「さよなら、ティラノ」石原夏織が石塚運昇の思い出披露、監督は坂本龍一とのやりとり語る

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アニメ映画「さよなら、ティラノ」の初日舞台挨拶が、本日12月10日に東京・新宿バルト9で開催された。

左から檜山修之、石原夏織、森川智之、静野孔文監督。

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映画「さよなら、ティラノ」キービジュアル

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「さよなら、ティラノ」は、暗闇が苦手なティラノサウルスのティラノと、飛べないプテラノドンのプノンが出会い、“天国”を求めて旅をする物語。アニメーション制作を手塚プロダクション、音楽を坂本龍一が手がけた。坂本がアニメーション映画の音楽を担当するのは、1987年作の「王立宇宙軍 オネアミスの翼」以来のこととなる。イベントにはプノン役を演じる石原夏織、ボス恐竜ゴルゴの手下・ルッチ役を演じる森川智之と、同じくゴッチ役を演じる檜山修之、そして静野孔文監督が登壇。始めの挨拶で石原は、新型コロナウイルスの影響により公開が1年間延期されたことに触れ、「皆さんのもとに早く届けたいという思いがどんどん募っていたので、公開されると聞いたときは本当にうれしかったです」と喜んだ。森川はルッチの声、桧山はゴッチの声をそれぞれ披露し、客席を沸かせた。

左から檜山修之、石原夏織、森川智之、静野孔文監督。

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アフレコ現場では、ティラノ役の三木眞一郎とのやりとりが多かったという石原。「毎回震えが止まらなくて、どんどんテイクを重ねていくことで、なんとか平常心を取り戻していく感じでしたね。それくらい新鮮で刺激的でした」と振り返り、森川や檜山の演技については「ここのシーンがこうなるんだと、台本にはないアドリブがたくさんあって感動しましたし、私もこんな2人になりたいと思いました」と伝えた。それに対し檜山は「アドリブはそんなに入れてないはずですけど、恐竜の動きが派手で愉快なので、そのへんは遊ばせていただきましたね」と返し、森川も「僕は台本に忠実にと教わっているので」と続ける。森川と檜山のアフレコについて問われた静野監督は「台本に忠実かどうかは、はてなマークが付くんですが(笑)、『ああ、こうなるんだな』と。とても面白かったです」と笑顔を浮かべた。檜山は、森川とコンビ役で出演することになった経緯について「音響監督の山田陽さんが、森川と僕の番組『おまえらのためだろ!』を観に来てくれたんです。この番組の2人の雰囲気でルッチとゴッチを演じてくれたら、面白いんじゃないかと思ってくださったのがきっかけで、参加することになりました」と明かした。

左から檜山修之、石原夏織、森川智之。

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作品の見どころについて尋ねられると、石原は「クスッと笑えるシーンは絵のテイストが変わったりと表現が繊細で、目の描かれ方も鮮やかで引き込まれそうな感じがしました」とアピール。森川は「映像のきれいさと坂本龍一さんの音楽が相まって、素晴らしいなと思いましたし、恐竜って怖いイメージがあるけど、それぞれ本当に個性的で、実際に助け合いや友情が芽生えていたんじゃないかと思わせられました。あと恐竜のしっぽがかわいいです」と語った。檜山も同意しながら、「昨今の恐竜の研究では、ゆっくりではなくスピーディーに動いていたという報告がされていて。そこも作品に盛り込まれていますし、ティラノとゴルゴのシーンも重厚感たっぷりなので見応えがあるはずです。それこそYMO時代から坂本龍一さんの大ファンなので、坂本さんが音楽を手がけた作品に携われたのも、個人的にうれしいですね」と話した。森川は「俺もうれしいですって、ここは(檜山と)セットでお願いします」と言い、笑いを誘う。坂本とのやりとりについて静野監督は「(坂本が住んでいる)アメリカに行って打ち合わせをしないといけないと考えていたら、坂本さんが日本に来てくれたんですよ。ストーリーボードを持ちながら説明をしたんですけど、『キャラクターがよく(いろんなところから)落ちる作品だね』と言われました(笑)」とエピソードを語った。

左から檜山修之、石原夏織、森川智之、静野孔文監督。

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また途中、2018年に亡くなった石塚運昇の話題に。本作でトリケラ村のケラおじいさん役を演じた石塚の思い出として、石原は「石塚さんの演じている姿を後ろから見させていただいたんですが、ケラおじいさんという役の包み込むような優しい演技や、ときには諭すような演技を間近で見ることができて、すごく幸せでした。忘れられない思い出です」と、アフレコ時の姿を挙げた。森川も「亡くなられて3年が経つのに、新作が出るってすごいですよね。声優業界でもいないんじゃないですか、まさにレジェンドですよ。きっとゴルフ場の草葉の陰から見守ってくれていると思います」と続ける。静野監督はケラおじいさんという役どころについて、「すごく重要な、物語の鍵となるポイントで活躍するキャラクターです」と話したのち、「そのキャラクターを石塚さんの中で十分に解釈してくださったおかげで、ストーリーボードやシナリオだけではない魅力が生まれたなと思いました」と感謝の気持ちを述べた。

左から檜山修之、石原夏織、森川智之、静野孔文監督。

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会場ではティラノ役の三木からのビデオレターも上映された。三木は「若手からベテランまで、層が厚いキャストが揃っていて、出てくるセリフに嘘がない芝居をされているので楽しみに」とコメント。最後に石原は「胸が熱くなったり、切なくなったり、きっと、多くの方に共感していただけると思います。いろんな恐竜のキャラクターがしゃべったり、動いたりしています。ぜひ隅々まで観ていただけるとうれしいです」とメッセージを贈り、イベントは締めくくられた。

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映画「さよなら、ティラノ」

公開中

原作:宮西達也 ティラノサウルスシリーズ「ずっとずっといっしょだよ」(ポプラ社)ほか
監督:静野孔文 
音楽:坂本龍一
アニメーション・ディレクター:江口摩吏介 
脚本:佐藤大、うえのきみこ、福島直浩
アニメーション制作:手塚プロダクション
製作:MediaCastle Corp.
配給:東映ビデオ
出演:三木眞一郎石原夏織、悠木碧、小西克幸、井上喜久子、森川智之檜山修之、宮西達也(オープニングナレーション)、石塚運昇

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