劇団青年座 青年座研究所ってこんなところ! 七転び八起き、研究生奮闘記|実習公演ビフォーアフター、研究生による座談会&稽古レポート

座談会part2~実習公演 本番2日後~

11月10日から12日までの実習公演を終えた研究生6人が千秋楽の翌々日、アトリエ・青年座劇場に再び集結。公演が終わり、すべてが搬出された劇場で研究生の顔に戻った6人に、今回の公演を通じて得た実感や成長、そして研究所で過ごした2年間について話を聞いた。

実習公演を振り返って

──実習公演お疲れさまでした。作品を観させていただき(参照:青年座研究所の実習公演、岸田國士「動員挿話」「歳月」に挑戦)、稽古から比べると皆さん堂々と演技されていて、その変貌ぶりに驚かされたのですが、それぞれ公演を振り返ってみて、自分が成長したと感じる点はありますか?

実習公演「『岸田國士集』~動員挿話 歳月~」より。(撮影:小林万里)

小松 7月の実習公演「月の岬」では、緊張から本番中に頭が真っ白になってしまったのですが、今回の「動員挿話」は初日から落ち着いて、初めて舞台が広く見え、舞台上の人の表情がちゃんと見えたんです。ちょっとは成長できたのかなと……。

老川 これまでの公演より作品をちゃんと解釈して、自分で納得できるセリフの落とし方ができた気がします。もっと繊細に作れた部分もあったけど、言葉をきちんと伝えることを重視して取り組めました。

田邉 「歳月」は、会話には出てくるけど、舞台上には登場しない“斎木一正”という人物のことをお客さんに伝えなければいけない作品だったので、想像する力を養えたと思います。

葛山陽平

葛山 僕は今回“役割としての役”を意識しました。冒頭のシーンから出ていて、セリフ量も多かったのですが、これから何が起こるのか、何が問題になっているのかをお客さんに分かっていただくために、演じながら情報を置いていくのが難しかったです。最終的には落ち着いてできたのかなと。

江澤 裏にスタンバイしてから登場までの時間が長い役だったのですが、気持ちをしっかり作ってから舞台に出ることができました。

安達 僕はかけ合いを勢いでやっちゃうところがあって、磯村さんからも稽古中に「言葉を置いていけ」と指摘を受けていました。次の卒業公演ではセリフの言葉をもっと大事にしたいです。

──稽古では岸田國士の書いた昔ながらのセリフに苦しんでいる様子でしたが、最終的に会得することはできましたか?

葛山 最後まで苦戦しましたね……。

老川 言い回しが独特なので、お客さんに気持ちを伝えるのが大変で。

葛山 劇場に入ってすぐ、初めての通し稽古をしたのですが、自分の中で作ってきた部分が噛み合わなくて。本番までずっと模索していました。

──では、お互いを見ていて、「この人は成長した!」と思う人っていますか?

実習公演「『岸田國士集』~動員挿話 歳月~」より。(撮影:小林万里)

葛山 小松じゃないかな? 彼はキャラクターが独特ですが、今回は個性の粗をうまいこと削って、ちゃんとお話にしていたなって。まったく恐ろしいです……。

安達 僕も小松くんが成長したと思っていて、なんか相手役と噛み合っていたなと。演出助手として前から観てるときに「いいな」と思って、同じ役だったので嫉妬の嵐でした(笑)。

一同 (笑)。

小松 ……恐縮です。

──稽古で「C-3PO」と言われていた小松さんが大絶賛ですね!(笑) 終演後に講師の先生方からお言葉はいただけましたか?

左から葛山陽平、小松亮太、江澤蛍。

江澤 私は「まだ行間を読む力が足りない」と。難しいことなので、今後も課題にしていきたいです。

葛山 僕は「ある意味、正統派だ」と言われ、いまだに悔しいです。戯曲の理解や役とどう向き合うかも大事ですが、やっぱり自分の存在も出していきたいなと思うので。

小松 僕は「読み合わせの印象を超えられなかった」と言われてしまったので、卒業公演ではもっとインパクトを与えたいです。

青年座の先輩たちから学んだこと

──劇団青年座に所属する方々の多くは研究所の卒業生で、皆さんの先輩にあたるわけですが、研究生が先輩方と関わる機会はあるのでしょうか?

安達絹二郎

安達 夏休みに横堀悦夫さんのワークショップ(参照:青年座研究所の集中講座、横堀悦夫が実演交えてセリフ術を伝授)がありました。演出家の方から教えていただく機会はあったのですが、俳優さんから直に学ばせていただくことが新鮮で、視点や考え方も違うんだなって。

葛山 横堀さんは“役者が舞台上で何を考えているか?”ということにまで言及され、これまで直面してきた悩みをお話しくださり、すごく共感できたんですね。第一線で活躍される役者さんでも、いまだに悩むことがあると知り、自分ですぐに答えを出すのではなく、模索していかなきゃと思いました。

小松 そのワークショップは内容が“会話のキャッチボール”でした。僕は相手役からエネルギーを受け、それを返すということが理解できず横堀さんに質問したら、横堀さんが相手役をやってくださって。僕がセリフを言ってるときに急に怒った演技をされて、「わ、本当に怒ってる!」と思ったら目が離せなくなりました。そのあとで横堀さんのセリフを聞いたら、自分から自然と言葉が出て「会話のキャッチボールってこうなのかな?」と初めての感覚が得られたんです。

江澤 本科生のときは、前所長の宮田慶子さんのワークショップがありました。演出をたくさん手がけられている宮田さんから、現場でプロの俳優さんがどのように仕事をしているのかを教えていただいて。

田邉 研究生は青年座の劇団員に上がることが目標ではあるのですが、宮田さんから外の現場のお話を聞き、自分の視野がせまくなっていたことに気付いたんです。

老川 私も「結果を出さなきゃ!」と焦っていたんだと気付かされました。

「劇団青年座研究所」
劇団青年座研究所

劇団青年座研究所は、これまでに1000人を超える卒業生を演劇界・芸能界に送り出してきた。その特徴は充実したカリキュラムと多彩な講師陣にある。基礎的な身体訓練から実践的な俳優訓練まで、経験豊かな講師陣が俳優としての才能を導き、舞台、映像の現場で活躍できる人材の育成を目指している。劇団青年座研究所では青年座や演劇界を背負って立つ若い力、新しい感性と強い意志を持つ俳優志望者を募集中。2018年度本科入所試験は、1次募集を2018年1月20日(土)、2次募集を3月1日(木)に実施。実習科の入所試験は、2月28日(水)に行われる。募集要項・願書の請求は公式サイトで確認を。