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スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order」初の劇場アニメ化となる「Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-」。主人公・遍歴の騎士ベディヴィエールを演じた宮野は、映画を鑑賞したばかりの観客を前に「いろんな状況の中、やっとここまでたどり着きました。劇中で(ベディヴィエールの)目の色や表情が変わっていくのが印象的。虚ろから始まり、苦しい戦いを経て、絶望感はあるけど、1つの光を見つけて決意を持って向かっていく流れが素晴らしかった」と、同作を観た感想を語った。
また人類最後のマスター・藤丸立香役の島崎は「僕の立場では、どうしてもカルデア視点で観てしまうけれども、ベディヴィエールが主役ということで彼の視点ではこう見えるんだと印象的でした」とコメント。また「客観的に見ると、藤丸をはじめカルデアのやつらってすごいやつかもって。これまで出会った英雄たちもそう思ったのかなと思えて新鮮でしたね」と、楽しそうに感想を語る。
同じくカルデア側の気持ちで見てしまうというマシュ役の高橋。「今までの作品ではカルデア側の気持ちを描いていただいていたから、(今回描かれないことが)少し怖かったりもして。でもこれが後編につながるセリフになるといいなという思いを込めて演じました」と心境を述べる。続く坂本は「すごく面白かったです。『FGO』を知らない人が、このエピソードを切り取られてどうなるのかなと思っていたんですけれど、楽しんでいただける作品。ダ・ヴィンチの出番も見せ場もあってよかった(笑)」と話す。
映画のアフレコは1年以上前だったため、キャストが一同に会して行われたという。宮野は収録当時を振り返り「懐かしいですね。やっぱり収録は一緒にやるのが一番いい。お互いに気持ちを通わせてお芝居できるので」と、現在の状況を残念そうに語る。さらに「映像になったことでべディの愛情の深さを再確認しました。彼が何を抱えているのかはまだ明かされていないですが、こんなにも愛の人だから、いろんなものを抱えてしまうんだなと強く感じることができましたね」と、アフレコを経てキャラクターへの理解が深まったことを明かす。
また島崎は、ベディヴィエールとアーラシュの会話が印象的だったと述べ「現場で見ててもベディがほぐれていくのがよくわかって。アーラシュは温かくてどこか生活感のある大英雄なので、自然体の会話で(ベディの)心がほぐれていくのが素敵だなと思いました」と語る。また「ダ・ヴィンチはおいしい役」と言う坂本は「本人の中にはいろんな作戦とか見通しがあるんでしょうけど、周りの人には見せない余裕があって、飄々としていて。でもそれをみんなが勝手に深読みしててくれるから(笑)。別のキャラクターもやらせてもらっていますが、今では自分が楽に演じられるキャラクターですね」と話した。
これまで「Fate」シリーズで、さまざまな役柄を演じてきた川澄は「今回敵対する側でしたが、前編の結果を観て自分はちょっとショックを受けました」と映画の感想を述べる。さらに「Fate/stay night」の“if”のストーリーができるのは喜びだと語り、「ベディヴィエールは頑張ってて素敵だなって、お母さんみたいな気持ちでした(笑)。ベディはアーサー王の最後を看取ってくれた騎士。彼が何故看取ることができたのか、円卓の中で彼が特別だった理由が後編を観るとわかるんじゃないかな。でももっとちゃんと言ってくれたら、いい解決策あったんじゃないかなって思いましたけど(笑)」と語り、観客の笑いを誘った。
さらにトークでは、坂本が手がけた前編の主題歌「独白」についての話題に。坂本は「ダ・ヴィンチ役をやっているので混乱するかもしれませんが、ベディヴィエールの気持ちを歌った曲。監督から『後編を観たくなるようなエンディングにしたい』という無茶振りもあって(笑)。組曲のようにドラマチックなスケール感を目指しました」と制作の裏話を披露。さらに宮野が務める後編の主題歌の作詞を、坂本が手がけたことについて問われると、宮野は「僕が歌を担当すると聞いた時点ですごくありがたいなと思ったんですが、真綾さんが作詞をしてくださると聞いてとにかく幸せ。まさかこんなことが起こるとは思っていなかった。『独白』は前編のテーマソングなので、その先の思いを僕の曲で伝えられれば」と語った。
さらに「劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編 Paladin; Agateram」のティザービジュアルとともに、映画の公開時期が2021年春に決定したことも伝えられると、客席からは大きな拍手が起こる。最後の挨拶で島崎は「終わり方も終わり方なので、『あー楽しかった!』って感じではない思いますが(笑)、いいものになったんじゃないかな。もしまだゲームをプレイされてない方はやってもらって。『Fate』の世界は知れば知るほど面白くなるので、ぜひどっぷり世界に浸って愛し続けていただけたらうれしいです」とアピールする。
そして宮野が「本当に面白い映画を作ることができたと自信を持って言えますし、今日届けられてうれしく思います。べディは本来は温かい人で、人と関わることが大好きな人。でも今回、孤独を抱え人に触れることができず、拒絶し続け1人で戦っている。前編では藤丸や仲間たちに出会ったことで絆を得たというところまではいきませんが、固まった心がちょっとだけほぐれた。彼の孤独な戦いは続きますが、小さな光を得たこと自体が希望なんだと思います。希望の光がどこへ向かうのか、どういう結末を迎えるのか、ぜひ見守って欲しいです」と語り、舞台挨拶を締めくくった。
なおコミックナタリーでは、「劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編 Wandering; Agateram」の公開を記念してベディヴィエール役の宮野真守、レオナルド・ダ・ヴィンチ役の坂本真綾の対談を実施。姉と弟のように仲のいい2人に、同作の見どころ、そしてそれぞれが担当する前編と後編の主題歌についてじっくり語り合ってもらった。関連する特集・インタビュー
「劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編 Wandering; Agateram」
公開中
スタッフ
原作:奈須きのこ/TYPE-MOON
リードキャラクターデザイナー:武内崇
監督:末澤慧
脚本:小太刀右京
キャラクターデザイン:細居美恵子、黄瀬和哉、温泉中也
総作画監督:黄瀬和哉
音楽:芳賀敬太、深澤秀行
制作:Production I.G
アニメーション制作:SIGNAL-MD
キャスト
ベディヴィエール:
藤丸立香:
マシュ・キリエライト:
レオナルド・ダ・ヴィンチ:
獅子王:
ガウェイン:水島大宙
モードレッド:沢城みゆき
ランスロット:置鮎龍太郎
トリスタン:内山昂輝
アグラヴェイン:安元洋貴
オジマンディアス:子安武人
ニトクリス:田中美海
玄奘三蔵:小松未可子
アーラシュ:鶴岡聡
呪腕のハサン:稲田徹
静謐のハサン:千本木彩花
ロマニ・アーキマン:鈴村健一
※島崎信長の崎はたつさきが正式表記。
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【イベントレポート】劇場版「FGO」初日舞台挨拶、宮野真守「べディヴィエールの愛情の深さを再確認」 https://t.co/3M4KRz3eHr