プロデューサー・キャストが語る「WELCOME KIDS PROJECT」&小学校貸切公演レポート (2/2)

「WELCOME KIDS PROJECT」の立役者
下泉さやかプロデューサーインタビュー

──2022年7月、ネルケプランニングの2ndシーズンがスタートしました(参照:ネルケプランニングが2ndシーズンへ、松田誠と野上祥子が語る“ワクワクするこれから”)。ネルケプランニングではこれまでに、数多くの2.5次元ミュージカルを手がけてきましたが、2ndシーズンでは新たに、子供たちをはじめ幅広い世代にエンタテインメントを提供する「WELCOME KIDS PROJECT」、関西から演劇を発信する「ネルケWESTプロジェクト」といった演劇の裾野を広げる取り組みを進めています。改めて「WELCOME KIDS PROJECT」が発足したきっかけを教えていただけますか?

うちには3歳、5歳、7歳の男の子がいるんですけど、私が担当している舞台「魔法使いの約束」(以下まほステ)の映像を観て、3人共すごくハマったんです。中でも長男は「剣がカッコいい! 銃がカッコいい!」と小道具に興味を示して。確かに、誰しもが演じたり歌ったり踊ったりすることに興味を持つわけではなく、小道具を作ることが好きな子もいれば、衣裳をデザインしたり作ったりするのが好きな子、髪の毛をアレンジするのが好きな子もいますよね。そんな子たちに、「いろいろな方向からたくさんの人が関わって舞台ができているんだよ」ということを知ってもらいたい。少しでも多くの子供たちにとって、演劇や舞台の扉を開くきっかけになればと思い、「WELCOME KIDS PROJECT」を始めました。

ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」より。©︎ネルケプランニング/S-SIZE

ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」より。©︎ネルケプランニング/S-SIZE

ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」より。©︎ネルケプランニング/S-SIZE

ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」より。©︎ネルケプランニング/S-SIZE

──ご自身のお子さんから受けた影響が大きかったのですね。

そうですね。子供たちがまほステに夢中になったのを見ていて、もしかすると舞台は子供向けでなくても十分に彼らの心に響くのかもしれない、と思うようになったんです。また、このプロジェクトの名称を決めるにあたって、子供だけに向けた「KIDS PROJECT」ではなく、「子供もおいで」という願いを込めた「WELCOME KIDS PROJECT」にすることにこだわりました。

──「WELCOME KIDS PROJECT」は、7月に上演された「『Dr.STONE』THE STAGE~SCIENCE WORLD~」(参照:科学の力で世界を取り戻せ、木津つばさら出演「Dr.STONE」開幕)で幕を開け、11月にはミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」(参照:どんなことがあっても“Story must go on”!ミュージカル「Shuffle!」開幕)が上演されました。

「Shuffle!」をスタートさせる際、演出の児玉さんと脚本の浅井さんとご相談して、子供たちが飽きずに舞台を観ていられるように、歌と踊りと殺陣を随所に入れることをマスト事項にしたんです。お話の内容がわからなくても、歌やダンス、殺陣など、何か1つでも心に残ってくれれば良いなって。というのも、児玉さんがフランス語圏に留学していたとき、現地で言葉を学ぶために子供向けの舞台を観ていたそうで、言葉がわからなかったからこそ想像力が養われたとおっしゃっていたんです。情報過多になっている世の中において、観客の想像力をかき立てるような舞台を提供できれば良いなと思っています。

ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」より。©︎ネルケプランニング/S-SIZE

ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」より。©︎ネルケプランニング/S-SIZE

──演劇を通じて、子供たちに想像することの楽しさを伝えられたら良いですよね。また、「Shuffle!」で特に印象的だったのが、エイミーをはじめとする「若草物語」の女の子たちが勇敢でカッコ良いキャラクターとして描かれている点でした。

私は「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」も担当しているんですけど、スタァライトで「三銃士」を扱ったことがあったんです。それがあまりにもカッコよくて……! 今回の「Shuffle!」は、児玉さんに「女の子で『三銃士』をやりましょう!」とご相談して始まった企画でもありました(笑)。実はうちの子供たち、まほステだけでなく、スタァライトにもすごくハマったんですよ。それを見ていて、「男の子も女の子もみんな、性別関係なく、一生懸命なキャラクターに憧れるんだな」と思って。カッコいいものはカッコいいし、かわいいものはかわいい。「Shuffle!」を観に来てくださった方々にも、この思いが伝わっていたらと良いなと思っています。

ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」より。©︎ネルケプランニング/S-SIZE

ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」より。©︎ネルケプランニング/S-SIZE

──12月には、「WELCOME KIDS PROJECT」のラインナップの1つであるクリスマス☆リーディングステージ「クリスマス・イブのおはなし」(参照:山寺宏一・新妻聖子らが長尾玲子の絵本を朗読「クリスマス・イブのおはなし」)が上演されます。本公演では、山寺宏一さん、新妻聖子さんといったキャスト陣が長尾玲子さんの絵本「あっちゃんとゆびにんぎょう」「100こめのクリスマス・ケーキ」「サンタさんのいちにち」を朗読しますが、こちらの企画はどのようにして立ち上がったのでしょうか?

新妻聖子さんと以前お仕事でご一緒させていただいたことがあるのと、お互いの子供の年齢が近いという縁で仲良くさせていただいていて、その流れでお声がけしたんです。ご相談をする中で、「子供たちに“一流のパフォーマンス”を見せよう!」というお話になって。親御さんが「うちの子、静かにできるかな? 動いてしまわないかな?」という心配をしなくても良い環境を作って、短いブレイクを入れながら、朗読とライブを掛け合わせたような形式で公演をやろうということになったんです。

クリスマス☆リーディングステージ「クリスマス・イブのおはなし」メインビジュアル©︎Reiko Nagao 1995. ©︎ネルケプランニング/S-SIZE

クリスマス☆リーディングステージ「クリスマス・イブのおはなし」メインビジュアル©︎Reiko Nagao 1995. ©︎ネルケプランニング/S-SIZE

──子供だけでなく、親御さんや周囲の方が安心して観劇できる環境であることは、観客にとって非常に重要なポイントだと思います。「クリスマス・イブのおはなし」には山寺さん、新妻さんといったキャストに加え、若手俳優の方々が日替わりで出演することもあり、さまざまな層のお客様が来場されることが予想されます。

そうですね。お子さんがいない方が観ても楽しめるものにしたいなと思っていて、現在絶賛準備を進めているところです。そういえば「Shuffle!」を観に来てくださったお客さんたちはすごく温かい方々ばかりで……。「本編が終わったあと、暗転中に小さい子が『もう終わり!?』と言っていて、『WELCOME KIDS PROJECT』大成功じゃん!と思った」とか、「前の席の子がノリノリで手拍子をしていて、こっちまで笑顔になった」とか、そういった声をいただいて本当にうれしかったです。「Shuffle!」だけでなく、今後の「WELCOME KIDS PROJECT」の作品でも、客層をまぜこぜにシャッフルできたら良いなと思っています。

プロフィール

下泉さやか(シモイズミサヤカ)

ネルケプランニング取締役、事業本部 副本部長、第2制作部・第3制作部 部長。これまでに「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-」「Oh My Diner」、「ちびまる子ちゃん」原作35周年記念公演「ちびまる子ちゃん THE STAGE『はいすくーるでいず』」といった作品でプロデューサーを務めている。

演劇を通して子供たちと交流
参加キャストが語る「WELCOME KIDS PROJECT」

小宮璃央

小宮璃央

──ミュージカル「Shuffle!」の印象や、お稽古・本番を経て感じたことを教えてください。

今までになかったような題材で、僕自身ワクワクしながら演じさせていただきました。
そして稽古、本番を通して日に日にカンパニー全員の絆が強まっていくのを感じました。
殺陣、歌など今まで触れてこなかったものをダルタニアンを通して皆さんにお見せできたことがほんとにうれしいです!

──「WELCOME KIDS PROJECT」は「たくさんの子供たちに演劇に触れてほしい、一生の思い出となるようなモノに出会ってもらいたい!」という思いでスタートしたプロジェクトです。「WELCOME KIDS PROJECT」に参加した感想を聞かせください。

自分も小学生の頃、学校行事でミュージカルを観に行った記憶があり、楽しかった、感動したということを今もなお、覚えています。
こうして板の上に立ち、表現する立場になった今、子供たちが大人になっても「あの頃こういう舞台を観に行ったなあ」と心に刻んでもらえるように、カンパニー一同心を1つにして毎日の公演を日々進化させるべく努めさせていただきました!

プロフィール

小宮璃央(コミヤリオ)

2002年、福岡県生まれ。2020年から2021年にかけて放送された特撮ドラマ「魔進戦隊キラメイジャー」でキラメイレッド / 熱田充瑠役を務めた。

西葉瑞希

西葉瑞希

──ミュージカル「Shuffle!」の印象や、お稽古・本番を経て感じたことを教えてください。

1人はみんなのために、みんなは1人のために。
聞きなじみのあるこの言葉に、初めて実感を持つことができる作品でした。
毎日、特にまぜこぜになる8人の団結力が上がっていって、お芝居をしていて感じるものがどんどん増えてきたり、とあるナンバーでは実感が湧きすぎて全然そういう場面じゃないのに泣きそうになっていました。というかちょっぴり泣いていました(笑)。
台本を初めて読んだときからは想像がつかないくらい、とてもアクティブな作品になったなと思っています!

──「WELCOME KIDS PROJECT」は「たくさんの子供たちに演劇に触れてほしい、一生の思い出となるようなモノに出会ってもらいたい!」という思いでスタートしたプロジェクトです。「WELCOME KIDS PROJECT」に参加した感想を聞かせください。

今回は、客席に降りて近くでお客様のお顔が見られたので、小さなお客様が少し照れくさそうに、でもニコニコ笑顔で手を振り返してくれたのが印象に残っています。
私も子供のとき、よくミュージカル観劇に連れて行ってもらって、観た作品すべて覚えているので、そういう存在の作品になるかもしれないと思うと、本当にうれしいです。参加できてとても幸せでした。

プロフィール

西葉瑞希(サイバミズキ)

1999年、愛知県生まれ。2020年から2021年にかけて放送された特撮ドラマ「魔進戦隊キラメイジャー」で柿原瑞希役を務めた。

岩城直弥

岩城直弥

──「WELCOME KIDS PROJECT」にラインナップされている「『Dr.STONE』THE STAGE~SCIENCE WORLD~」、ミュージカル「Shuffle!」に出演して感じたことや、それぞれの作品の印象について教えてください。

この企画に参加させていただいて、一番大きな学びは、舞台を楽しんでいただくには、舞台に立っている僕たち本人が心の底から楽しまなければならないということです。特にお子様たちは比較的わかりやすいストーリーだとしても、年齢によっては初めて聞く言葉が出てきたり、理解が追いつかない部分も出てくると思います。その中で楽しんでいただくには、僕たちが楽しく全力でお芝居をして、「あの人たち、なんかすごく楽しそう!」「キラキラしてる!」と思ってもらえるようにすることが大切だなと感じました。

──「WELCOME KIDS PROJECT」は「たくさんの子供たちに演劇に触れてほしい、一生の思い出となるようなモノに出会ってもらいたい!」という思いでスタートしたプロジェクトです。「WELCOME KIDS PROJECT」に参加した感想を聞かせください。

このプロジェクトの作品に共通しているのは、
客席から「もう終わっちゃうの!?」とか
「あの人かわいそうだよ」のようなお子様の声が聞こえることでした。
ですが、僕たちは思いのほか戸惑うこともなかったですし、お子様たちがむしろ、ちゃんと入り込んで観劇してくれていることがわかってうれしくなったりします。

プロフィール

岩城直弥(イワキナオヤ)

1995年、埼玉県生まれ。2017年から2020年まで「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン」で平古場凛役を務める。12月に上演されるクリスマス☆リーディングステージ「クリスマス・イブのおはなし」に日替わりゲストで出演予定。