BREAKERZ・AKIHIDE、インストで魅せたソロツアー終演

AKIHIDE（BREAKERZ）が12月5日に東京・Zepp Tokyoにて「AKIHIDE Premium Night Show "Lapis Lazuli"」の追加公演を開催した。

10月にリリースした2ndソロアルバム「Lapis Lazuli」を携え、東名阪でソロライブを実施してきたAKIHIDE。ツアーの最終日にあたるこの日、彼は1曲1曲丁寧に曲紹介しながらライブを進め、オーディエンスとの距離を縮める親密なステージを展開した。

照明が落ちた舞台にゆっくりと登場したAKIHIDEは、深くおじぎをしてからアコギを手にし「Birthday」を静かに爪弾き出す。場内には彼が奏でる優しい音色のみが響きわたり、観客はたちまちアルバムの世界観へ誘われていく。1曲終えた彼は客席に向かって挨拶すると「Zeppという会場で、今までとは違う少し大人なライブをお届けしたいと思います」と告げ、普段のステージとは趣の異なるものになることをうかがわせた。チェロを呼び込んでの「Rain」ではアコギのボディを激しく叩いてリズムを作り出し、バイオリンを加え波の音をバックに演奏した「Okinawa」では沖縄の原風景を思わせるサウンドで場内に朗らかな空気をもたらす。虫の鳴く声など夜をイメージしたSEのもとで披露された「Moon Dancer」は、美しくも切ない旋律があたりを叙情的なムードに染め上げた。

「皆さんこんな静かなZepp初めてでしょ？」とAKIHIDEが笑いかけたところから始まったMCでは、次の曲「Home」は個人サイトのホーム画面で流れるものだということが説明される。彼は「家に帰ってきて、サイトを開いたときに『おかえり』という気持ちを伝えられればいいなと思って作りました」と曲に込めた思いを語ったのち、「ツアー回ってきて東京に帰ってきて、今は『ただいま』と言いたいです」と話しファンからの「おかえり！」という声を浴びた。

サポートベーシストとAKIHIDEが会話するように向かい合って弾いたシーンも見どころだった「Lapis Lazuli」を終えては、ツアーをともにしたバンドメンバーの紹介が行われる。各メンバーはそれぞれツアーを振り返り思い出話に花を咲かせ、ときにフロアからの笑いを誘っていた。そんなやり取りを挟んでからは、AKIHIDEが日頃からジブリ作品のサントラを愛聴していることを明かし、「となりのトトロ」より「風のとおり道」のカバーを披露。繊細なアンサンブルでじっくりと聴かせたあと、彼は続く「Lost」で哀愁を漂わせながら激情的にプレイし、「Sayonara」でクラップを用いたコール＆レスポンスを行い会場に一体感を生み出す。そしてラストナンバーとして、希望に満ちた「Tomorrow」で本編をさわやかに締めくくった。

アンコールでは1人で現れたAKIHIDEが、まず坂本龍一「戦場のメリークリスマス」を情緒豊かに演奏。その後「男のミュージシャンの1本勝負、かましたいと思います。いいですか！」と煽り、サポートドラマーとともに激しいロックインスト「Battle」を熱演した。ここまで楽器のみで観客を魅了してきたAKIHIDEだったが、ここで「星の王子さま」「ノスタルジア」「黒猫のTango」とボーカル曲を歌唱。ここでは前回および今回のツアーを映像化するとアナウンスし、ファンを喜ばせる場面もあった。計16曲を届けた彼は、最後にバンドメンバー全員とともに大きく挨拶。来場者への大きな感謝を示すように、肉声で「本当にありがとうございました！」と叫んでツアーの幕を下ろした。

AKIHIDE「AKIHIDE Premium Night Show "Lapis Lazuli"」
2013年12月5日 Zepp Tokyo セットリスト

01. Birthday
02. Rain
03. Okinawa
04. Namida
05. Moon Dancer
06. Home
07. Lapis Lazuli
08. 風のとおり道
09. Lost
10. Sayonara
11. Tomorrow
＜アンコール＞
12. 戦場のメリークリスマス
13. Battle
14. 星の王子さま
15. ノスタルジア
16. 黒猫のTango