“首謀者”空想委員会、最大規模ワンマンで「新たなスタート」

空想委員会が昨日2月1日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにてワンマンライブ「首謀者：空想委員会 大歌の改新 外伝」を開催した。

この公演は対バンツアー「首謀者：空想委員会 大歌の改新 第二期」の“外伝”として行われたもの。バンドにとって最大規模のキャパシティの会場でのワンマンライブとなった。開演前には注意事項などを告げる影アナを佐々木直也（G）と岡田典之（B）が担当。内容を読み上げる際に噛んでしまう場面も見られるなど、場内にはライブ前から和やかなムードが漂った。

サポートドラマーのテディを含めた4人は、大歓声に迎えられ登場。三浦隆一（Vo, G）の「お台場―！」というシャウトから、最新シングル「空想片恋枕草子」の1曲目「春恋、覚醒」でライブの口火を切る。続く「独占禁止法」では佐々木がジャンプを繰り返すなど、メンバーはハイテンションでステージを動き回った。

三浦が「ようこそいらっしゃいました！」と口を開いた最初のMCでは、フロア内に台湾から来場したファンがいることが発覚。メンバーは驚き、三浦はうれしそうに「空想委員会もいよいよ……」と笑顔を見せた。その後もバンドはミディアムナンバー「初手、リーサルウェポン」、佐々木のシャウトが光る「自演被害依存症」と緩急付けたセットリストを展開する。三浦がサングラスを掛けサンプラーを手にプレイした「残響ダンス」では岡田は指引きで軽やかにベースを奏で、佐々木はライトハンド奏法で楽曲を装飾。演奏時にはミラーボールも回転し、場内はさながらクラブのような雰囲気に包まれた。

会場に雨音が響き渡ると三浦は天を仰ぎひと呼吸置く。そして歌い始めたのは「レインブーツダンサー」。それまでの楽曲とは一転、バンドの演奏はシンプルになり、三浦の芯のある歌声にファンはじっと聴き入る。三浦の「空想ディスコへようこそ！」という言葉から始まった「空想ディスコ」の間奏では岡田とテディによるソロ対決が勃発。岡田は華麗なタッピング、テディは手数の多い高速ドラミングでファンを魅了する。さらにこの様子をムービー用のカメラで撮影していた“三浦カメラマン”からのリクエストで佐々木も背弾きを披露。ソロを終えた佐々木は興奮した様子でギターを置き、ジャンプしながらステージ上を走り回った。

終盤、三浦の切なげな弾き語りから「純愛、故に性悪説」が始まる。メンバーの姿がかすむほどの強い照明の中、三浦はひねくれた歌詞をときおり声を荒げるように歌唱し、岡田と佐々木も楽器をかき鳴らし感情的なプレイを見せた。歌い終えると三浦は「このライブで空想委員会はひと区切りでございます。そして新たなスタートを切ります」と宣言。「最後に空想委員会の原点とも言える曲を演奏したいと思います」と紹介し、バンドは三浦の処女作であり、リメイクして最新シングルに収録した「マフラー少女」をプレイ。叙情的な歌詞と疾走感あふれるサウンドで会場を包み、本編を締めくくった。

アンコールならぬ“居残りコール”で再び登場した3人が「波動砲ガールフレンド」で会場を再び盛り上げると、三浦が「終わりますなあ」と寂しげにつぶやく。続けて「このライブが終わったらまたみんなそれぞれの生活が始まります。生きてるといいことも悪いこともありますけど、『がんばれ』とは言いません、一緒にがんばれたらいいなと思います。で、また一緒にわいわいできるその日まで一緒にがんばりましょう」とファンへメッセージを送る。さらに「僕らは皆さんにとって代わりの効かないバンドになれるようがんばります。皆さんの生活の一部になれたらいなと思っています」と真摯な胸の内を明かした。そして「皆さんが明日も羽ばたけますように」と告げ、バンドはラストナンバー「単独飛行少年史」を届ける。会場には盛大なシンガロングが響き渡り、3人はすがすがしい顔でステージをあとにした。

なお空想委員会は2月26日にライブイベント「首謀者：空想委員会 大歌の改新 第二期 宴編」を、4月に東名阪ツアー「『2015年度新歓演奏会』2マン編＆ワンマン編」を開催する。