東京・国立劇場の12月歌舞伎公演「今様三番三」「通し狂言 隅田春妓女容性 三幕九場 ―御存梅の由兵衛―」の記者会見が、昨日10月26日に行われた。
四代目中村雀右衛門も手がけた「今様三番三」は、女方の舞踊に仕立てられた作品。一方「通し狂言 隅田春妓女容性」では義理に厚い侠客・梅の由兵衛の姿が描かれる。
会見には
吉右衛門は続けて「梅の由兵衛は初代吉右衛門がとても当てた役でございまして、梅由と言えば吉右衛門、吉右衛門といえば梅由くらいの当たり方をしたものですから、当然これはやらなくてはならないな、と思っておりましたので、今回、私なりの由兵衛像を創り上げられたらと思っております」と意気込みを語った。
信楽勘十郎役の東蔵は役どころについて「“ジョーカー”みたいな役で、困ったとき出てくるような、非常にいい役を勤めさせていただきます。八代目團蔵、六代目菊五郎など、いろんな方がなさっているので、今は模索している最中でございます」とコメントした。
歌六は「源兵衛掘の源兵衛という、悪者チームの1番の悪いやつをやらせていただきます。小梅に横恋慕したり、お金だまし取ったり、本当に悪いやつなんです。それでも、たまにいい人みたいな顔しちゃうときがあるんですよ。お金を貸してあげたりして……もちろんだましているんですけどね。『上手くだませた!』みたいなところが表現できたらおもしろいかなと思っています」と語った。
曽我二の宮実ハ如月姫と額の小三を演じる雀右衛門は「『今様三番三』では、父が昭和50年に演じましたものを、今回勤めさせていただけることになりました。父に負けぬよう精一杯、皆さんに喜んでいただけるよう、舞台を勤めたいと思います」と抱負を述べた。
土手のとび六役の又五郎は「吉右衛門のお兄さんからは、『梅の由兵衛というのは、初代吉右衛門が評判をとった芝居だ』というお話しを、かねがね伺っておりましたので、今回お兄さんのもとで、この作品に参加させていただくことを本当にうれしく思っております」と感慨深い様子。
金谷金五郎役の錦之助は「ここのところ、雀右衛門のお兄さんの相手役を勤めさせていただく機会に恵まれておりまして、お客様に『どれも同じじゃないかと』言われないように、また、『今回の金五郎は、前の二枚目とは全然違った味だね』といって観ていただけるように、精一杯勤めたいと思っております」と熱意をのぞかせた。
由兵衛女房小梅と丁稚長吉を演じる菊之助は「由兵衛の妻・小梅は由兵衛に対する情、小梅の弟・長吉は姉に対する情、どちらもこの情というものを非常に大切にしなければならない2役ですので、播磨屋の父(吉右衛門)の胸を借りて、勤めさせていただきたいと思っております」と意欲を述べた。
公演は12月3日から26日まで東京・国立劇場 大劇場にて。チケットは電話・インターネットでの予約が11月6日、窓口販売が7日から開始される。
12月歌舞伎公演「今様三番三」「通し狂言 隅田春妓女容性 三幕九場 ―御存梅の由兵衛―」
2017年12月3日(日)~26日(火)
東京都 国立劇場 大劇場
作:並木五瓶
補綴:国立劇場文芸研究会
出演:
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- 12月歌舞伎公演「今様三番三(いまようさんばそう)」「隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ)」
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