吉田山田、大盛況の“祭り”で夏の終わり彩る

8月29日に東京・上野恩賜公園水上音楽堂にて、吉田山田がワンマンライブ「吉田山田祭り2015～ホロリもあるよ～」を開催した。

この日のライブは3部構成となっており、2人は弾き語りのほかバックバンドを従えた編成、さらにバンドにバイオリンを加えた編成といった、さまざまな形態でライブを展開。オーディエンスは涼やかな風が吹き抜ける会場で、およそ3時間半にわたって彼らの奏でる音楽を楽しんだ。

第1部のライブは吉田山田の2人よるアコースティックセットで楽曲が届けられた。ステージ上に浴衣姿で登場した彼らは、人気曲「夏のペダル」から第1部のライブをスタートさせる。1曲歌い上げた後のMCで吉田結威（G, Vo）は、午前中から小雨が舞っていることを受け「誰ですか！ 雨人間は」と観客をイジり、場内の笑いを誘った。さらに彼は「今日は思ったよりたっぷりやります。右肩上がりで盛り上がっていきましょう」と呼びかけた。第1部で2人は、昨年10月に行った全曲ライブでもワンフレーズしか歌わなかったというレア曲「泣いてもいいよ」を披露。またステージ上に呼び込んだオーディエンスにタンバリンと鈴を持たせた特別編成で「ソウルフード」を届けたほか、来場者のリクエストから「約束のマーチ」を演奏するなど、ライブタイトルの通り“お祭り感”のある展開でライブを盛り上げていった。

休憩時間を挟んだ後、バックバンドを従えステージに立った吉田山田は最新シングル曲「キミに会いたいな」から第2部のライブを開始。「希望とキャンディ」「HOME」とアッパーな曲を次々と畳みかけ、会場のテンションを一気に引き上げた。山田義孝（Vo）はステージを歩き回り、客席全体を見渡しながら身振り手振りを交えて歌唱。シンガロングを促す際は、手を大きく振ってオーディエンスを先導した。また吉田が海に対する思いを語ってから披露された「航海」では会場内が青い照明に照らされ、幻想的な雰囲気が生み出された。第2部終盤に差し掛かると山田の「ここから盛り上げていくぞ！」という呼びかけに応え、オーディエンスも立ち上がる。「イッパツ」の演奏中には山田の動きに合わせて観客のタオルが一斉に回り、会場内が一体感に包まれる中、第2部の幕は下りた。

なおステージ転換中には、吉田山田の2人がパーソナリティを務めるニッポン放送「オールナイトニッポン0（ZERO）」風のトーク音声が会場内に流され、休憩中のオーディエンスを楽しませた。第2部終了後には“ラジオショッピング”と題し、会場の物販を音声で紹介。同番組で披露しているテンポのよい掛け合いを披露しつつ、奔放なトークで笑いを誘った。

日が暮れかけた頃、「ルーとナンシー」「花鳥風月」といったミドルテンポのナンバーから第3部のライブがスタート。第3部ではバンドにバイオリンを加えた編成で楽曲が演奏され、重厚なアンサンブルが会場内に響いた。しっとりとしたムードのまま2人は代表曲の1つ「日々」をプレイ。観客は体を揺らしながら彼らの演奏を堪能していた。MCで吉田が「この『吉田山田祭り』、来年もやったほうがいいと思いませんか？」と話すと、場内は彼に賛同する盛大な拍手に包まれる。そしてライブのクライマックスにはオーディエンスが再び総立ちに。「ハローグッバイ」では山田の伸びやかな歌声に観客の声が重なり、盛大なシンガロングが巻き起こる。この日のラストナンバーはこの日2度目の「夏のペダル」。お祭りらしく「ワッショイ！ ワッショイ！」というコール＆レスポンスが繰り返され、大盛況のまま「吉田山田祭り2015」は大団円を迎えた。