「羽海野チカの世界展」は2016年8月から東京、大阪、岡山、福岡、宮城、新潟、愛知、京都、静岡、広島、栃木、北海道など多くの都道府県を巡回してきた展覧会。「ハチミツとクローバー」「3月のライオン」といった長編作品の展示に加え、レアな私物なども披露されている。扱う内容は会場ごとにアレンジが施され、展示する原画は初期の150点から30点以上増加。今回が最大級の展示となる。
会場の入口付近には、羽海野からの直筆メッセージを掲出。猛暑のなか来場した観客を気遣う言葉と、「平成の最後の夏の思い出の中にこの原画展の事をまぜていただけたらとても幸せです。来て下さってありがとう」という感謝の気持ちが綴られている。このほか会場中に羽海野からの直筆メモがちりばめられているので、来場者は探してみよう。
続く「ハチミツとクローバー」コーナーには、YOUNG YOUやコーラス(ともに集英社)などを彩った原画の数々をはじめ、作中に登場するティーコジー「プックン」の実物や森田から差し入れられたコロッケの山の見本などが並ぶ。またコーラスに掲載された読み切りが、壁面に1話まるごと展示。この読み切りは単行本と電子書籍には収録されていないエピソードで、7月24日からは別の単行本未収録読み切りに切り替わる。
「3月のライオン」コーナーには「桐山零」「二海堂晴信」「川本家」など登場キャラクターごとの原画が飾られた。「対局」をテーマにした壁面には宗谷名人と島田八段戦での島田の名セリフ「『生きてる』って 気がするぜぇ」が描かれたページなど、見どころたっぷり。「Animation」コーナーではアニメ「3月のライオン」の設定資料などはもちろん、2シリーズにわたって放送されたアニメのエンドカードが一堂に会した。
また「スペシャルコーナー Spica」と題し、羽海野がデビュー当初に各誌に描いた短編を集めた読み切り集「スピカ」より、「冬のキリン」の複製原画を展示。「Movie」コーナーでは、映画「3月のライオン」の場面カットやポスター、小道具などがディスプレーされた。
「羽海野チカの部屋」コーナーには、羽海野の愛猫ブンちゃんの写真がぎっしりと貼られたボードや自作アイテム、お気に入りの宝物など私物が所狭しと並べられ、羽海野のプライベートをうかがい知ることも。さらに会場を進むと、さまざまな企業やアーティストとコラボしたイラストもずらりと並ぶ。展覧会の感想を書けるブースも設けられ、羽海野が自身のInstagramに投稿したイラストの原画もお目見え。出口には壁面に大きく手描きのイラストが。出口のイラストは写真撮影も可能だ。
「羽海野チカの世界展」は7月29日まで開催。“妻子捨男”こと川本3姉妹の父・誠二郎を描いた「捨男ステッカー」、羽海野とその友人であるヒグチユウコ、コンドウアキ、名久井直子の4名がコラボしたTシャツ、滑川をモチーフにしたツバメノートなど、今回の展覧会よりラインナップされた新作グッズも多数販売されている。さらに入場者には特典として、「3月のライオン」13.1巻がプレゼントされる。
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「羽海野チカの世界展~ハチミツとライオンと~」
会期:2018年7月19日(木)~7月29日(日)
会場:松屋銀座8階イベントスクエア
入場料:一般800円、高校生600円、中学生300円(小学生以下無料)
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- 『3月のライオン』羽海野チカ | 白泉社
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