「フリクリ オルタナ」舞台挨拶に新谷真弓＆上村監督「自分の中のフリクリを探して」

劇場アニメ「フリクリ オルタナ」の初日舞台挨拶が、本日9月7日に東京・TOHOシネマズ上野にて開催され、ハルハラ・ハル子役の新谷真弓と、上村泰監督が登壇した。

上村監督は本作を手がけるにあたり、スタッフ全員で「フリクリって何だろう」という議論があったことを振り返る。「でもみんなバラバラなんですよね。こんなにバラけるってことがあるんだってくらい『フリクリ』という作品への思いがバラバラ。『オルタナ』はその中でも、鶴巻（和哉）監督のセンチメンタルな、繊細な部分が描けたらなと思って作らせていただきました」と語る。また絵コンテや脚本ができる前から、新谷に意見を求めていたと明かした。

そんな新谷は「本来、監督さんに役者から意見を言うなんておこがましいことなんですけど」と恐縮しながらも「もともと鶴巻さんが作られた『フリクリ』っていうのは、プライベートフィルムみたいなものなので。違う人が作ったら同じハル子にはならないですよねって。それに対抗するには、上村監督のプライベートフィルムにするしかないって話になって」と語る。

また本作ではハル子と女子高生4人組の関係を描いていることについて「ハル子と女子高生という組み合わせによって、新しいハル子像が描けるんじゃないかなと思って」と語る上村に、新谷が「上村監督は女子高生の4人を描きたいんだなと思いました（笑）」と笑う。すると上村も「そこは僕のプライベートです（笑）。ちょっと言い方が難しいけど」と続け、会場の笑いを誘う。そして「僕は男なので、男子高生だった頃から女子高生にはモヤモヤしてたので（笑）。そこは普遍的だなって感じてまして」と独自の見解を述べた。

そんな女子高生の1人である河本カナ役の美山加恋からのコメント動画が上映。美山は「カナちゃんたちの悶々とした日々を見ながら、皆さんにも青春ってこんな感じだったなと楽しんで頂けたら。ハル子さんと出会って、高校の友達と事件を通じて何かを知っていく様が、『オルタナ』の見どころのひとつかなと思います」と作品をアピール。そんな姿を観ていた新谷は「かわいい！ アフレコのときは結構悩んでましたよね」と振り返ると、上村が「4人組はリアルで仲良しだった。よく一緒にご飯を食べに行ってて、羨ましいかった（笑）」としみじみ語り、会場をざわつかせた。

最後に、新谷は「『フリクリ』を愛して下さる皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。これからどういう展開があるのかわかりませんけど、この先も好きという気持を持っていてくれたらうれしいなと思います」と感謝の言葉を述べ、上村は「今日から『オルタナ』が公開されますが、このあと『プログレ』も続きます。僕は『プログレ』には関わってないですけど、ニコイチの気持ちで意識しながら作っていたので、ぜひ『プログレ』も見ていただいて、自分の中の『フリクリってなんだろう』と探していただければと思います」と語り、舞台挨拶は幕を閉じた。

「フリクリ」は、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」などを手がける鶴巻和哉の初監督作品。貞本義行がキャラクター原案、GAINAXとProduction I.Gが制作を担当し、2000年から2001年にかけてOVA作品としてリリースされた。続編となる「フリクリ オルタナ」は本日9月7日、「フリクリ プログレ」は9月28日より劇場公開される。