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ゆるめるモ階段、ROLLY加納秀人ら夜通し熱演

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ライブ後のゆるめるモ!と非常階段。(撮影:Yvko Under)

ライブ後のゆるめるモ!と非常階段。(撮影:Yvko Under)

9月26日に東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREでオールナイトイベント「第弐回 真夜中のヘヴィロック・パーティー」が開催され、非常階段 featuring ゆるめるモ!、佐井好子、コクシネル、THE 卍 featuring 加納秀人、アーバンギャルドキノコホテル、蛸地蔵、LUI◇FRONTiC◇松隈JAPANという濃いラインナップが朝まで強力なライブを繰り広げた。

1番手は非常階段 featuring ゆるめるモ!。体調不良で欠席のけちょんと休養中のゆみこーんを除くゆるめるモ!のメンバー5人は、体中にキラキラした電飾を付けて薄暗いステージに現れた。非常階段のJOJO広重とT.美川による凶暴なノイズが空間を埋め尽くす中、彼女たちは「Majiwaranai CAts」「スキヤキ」などを熱唱。ラストにはJUNKOと岡野太も加わり、クラウトロック風の「SWEET ESCAPE」を非常階段フルメンバーで演奏した。さらに曲が終了すると同時に即興ノイズショーに突入。ももぴはドラムを叩き、ようなぴはカオシレーターを鳴らし、あのは光線銃のおもちゃをギターのピックアップに当ててノイズを出していた。また、ちーぼうとしふぉんはT.美川の機材で遊んだり、JUNKOを思わせる声で絶叫したりと大暴れ。ステージ上で繰り広げられた混沌としたパフォーマンスに、観客からは拍手と歓声が贈られた。

続いて登場したのは、1970年代に活躍した伝説的シンガーソングライター・佐井好子。実に35年ぶりのライブとなったこの日は、サポートメンバーにHIROSHI(奇形児)、FUJIWARA(ex. サバートブレイズ)、HAJIMETAL(誰でもエスパー)、岡野太(非常階段)という猛者を迎えて、悠久の大地の風景を感じさせるような神秘的な歌を披露した。「人のいない島」「変わり者」の2曲にはさらにJOJO広重がギターで参加。最後にHAJIMETALの鍵盤だけをバックに「白い鳥」を歌った彼女は、ステージに駆け寄ったファンから花束と手紙を受け取ってステージを去った。

コクシネルはこの日「サイレントコクシネル」と名乗り、いつものバンド編成ではなく野方攝(Vo, Syn)と池田洋一郎(G)の2人だけでライブを実施。ギターと電子音を中心にしたシンプルなセットで、静かで落ち着いた演奏を観客に届けた。この日は「少年の木」「一分間」「再生」といった80年代の代表曲のほか、4年前に引っ越しをしたときのエピソードを歌ったという「おばあさん」、実在の人形作家がテーマという「人形」といった新曲もセットリストに組み込まれていた。

ROLLY(G)、高橋ロジャー和久(Dr)、佐藤研二(B)からなるTHE 卍は、確かなテクニックに裏打ちされた演奏でドラマチックなロックを披露。ロジャーがメインボーカルを担当する「難聴」では、耳が遠いのでコール&レスポンスがよく聞こえないというロジャーの煽りを受けて観客は精一杯声を張り上げていた。後半には外道の加納秀人が登場し、ROLLYとギターバトルを繰り広げながら外道の代表曲「ビュンビュン」「香り」を2人で熱唱。ROLLYは「THE 卍は外道みたいなことがやりたくて組んだバンド。外道が鳥居をモチーフにしているから、僕らはお寺のマーク、卍をバンド名にした」と説明し、最後に「THE 卍の中でも最も外道っぽい曲」として「ハンティーフラッシャー」を演奏した。

すっかり終電もなくなった頃に、「深夜1時になると元気になるバンドです!」という挨拶をしながらアーバンギャルドのライブがスタート。浜崎容子はボンテージ生地のセーラー服を身にまとって「初恋地獄篇」「ワンピース心中」などを歌う。MCでは松永天馬が椅子席の会場を見ながら「まるで深夜のピンク映画館のようだ。ハッテン場に使われてるんじゃないかと思った。皆さん、椅子が白いもので濡れてませんか? 隣の客に突然手を握られたりしてませんか?」と話して笑いを取りつつも、バンドはいつも以上にアグレッシブな演奏で次々に楽曲を畳み掛けていった。

キノコホテルのライブは支配人・マリアンヌ東雲(歌と電気オルガン)によるテルミン演奏からスタート。ファンキーなバンドサウンドに乗せて、支配人が悶えるように鍵盤を弾きながら「恋の蟻地獄」「完全なる支配」などを歌う。「Fの巡回」では支配人が「眠気覚ましにストレッチをしましょう」と誘いつつ、「おっきくなーれ! おっきくなーれ!「太く! 固く!」と言いながら両手で天を突く振り付けを観客に強要。深夜にぴったりな妖しくも艶やかなムードで会場を包みつつ、グルーヴィで白熱したパフォーマンスを繰り広げた。

蛸地蔵は骨太なロックサウンドで、おどろおどろしいサイケデリックな世界観を表現。うえのひる子(G、Vo)が歪んだファズギターを力いっぱい掻き鳴らしながら、長い髪を振り乱して暴れまわる。深夜の眠気を吹き飛ばすようなハイテンションなステージでありつつも、彼らはMCでは関西弁の軽妙なトークで笑いを取り、観客の心をグッと掴んでいた。ラストの「ファズは夜ひらく」ではうえのが客席に飛び込み、彼らは拍手喝采を浴びながらライブを終えた。

長丁場のライブのラストを飾ったのは、プールイ率いるロックバンド・LUI◇FRONTiC◇松隈JAPAN。「ねんねんころりよ」と子守唄を歌いながらステージに現れたプールイは、「坊やはよい子だ……ねんねすんな!」と眠たげな観客に気合を入れる。この頃にはすっかり朝になっていたが、彼女たちは新曲を中心にアッパーなポップロックで会場を煽り続け、観客をまだまだ眠らせない。最後に「Dear」を歌い終えたプールイが一丁締めをしてライブは一旦終了。アンコールを受けて再び登場した彼女は、「さっき鶯谷のイベントで初披露するつもりだったけど時間が押してできなかったら、ここで初披露します」と言って、新曲のバラード「どうして」をしっとりと歌った。

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