第21回文化庁メディア芸術祭の記者発表会が、本日3月16日に東京・国立新美術館にて行われた。コミックナタリーではアニメーション部門とマンガ部門の受賞作品発表時の様子をレポートする。
アニメーション部門では「
真木氏は「クラウドファンディングという資金調達の手法にはじまり、映画興行そのものは大型の宣伝を行わず、というか行う資金もなくゲリラ的な手法で宣伝を行った。TwitterなどSNSを含めたデジタルの口コミと、通常のアナログの口コミの相乗効果によって、非常に多くのお客さまに映画館に詰め掛けていただいて。一昨年の11月に公開した映画が、未だに上映されている。本来エンターテインメントの趣旨である、クリエイターとお客様の非常に幸せな融合がこの映画を支え続けている」と、「この世界の片隅に」について分析した。
続いて、「夜明け告げるルーのうた」の
そして「小さい頃から変わってるとか偏屈だとか言われてきたので、僕もみんなに理解されたいしみんなを理解したい。今作はそのメッセージというかラブコールでもあります。今回、この賞をもらって、理解されたと理解させていただきます」と笑顔を見せる。なお湯浅監督は2004年に「マインド・ゲーム」、2010年に「四畳半神話大系」でも文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門大賞を受賞。3回目の大賞受賞はメディア芸術祭はじまって以来だという。
マンガ部門の大賞を受賞したのは、
マンガ部門の審査委員・門倉紫麻氏は「『ねぇ、ママ』というタイトルですが、母親だけでなく大人というそのものへのエールのような作品。審査のときにはモニターに作品を映しながらみんなで見たりするんですが、そのときにも分析的にというよりは『本当にいいよね』とエモーショナルな発言が出た作品でした」と称えた。また「池辺さんは、もう1作の『雑草たちよ 大志を抱け』という作品も最終選考に残っておりまして、面白いことに自身の作品が最後まで大賞で競るという状況でした。『ねぇ、ママ』が大賞に決まったのは、これまで池辺さんが描いてらした『1人であること』というテーマが、より深化しているから」と授賞理由を明かした。
また門倉氏は選考対象に多様な作品が集まったことを喜び、「ギリギリのところで賞に入らなかった作品がたくさんあって、それが審査委員会推薦作品に入っているので、ぜひチェックしてほしい」と呼びかけた。審査委員会推薦作品の一覧は第21回文化庁メディア芸術祭の公式サイトに掲載されている。
文化庁メディア芸術祭はアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門で優れた芸術作品を顕彰するメディア芸術の総合フェスティバル。第21回には4192作品が寄せられ、過去最多となる世界98の国と地域から応募があった。受賞作品を紹介する作品展は、6月に国立新美術館を中心に開催される。
第21回文化庁メディア芸術祭 受賞作品
マンガ部門
大賞伊図透「銃座のウルナ」
高浜寛「ニュクスの角灯」
上野顕太郎「夜の眼は千でございます」
山田胡瓜「AIの遺電子」
久野遥子「甘木唯子のツノと愛」
板垣巴留「BEASTARS」
アニメーション部門
※カッコ内は作家名・受賞者名。大賞「
「
「ハルモニア feat. Makoto」(大谷たらふ)
「COCOLORS」(「COCOLORS」制作チーム 代表:横嶋俊久)
「Negative Space」(KUWAHATA Ru / Max PORTER)
「舟を編む」(黒柳トシマサ)
「The First Thunder」(Anastasia MELIKHOVA)
「Yin」(Nicolas FONG)
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