勇者ヒャダイン、高音の出しすぎで絶命するも無事生還

2013年9月18日 20:05 376 4 音楽ナタリー編集部

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9月16日に東京・WWWにて、ヒャダイン初のワンマンライブ「ヒャダインクエスト 2013 ～勇者ひやた゛よ、旅の始まりだ～」が開催された。

ヒャダイン「ヒャダインクエスト 2013 ～勇者ひやた゛よ、旅の始まりだ～」の様子。

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ヒャダイン「ヒャダインクエスト 2013 ～勇者ひやた゛よ、旅の始まりだ～」の様子。

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音楽プロデューサー・前山田健一としてヒット曲を多数手がけながら、2011年にソロアーティストとしての活動をスタートさせたヒャダイン。初のワンマンとなった今回のライブは、ヒャダインの名の元になった名作ゲーム「ドラゴンクエスト」の初期シリーズを思わせる演出が随所に盛り込まれた、遊び心あふれるステージとなった。なおこの日のライブは昼夜2回にわたって行われ、昼公演には麻生夏子、夜公演には吉木りさがゲストで参加。女性ボーカルパート「ヒャダル子」役として登場し、ライブのクライマックスを盛り上げた。

ライブ冒頭、舞台上方のスクリーンには低ビットのRPGゲームを思わせるグラフィックで「HYADAIN QUEST」の文字が。点滅するカーソルが「はじめから」の文字に並ぶと、ヒャダインがダンサー「ふわりっち☆ゆめっち」の2人を従えて登場。ハードなダンストラック「パーレー」と「20112012 feat. VERBAL（m-flo）」の2連発で華やかにステージの幕を開けた。場面が暗転し3人がステージを離れると、スクリーンでは「HYADAIN QUEST」のストーリーが展開される。主人公は勇者「ひやた゛」。ここからは王様から言い渡される命令に従いながらライブが進行していく。

第1章「わかりやすい振付で皆の心を掴め」では、笑顔が消えた「しぶやダブルダブルダブルのむらびとたち」に希望と勇気を与えるべく、ヒャダインがアッパーな楽曲で盛り上げた。村人を元気にさせたヒャダインは「子供マーケットは軽視できない」という王様の言葉を受け、第2章「子供は数字を持っている」へと進む。幼稚な下ネタ満載の「でんぢゃらすじーさん愛の歌」など子供向けのナンバーでここをクリアすると、第3章「いいかげんわーきゃーいわれたい」では女性ファンを意識したクールなパフォーマンスで「キミと中古車とラジオショウ」「あの日のボクへ feat.下野紘」を歌い上げた。女性からの大歓声を受けて図に乗ったヒャダインは、続くメタルナンバー「Million of Bravery」で暴走。ステージ上の宝箱に刺さった剣を抜き取り、勇ましいポーズで熱唱するも、最後のサビで高音を出しすぎてバタリと倒れてしまう。

ゲームオーバーを思わせる不穏な音楽が流れる中、ステージ脇へと運ばれていくヒャダイン。スクリーンでは緊急“追悼”特番「緊急放送高音を出しすぎて倒れる！ヒャダインさんを偲んで」が上映された。夜の部の映像では「ヒャダイン（33）急死！」の知らせを受けた麻生夏子と、ヒャダインの親友である声優・下野紘が“生前”のヒャダインについて語る姿が上映されたが、2人は思い出話の中に隙あらばと自身の告知を盛り込んでいく。画面が再びゲームに戻ると、王様はふがいないヒャダインに再生のチャンスを与え、ピアノ1本の弾き語りで観客のリクエストに応じるよう命じた。

第4章は「勇者ひやた゛ちょっと長めの休憩で復活」。ヒャダインは観客のリクエストに応え、電子ピアノ1台で町あかりの「コテンパン」と、自身がSMAPに提供した「おはよう」を披露した。さらに自身の弾き語り曲「ピアノ」と、アニメ「日常」のキャラクターソング「阪本さんのニャーというとでも思ったか」を熱唱し、続いて第5章「お待たせいたしました。アップテンポのお時間です。」へ。日本テレビ系「PON!」のタイアップナンバー「PON!」では当日会場で販売されたタオル「せいなるぬの」「いにしえのぬの」を皆一斉にぐるぐると振り回し、ステージと会場が一体となった。

そして最後の第6章「ここにきて他力本願ヒャダル子登場！」ではお待ちかねのゲストが登場。夜公演のゲスト・吉木りさは1曲目の「シフトと時給と、ついでに愛をとりもどせ！」から伸びやかなハイトーンで観客を圧倒した。また「笑いの神様が降りてきた！」ではヒャダインとゲストが密着したダンスを見せる場面も。ラストは「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」でにぎやかに締めくくられた。

1度もMCを挟まず本編を駆け抜けたヒャダインは、アンコールで改めて観客に感謝の思いを伝えた。折しもこの日は台風18号にみまわれ、場合によってはライブ中止も視野に入れて準備していたというヒャダイン。夜の部のMCでは無事2部公演を完遂てきた喜びを語った。また彼は「有無を言わさず」昼夜2公演体制となった初ワンマンに対しスタッフに軽い愚痴をこぼしつつも、連日ジョギングをこなしライブに向けて体力作りに励んでいたことを明かし、「次のワンマンはいつになるのかわかりませんが……」と話すと、観客からは「すぐにやって！」「このままオールナイトでやろう！」という声が。ヒャダインはこれを受け、つい「じゃあ次は3部（構成）にしてやるよ！なんか2部のほうが声出てたし！」と勢いに任せて口走ってしまう。この発言がどういう結果となるのか、ファンは楽しみにしておこう。

アンコールの1曲は、ゲストの「ヒャダル子」に加え、観客の中から「完璧に踊れる人」を条件にステージへと招き入れての「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」。ファンを巻き込んでの混沌としたパフォーマンスで、初のワンマンは幕を下ろした。