「ジャブローズ・スカイ」主人公とともに試行錯誤？ガンプラEXPOで裏話明かす

「ガンプラ戦記 ジャブローズ・スカイ」の原作者であるゆきもりが、去る11月23日にベルサール秋葉原にて開催された「ガンプラEXPO ワールドツアージャパン 2015」に登壇した。

イベントにはゆきもりのほかプロモデラーのフクダカズヤ、また飛び入りで「GUNPLA BUILDERS WORLD 2013」世界チャンピオンのシュン、メカデザイナーのNAOKIが出演した。

「ジャブローズ・スカイ」の単行本1巻の表紙や、作中に登場する水中用ザクの作例を担当したフクダカズヤは「『旧キットを使ってフクダカズヤなりに作ってください』という依頼があって。旧キットって実は使ったことがなかったんですけど、せっかくですからお話の中で（主人公の）桜庭が使用しているキットを同じように使い、自分的にアレンジも多少加えて、プロポーションを変えたりしながら作ってみました」と説明。ゆきもりは自身が描いたラフをもとに制作されたことに対し、「（プロモデラーの方に作ってもらえるなんて）贅沢な話ですね」とガンプラ好きの一面をのぞかせた。

そして「ジャブローズ・スカイ」の劇中には、シュンとNAOKIそれぞれの作品も登場しているという話題に。シュンは「GBWC2013」にて世界チャンピオンとして輝いた自作の「νガンダム」をモデルとして提供。作中では“シュン自身が総理大臣の息子にプレゼントした”という設定で登場している。作品を撮影をした際には「これからこれがどんな絵になるんだろうとワクワクした」と当時を振り返りながら笑顔を見せた。またNAOKIは桜庭にとって憧れのモデラーである、神作の作品のモデルを主に提供している。そのことから「イメージとしては『神作＝NAOKI』といってもいいかもしれない」と話題に上がっていた。

さらに会場にはフクダカズヤとタチバナ・サツキ制作による「ジャブローズ・スカイ」のジオラマも展示。フクダは1巻の表紙に使用されたものとは別に、水中用ザクを作りなおしたという。表紙に登場した水中用ザクには新品感が出るような塗装を施し、ジオラマでは水の中での遠近感を表現するために手前と奥のザクにそれぞれ異なる配色がされていることも明かされた。フクダは「桜庭も工夫しながら作ってると思うんですが、『ジャブローズ・スカイ』の作例を担当するときは本当に自分もイチから試行錯誤をしながら作っていて、手探りな部分も実はあるんです」と裏話が披露された。

ゆきもりは著名なモデラーに作例をお願いしている理由として「世の中には“プロモデラー”がいるということを知らない人もいっぱいいらっしゃって。そういう人がいるんだっていうことを知ってもらいたいと思った」と明かす。「知ってもらうためにはまずマンガで見せて、そこから本物を見たいと思ってもらえたら、こういう展示会に行ったりする機会が増えるんじゃないかなと思ったんです」とガンプラに対する思いを口にした。

続けて「『ジャブローズ・スカイ』の1巻って、ヤスリがけのシーンばっかりじゃないかって言われることもあるんですけど、濃く制作をやられてる方って実際にヤスリがけばっかりなんですよね。そこもモデラーのリアルな姿を届けたいなと思ってますので、ちょっとの間我慢して見ていただけたら」と作品に込めた思いを語る。シュンは作品を読んで「モデラーあるあるだらけで、読んでるとニヤニヤしてしまうんですよね。改めて異質な趣味だなと思いつつ、そうやってみんな作ってるんだよっていうのを知ってもらって、楽しんで読んでいただけたらいいな」と語りかけた。

なおコミックナタリーでは「ガンプラ戦記 ジャブローズ・スカイ」の特集記事を公開中。ゆきもりの“ガンプラ愛”あふれるインタビューを掲載しているほか、ゆきもり制作によるガンプラが披露されている。