Suck a Stew Dry、バンド結成日ワンマンに「口角が上がっちゃう」

Suck a Stew Dryが5月18日に東京・渋谷club乙-kinoto-にてワンマンライブ「Ningen/Asobi to N/A ～Suck a Stew Dry 6th Anniversary～」を開催した。

このライブは5月18日にバンドが活動開始から6周年を迎えたことを記念して行われたもの。彼らはこの日、タイトル通り、2011年11月にリリースした1stミニアルバム「人間遊び」と本日5月25日に発売した最新アルバム「N/A」の収録曲の合計18曲を、その収録順に披露した。

5人は静かにステージに姿を現すと、3拍子のリズムに乗せた「二時二分」と、ノイジーな「Proletarier」を続けてライブをスタートさせる。2曲を終えると、篠山コウセイ（Vo, G）が「Ningen/Asobi to N/A ～Suck a Stew Dry 6th Anniversary～」という長いライブタイトルをたどたどしく紹介したり、メンバー間でのLINEのやりとりの内容を明かしたりして、場内を和やかな空気に包んだ。また2011年に渋谷club乙-kinoto-にて初披露したという「遺失物取扱所」の演奏前には「“売れ線”の曲をやります」と当時と同じMCをしてみせる場面もあった。「SaSD［eve］」まで演奏すると、ハジオキクチ（G, Cho）、スダユウキ（B）、フセタツアキ（G, Cho）、イタバシヒロチカ（Dr）の4人が去り、ステージには篠山1人が残る。彼はフロアのファンに「普段何してる？」と話しかけ、「Suck a Stew Dryのファンは人付き合いが苦手な人が多いと思ってるので、人との距離感について歌った歌を」との紹介から、ミニアルバム「人間遊び」のラストナンバー「距離感の部屋（三畳）」をギターの弾き語りで届けた。

篠山がほかのメンバーを再びステージを呼び込むと、5人は「N/A」の1曲目「GOEMON」を楽しげにプレイ。終わると篠山が「口角が上がっちゃうな」と声を弾ませる。彼は続けてここから「N/A」の収録曲をプレイしていくと説明し、同作について「歌ってて自分でしっくりくる作品」「もっと早く作りたかったとも思うけど、今出せてよかった」と思いを述べた。そしてバンドは分厚いコーラスが印象的な「インナーワールド」、イタバシのパワフルなドラミングがサウンドを支える「レフストアンブルフィ」、フセによるつんざくようなギターリフが炸裂した「失恋、失恋。」、ミラーボールが場内を彩った「冷たいリグレ」などニューアルバム収録曲を惜しみなく披露していく。

また終盤には篠山が「世の中に自分にぴったりな曲が全然ないなと思っていて。そう感じてる自分みたいな人たちを表す曲を作ることが、自分のやりたいことなんだと思う」と真摯な思いを、噛みしめるように語る。そしてバンドが「一人じゃ生きれないわけでもない」をしっとりと届けると、演奏後にはスダが「しんみりしましたね」と思わずこぼした。ハジオは渋谷club乙-kinoto-がオープン16周年を迎えることへの祝福の言葉も述べ、バンドで「ヒーローになれずに」を届けると、最後は篠山が再び弾き語りで「ユースフル -used-」を丁寧に歌唱し、アニバーサリーライブの幕を下ろした。