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湊かなえの小説を映画化した本作は、全編を広島・因島を中心とする瀬戸内地方にて撮影。古いしきたりに縛られ窮屈な生活を送る女性・夢都子と、確執を抱えたまま死別した父の真意を知ることになる中学校教師・航、それぞれの家族の姿を軸に物語が展開する。貫地谷が夢都子、大東が航を演じた。
貫地谷はオファーを受けたときの心境を「脚本がとても面白くて、すぐにやりたいと思いました。どうして私に話が来たのか不思議でしたけど」と振り返る。その言葉に菊地は「まず因島で撮影したいと言う思いがあり、島で育った2人の成長譚を描きたいと考えたんです。その中で、島で生まれ育った雰囲気を体現できる方として貫地谷さんと大東さんにぜひお願いしたいという話になりました」と答える。
本作同様、湊の小説を原作にした「白ゆき姫殺人事件」に出演している貫地谷と大東。大東が「『白ゆき姫』は撮影が10分で終わった」と述べると、貫地谷は「私は1日」と自慢げに被せる。その言葉に大東は「台本もらえたんやろ? 僕、あの作品は台本もらってないですからね」と返し、「だから今回、台本もらえてうれしかった」と笑顔で話した。
衣装合わせを2回やったことを明かし、菊地のこだわりの強さについて触れた貫地谷は「撮影中も細かいところまでしっかりと見てくださって、妥協は一切なかったです。私が心の中で微妙だったかな?と思うと、監督が『もう1回やりましょう』と言ってくださって。見ていてくださる安心感とうれしさがあって、ご一緒できて本当によかったです。私が思っている以上のことを毎回提案してくださって、大ファンになりました」と述懐。貫地谷の言葉をニヤけながら聞いていた菊地は「まずいですね。こんな場なのにニヤけちゃいますね」と返す。
大東も「顔合わせで初めて会ったときから、この人を信じとけば大丈夫という安心感がありました」と菊地への信頼を語る。「この原作を湊さんとその故郷である因島で撮影しようと思うこと、それを実現してしまうことがその印象につながっていると思うんです。現場では、僕もスタッフさんもこの作品にとってよりよいことが何かを理解していました。それは監督の力だと思います」と大東が理由を述べると、菊地は笑顔で「まずいですね……なんですかこの会は?」と照れ、喜びを隠しきれない様子を見せた。
最後の挨拶を振られた貫地谷は「誰しも感じたことがある窮屈さのようなものが描かれています。でもそこから一歩とは言わずとも少しでも前に出るための勇気がもらえる映画になっています」、大東は「この作品で自分の31年の人生に初めてちゃんと向き合えたという気がしています。僕はこの映画が大好きです。ほかの誰かにとってもそんな作品になってほしい」とそれぞれ観客に思いを届けた。
「望郷」は、9月16日より全国ロードショー。
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