トライセラ×バイン、仲良し同期が初の直接対決

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10月12日、新宿LOFTでタワーレコード新宿店10周年記念ライブ「TOWER RECORDS SHINJUKU 10th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE『ミラクル☆トゥナイト』」が開催。GRAPEVINETRICERATOPSが出演した。

タワレコ新宿店10周年ライブはこれが4公演目。10月19日にはZAZEN BOYS、曽我部恵一BAND他を迎えたファイナル公演「MUSIC LOVES YOU!!」を日比谷野外大音楽堂で開催する(Photo by RyoNakajima(SyncThings))。

タワレコ新宿店10周年ライブはこれが4公演目。10月19日にはZAZEN BOYS、曽我部恵一BAND他を迎えたファイナル公演「MUSIC LOVES YOU!!」を日比谷野外大音楽堂で開催する(Photo by RyoNakajima(SyncThings))。

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同じ1997年にメジャーデビューを果たし、数々のイベントやフェスで共演してきたバインとトライセラだが、2マン形式でのライブは今回が初。長年両バンドを愛するファンも多いことから公演の発表と同時に大きな注目を集め、先行予約では会場の定員500人に対し6000通を超える申し込みが殺到した。

この日のライブの先攻はGRAPEVINE。ステージにメンバーが登場すると、わずか500人の会場とは思えないほどの大歓声が沸き起こる。バインならではのディープなナンバー「豚の皿」で、静かにじっくりと会場の雰囲気が温まっていく。田中和将(Vo,G)はエンディングの歌詞を「トライセラが気になりだす」と変えて歌い上げ、待望の対バンを楽しむかのようにニヤリと笑みを浮かべた。

MCで田中は「トライセラとはデビューが同期で、この10年を共に戦ってきた戦友です。トライセラはデビュー当時から『踊れるロック』をずっと続けてきてて、非常に誇らしい気持ちです。って俺が誇っててどうするんやろうか(笑)」と、2組の歩んできた歴史を振り返る。「まあわしらと言えば、ずっと人のイヤなところを歌にしてきてまして(笑)、ここからはいろんな現実と対峙する歌を披露したいと思います」と笑わせた後、「光について」「Two」「Wants」など、深遠な楽曲をじっくりと聴かせる。デビューから11年を経てますます凄みを増した彼らのサウンドが、フロアを埋め尽くしたオーディエンスに染み入っていく瞬間であった。

仲の良いバンド同士の競演とあって、この日の田中はいつもより饒舌気味。フロアを見渡して「トライセラのお客さんが多いから、今日はいつもよりカワイイ子が多いなあ」と軽口を飛ばし、バインファンから「えー!?」というブーイングを食らう。すぐさま「うそじゃ!ウチのお客さんのほうがもっとカワイイぞ!」とフォローして、ライブはいよいよ終盤に。「フラニーと同意」「FLY」「超える」と、明るめのナンバーを立て続けに披露し、前半戦を締めくくった。

サブステージでのa flood of circleのライブを経て、続いてはTRICERATOPSがメインステージに登場。和田唱(Vo,G)の「Oh, Yeah! LOFT!」というかけ声に続いて始まった1曲目は「LOONY'S ANTHEM」。そしてデビュー曲「Raspberry」、ライブでおなじみの「Groove Walk」とアッパーなチューンを続々と演奏し、フロアを一気に盛り上げていく。

和田はMCで「今日は来てくれてありがとう!デビューの時から音楽の世界を一緒に歩んできたバインとこのステージに立てて本当に嬉しいです。同期で一番好きなバンドなんだよ!」と、興奮気味にこの日の喜びを語る。「バインと2マンってたぶん初めてなんだよね。昔神戸でやったって話もあるんだけど噂っぽいからさ、今日が初めてってことでいいじゃん!(笑)」と、「初の2マン」であることをやや強引に強調した。

ハイテンションな曲だけではなく、「PHOTOGRAPH」や「僕らの一歩」など、大人っぽい雰囲気を漂わせるナンバーも披露。また往年の名曲「Mirror」も惜しみなく演奏し、エンディングでは約5分にわたるパワフルなインプロビゼーションを聴かせる。長い歴史が培ってきた、3人の豊かな表現力とテクニックを存分にアピールした。

「俺たちもバインも、ずっと音楽を続けていくから!」と高らかに宣言する和田に、フロアからは大きな拍手が沸く。ラストは「GOING TO THE MOON」「トランスフォーマー」「FUTURE FOLDER」とシングル曲を続々と披露し、「踊れるロック」の魅力をたっぷり堪能させて終了した。

アンコールの拍手が沸き起こる中、ステージ上にはトライセラのセットに加えてバイン田中のマイクスタンドとギターが設置される。アンコールで何が起こるのか予想したオーディエンスは、メンバーが出てくるより先にステージ前に殺到。案の定、明るくなったステージには和田に続いて田中が登場した。

「今日ははじめての2マンだから、2人っきりでやろうってことで」と和田がギターを構えると、田中は「なんか恋人同士みたいやな(笑)」と照れながらアコギを抱える。そんな2人が披露したのはTHE BEATLESの「If I Fell」。めったに見られない奇跡のコラボレーションに、オーディエンスもうっとりした表情で聴き入る。

「全然リハやってないのに大丈夫だったな」と田中が笑い、和田も親指を立てて「うまくいったね!」と返す。同期同士の息の合ったセッションはまだ続き、今度はトライセラから林幸治(B)、吉田佳史(Dr)も加わって、4人による演奏でROLLING STONESの「Jumpin' Jack Flash」を披露。ギターソロの応酬や迫力ある2人のボーカルなど、見どころ満載のステージとなった。

最後はバインの西川弘剛(G)、亀井亨(Dr)もステージに登場。6人が手をつないでフロアに挨拶をする、この日しかお目にかかれない素敵な光景を展開した。ステージ上の6人も互いに握手やハグを繰り返し、デビューから11年を経て初めて実現したミラクルな夜の感動を味わっているように見えた。

2008年10月12日 新宿LOFT
「TOWER RECORDS SHINJUKU 10th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE
ミラクル☆トゥナイト』」セットリスト

GRAPEVINE

01.豚の皿
02.CORE
03.スレドニ・ヴァシュター
04.光について
05.Two
06.Wants
07.フラニーと同意
08.FLY
09.超える

TRICERATOPS

01.LOONY'S ANTHEM
02.Raspberry
03.Groove Walk
04.PHOTOGRAPH
05.僕らの一歩
06.Mirror
07.MADE IN LOVE
08.GOING TO THE MOON
09.トランスフォーマー
10.FUTURE FOLDER

En-01.If I Fell(THE BEATLES)
En-02.Jumpin' Jack Flash(ROLLING STONES)

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