをやるんですか?」と質問すると、中村監督は「はい、やります。いろいろアップデートしたり、チューニングしてるので、どんな仕上がりになってるかは楽しみにしてください」と自信をのぞかせた。
さらにイベントでは15周年記念サイトで実施中の名場面投票の中間発表、クラウドファンディングの実施、舞台化、「十五人絵師ビジュアル企画」、コミカライズ「怪~ayakashi~ 化猫 モノノ怪前日譚」の連載、「怪~ayakashi~」と「モノノ怪」の一挙配信、オンライン展示会など、「モノノ怪」15周年を盛り上げるさまざまな情報も伝えられた。
最後に、山本プロデューサーは「制作スタッフ一同、中村監督の意図するフィルムになるべくがんばります。応援よろしくお願いします」、櫻井は「化猫で始まって化猫で終わった世界から、また新しいものが生み出されようとしてます。一生懸命作り上げますので、楽しみに待っていてください」と意気込みを語る。そして中村監督は「15年ぶりに新しく作ることになり、新しいこともやりたいし、逆に変えちゃいけないことやファンの皆さんががっかりするようなことはしちゃいけないと思っています。すごく考えて悩みながら、1つひとつ吟味しながら進めておりますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければ」と、作品のファンへアピールし、イベントを締めくくった。
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