中村悠一「新しいガンダムに乗りたい」と、アニメ「サンダーボルト」続編に意欲

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太田垣康男原作によるアニメ「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」の舞台挨拶が、本日6月26日に東京・新宿ピカデリーにて行われた。

(左から)松尾衡、中村悠一、木村良平、太田垣康男。

(左から)松尾衡、中村悠一、木村良平、太田垣康男。

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舞台挨拶には原作の太田垣をはじめ、イオ・フレミング役の中村悠一、ダリル・ローレンツ役の木村良平、監督・脚本の松尾衡が登壇。アニメを観終えた観客から盛大な拍手を受けると、松尾は「朝から重くないですか? キツいでしょ、コレ(笑)」と、朝早くから来場した観客に言葉を掛ける。中村はイオを演じ終えて「イオはいい人ではないので楽しくやらせていただきました。ずっと叫んで必死にやってたなあと思い出しながら観ていました」とコメント。続いて木村が「僕はいい人だったので……」と話し始めると、中村から「そうでもないでしょ!」と突っ込みが。改めて木村は「まあよく叫んで、泣いてたなと思います」と振り返った。

「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」キービジュアル

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そして話題は声を先に録った後に絵を付けるという、プレスコ方式で行われた収録について中村は「掛け合うところは一緒に収録したんですが、良平が僕の芝居に乗っかると、監督から『いや、ダリルはもうちょっと落ち着いて』」と言われていて……」と明かす。木村は「でも臨場感が出て一緒に録れてよかったなと思います」と述べた。そこで監督は「声を張ると男性の声って少しずつ似てくるんです。どっちが話してるのかわからない状態にならないように、この2人を選びました」とキャスティングについての秘話を語った。

また太田垣は2人の声を聞き、「マンガは絵だけなので、音も声も色もないんですよ。なので声優さんの声が入った瞬間に『キャラクターが若返った!』という印象が一番強かったです。(連載されているのは)青年誌だし、自分の中ではもう少しおじさん声だったので新鮮でした」と感慨深げにコメント。監督が「それは自分の声でやってるからですよ」と茶々を入れると、太田垣は「しょうがないじゃないですか!頭の中では女性キャラもこの声でやってますよ。魅力はないですけどね」と苦笑しながら答えた。

さらに話は進み、劇場版で新たに追加されたエンディングについて監督は「(追加するとしたら)配信版の各エピソードをきれいに繋げるカットとかよりも、こういう雑かもしれないけど、楽しめる映像を入れたほうがいいんじゃないかと思った」と語る。これに太田垣は「正直驚きました。配信版のラストで『戦争はまだ続く』ってプツっと切れたのを『ここで終わりか』って思ってて。そして劇場版のエンディングを観ると……ここで終わらないですよね? そんな感じしません?」と客席に問いかける。観客が拍手で賛同する中、太田垣は「この2人にまた声を当ててもらって続きをやってもらいたいなと思うので、監督ぜひよろしくお願いします!」と次回作を懇願する。それに対し監督は「ドラマCDとかじゃダメですか?」と最初は嫌がるも、「僕も五十肩で肩が上がらないし、スタッフも高齢化が進んでるので……やるなら早目にお願いします!」と、次回作への意欲を見せた。

太田垣康男によるマンガ「機動戦士ガンダム サンダーボルト」。

太田垣康男によるマンガ「機動戦士ガンダム サンダーボルト」。[拡大]

また太田垣は印象深かったシーンについて「後半、戦闘が激しくなっていくにつれて、2人の顔芸も始まるじゃないですか。それが面白かったです」と率直なコメント。その後「最初に(配信版で)観たときは少し違和感があったけど、1本に繋がってたのを観るとそれがなくなってたんです。どんどん感情が高まっていく盛り上がりに、ぴったり当てはまっていて驚きました」と述べると、木村から「原作の表情もすごい印象的ですもんね」という発言が。「私の絵、濃いですか?」と太田垣が戸惑っているところに、監督が「アニメの表情は、先に録った2人の声に合わせて作っていったんです」とフォローすると、太田垣は「私のせいじゃなかったんですね。よかった(笑)」とほっとした様子で、会場の笑いを誘った。

また太田垣が「イオは無頓着なところがいい。悪口を言われても悪口だと思わず、素通りすると思うので」とキャラクターの性格について述べると、中村は「僕はすごく気にしますよ」と笑いながら「イオはあんなにボロボロにされても、肉体的なダメージでは心が折れないんだなとわかったので、心が本当に強いんだなと思う」と話し、それぞれの見方を語る。また太田垣はダリルについても「人の痛みを背負い込める人。どんどん重くなってもそれを耐えぬくというのが彼の強さだと思います」としみじみと話した。

「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」場面カット

「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」場面カット[拡大]

最後に、中村は「先ほどから言われている続編をやっていただけると、僕は新しいガンダムに乗れるのでよろしくお願いします!」と、監督に目線をやりながら話す。木村は「会場に入ってきたときにピリッとした空気があったので、『伝わったんだな』と思いました」と本日の感想を述べる。太田垣は「地獄のような狂気が描かれていて飲み込みづらい作品ではあるんですが、今時のアニメや映画では表現できないところに踏み込んでいるパワフルな作品なので、たくさんの人に観てもらいたいです」と作品をアピールし、舞台挨拶は締めくくられた。

(左から)松尾衡、中村悠一、木村良平、太田垣康男。

(左から)松尾衡、中村悠一、木村良平、太田垣康男。[拡大]

アニメ「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」は、7月8日まで全国15館の劇場にて上映。2015年12月より有料配信されている、アニメ全4話に新作カットを加えたディレクターズカット版にて展開される。制作は「機動戦士ガンダムUC」を手がけたサンライズ第1スタジオが担当。イオ・フレミング役は中村悠一、ダリル・ローレンツ役は木村良平がそれぞれ演じている。

※記事初出時、出演者の発言について見出しと本文に誤記がありました。お詫びして訂正いたします。

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「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」イベント上映

期間:2016年6月25日(土)~7月8日(金)

上映劇場

新宿ピカデリー
シネマサンシャイン池袋
TOHOシネマズ日本橋
横浜ブルク13
MOVIX柏の葉
MOVIXさいたま
MOVIX宇都宮
MOVIX仙台
札幌シネマフロンティア
大阪ステーションシティシネマ
なんばパークスシネマ
MOVIX京都
ミッドランドスクエアシネマ
MOVIX三好
福岡中洲大洋映画劇場

スタッフ

原作:矢立肇・富野由悠季(「機動戦士ガンダム」より)
漫画原作・デザイン:太田垣康男
監督・脚本:松尾衡
アニメーションキャラクターデザイン:高谷浩利
モビルスーツ原案:大河原邦男
アニメーションメカニカルデザイン:仲盛文、中谷誠一、カトキハジメ
美術監督:中村豪希
色彩設計:すずきたかこ
CGディレクター:藤江智洋
モニターデザイン:青木隆
撮影監督:脇顯太朗
編集:今井大介
音楽:菊地成孔
音響監督:木村絵理子
音響効果:西村睦弘
制作:サンライズ

キャスト

イオ・フレミング:中村悠一
ダリル・ローレンツ:木村良平
クローディア・ペール:行成とあ
カーラ・ミッチャム:大原さやか
コーネリアス・カカ:平川大輔
グラハム:咲野俊介
バロウズ:佐々木睦
J・J・セクストン:土田大
ほか

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