「武道館で待ってます」NICO、東名阪Zepp行脚で勢いつける

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NICO Touches the WallsのZeppツアー「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ゼップ」が、昨日6月15日に東京・Zepp Tokyoにて千秋楽を迎えた。

光村龍哉(Vo, G)(Photo by Hajime Kamiiisaka)

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古村大介(G)(Photo by Hajime Kamiiisaka)

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坂倉心悟(B)(Photo by Hajime Kamiiisaka)

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対馬祥太郎(Dr)(Photo by Hajime Kamiiisaka)

対馬祥太郎(Dr)(Photo by Hajime Kamiiisaka)

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大阪、名古屋、東京の3カ所で展開された今回のツアーは、全公演セットリストを変えて実施。2月に開催した20日間にわたる籠城型ワンマンライブ「カベ ニ ミミ」の経験をもとに、光村龍哉(Vo, G)曰く「今、自分たちが見せたいNICO Touches the Walls」を意識したセットリストが各公演で用意された。

最終日となったこの日。SEの音量が徐々に大きくなると、フロアを埋め尽くしたファンは手拍子で4人を迎える準備を始める。ふっと客電が落ち、聞こえてきたのは陽気なインストゥルメンタルナンバー。それにあわせてメンバーが次々と姿を見せ、光村の「東京! 今夜も一緒に遊んじゃいますか!」のシャウトからツアーのために用意されたアイリッシュ調のナンバーが届けられた。

古村大介(G)のライトハンド奏法が炸裂する「ローハイド」からライブは本格的に幕を開け、観客の大きな合唱が高らかに響いた「Broken Youth」、古村と坂倉心悟(B)が掛け合いのようなセッションを繰り広げた「チェインリアクション」と畳み掛けるように披露されていく。「マトリョーシカ」では挑発するような光村の歌声と、赤々とした照明がスリルたっぷりのサウンドの魅力を引き立てる。曲間に観客の拍手を起こさせないほどの鬼気迫るセッションで序盤を駆け抜けた4人だが、まだ序の口とばかりに笑顔を浮かべる。光村は「このZeppツアーは僕らの今聴いてほしい曲をひたすらやります。今日ライブ来てよかったなと思えるライブにしたいと思いますので、最後までどうぞ楽しんで」と述べ、次のブロックに突入した。

イントロで驚きをにじませた歓声があがった「anytime,anywhere」から始まったブロックは、レア曲の応酬に。懐かしいナンバーを現在の骨太なアレンジで届け終わると、不穏でミステリアスな展開で魅せる「パンドーラ」、対馬祥太郎(Dr)の手数の多いドラムが冴える「サドンデスゲーム」を連続で披露。曲間は対馬がさまざまなビートでつなぎ、次の楽曲への期待を煽る。「サドンデスゲーム」で一度熱狂がピークに達したところで静寂が訪れ、徹底的にアレンジを削ぎ落とした「夢1号」へ。1番は光村の歌と彼が爪弾くギターのみ、2番で各メンバーの音が加わり、曲のドラマチックな側面がよりダイレクトに表現される。自分たちの楽曲をライブのたびに再構築する試みは、今回のツアーでより顕著に表れていた。

その後も雄々しいコーラスが重なる「鼓動」、坂倉のグルーヴィなベースが光った「有言不実行成仏」を続けざまに披露した4人は、中盤のブロックを「夏の大三角形」で締めくくった。ミラーボールが光を放つ中で、清涼感たっぷりのサウンドが場内に広がる。そして曲の本編の終了とともに、フロアタム2台と大太鼓が運び込まれ、対馬を中心にメンバー全員によるドラムセッションがスタート。4人息の合った圧倒的なセッションに観客は喝采を送った。

後半戦は、「こういう大きい会場ではやれない曲もやってみました。2月の『カベ ニ ミミ』での実験の成果というか。次の曲もいまだから聴いて欲しい曲です」「1000枚の限定盤とかで出しちゃって、今は買うことができないんで、胸の中のハードディスクに録音していってください」という光村の曲紹介から「雲空の悪魔」からスタート。観客は青臭い雰囲気をたたえた歌詞やサウンドをじっと聴き入り、存分に楽曲を堪能する。しかし次の「武家諸法度」でメランコリックな空気は雲散。激しく拮抗するアンサンブルに、煙幕の演出も加わり壮絶な空気が作り出される。さらにステージにスモークが残る中で「夜の果て」になだれ込むと、フロアのムードはさらに緊迫していった。

起伏の激しいセットリストを得意とする彼ららしく、緊張感のある楽曲のあとはライブの鉄板曲「THE BUNGY」で高揚感をもたらし、「ニワカ雨ニモ負ケズ」でオーディエンスの笑顔を誘う。観客のうれしそうな顔にメンバーも破顔し、光村は「ニワカ雨ニモ負ケズ」の途中で「可愛いな東京。明日は雨だぜ!」と言い放ち満面の笑みで歌い上げた。続いて光村は「本当にどうもありがとう。一生離さないから、一生俺らについてきてください」と観客に呼びかけ、「demon (is there?)」へとつなげる。光村は強い決意をにじませた歌詞を噛み締めるように熱唱し、対馬はどっしりしたリズムでバンドを支える。古村と坂倉は渾身の力を込めて楽器を奏で、本編の最後を彩った。

アンコールの1曲目は先日リリースされたばかりの「天地ガエシ」。「2014年最強のダンスミュージックができました。歌って、踊って、モッシュして泣ける曲です」「いつかこの曲で巨大なサークルモッシュする日がくるのを楽しみにしてます」という紹介とともにアイリッシュなイントロから、陽気でほのかにセンチメンタルなサウンドが奏でられる。BPMが高速化する瞬間に4人は向かい合い、息を合わせて曲の大サビに向かって突き進む。その前のめりなパフォーマンスにオーディエンスは熱狂し続けた。

ライブの終盤で光村は、「いろんな曲があって、たぶん日本一変なバンドは俺らだと思います。不格好で不器用なバンドかもしれませんが、その泥臭さで日本をひっくり返そうと思います」と宣言する。そして4人はハンドクラップとコール&レスポンスが必須の「手をたたけ」と、ハイボルテージなロックチューン「N極とN極」を全力でパフォーマンス。全20曲を届け終えモニターの前に立った4人は、一列に並んで心を込めて客席に向かってお辞儀をした。

そしてライブは「東京の皆さん、武道館までしばしお別れですが、武道館で待ってます」という言葉をもってフィナーレへ。全5公演におよんだ「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ゼップ」は、タフなバンドサウンドと、NICO Touches the Wallsの幅広い音楽性を観客に印象付けるとともに、二度目の日本武道館公演に勢いをつける形で終幕した。

NICO Touches the Walls「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ゼップ」
2014年6月15日 Zepp Tokyo公演 セットリスト

01. ローハイド
02. Broken Youth
03. チェインリアクション
04. マトリョーシカ
05. anytime,anywhere
06. パンドーラ
07. サドンデスゲーム
08. 夢1号
09. 鼓動
10. 有言不実行成仏
11. 夏の大三角形
12. 雲空の悪魔
13. 武家諸法度
14. 夜の果て
15. THE BUNGY
16. ニワカ雨ニモ負ケズ
17. demon (is there?)
<アンコール>
18. 天地ガエシ
19. 手をたたけ
20. N極とN極

ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン

2014年8月19日(火)東京都 日本武道館

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