都営地下鉄浅草線「泉岳寺駅」に着いたら、高輪方面の改札へ。赤穂義士の名を連ねた木版が目印。泉岳寺を目指しエイエイオー。
立派な山門。一階部分の天井には“江戸三龍”の一つ、《銅彫大蟠龍》がはめ込まれている。
陣太鼓や義士半纏……中門と山門の間にはお土産店も。店主が構えるのは模造の刀。これを買えばあなたも浪士。
手に連判状を持つ大石内蔵助の銅像。赤穂から東の空、すなわち江戸方向をのぞむ。人気を誇った浪曲師、桃中軒雲右衛門の発願で鋳造された。
この季節、泉岳寺のあちこちには白梅、紅梅が。歌舞伎座で上演された「荒川十太夫」のラストシーン、泉岳寺の美しい梅の場面を思い出す。
墓地では拝観料のかわりに線香を購入。約100本の線香が束になっており、各2本を供えるのが目安。
せっかくなので泉岳寺からすぐ、肥後熊本藩細川家屋敷の跡地へ。途中には「大石良雄外十六人忠烈の跡」の石碑。討入り後、内蔵助ほか16名は細川家に預かりの身となった。細川家は衣食住すべての面で手厚くもてなしたという。
石碑の奥、施錠された扉のガラス越しに内蔵助らが切腹した場所を見学できる。
かつて細川屋敷の庭にあったスダジイの木は推定樹齢300年。東京都指定天然記念物。
おまけで泉岳寺から10分ほどにある承教寺にも足をのばした。ここは江戸中期の画家、英一蝶の墓がある寺。歌舞伎「松浦の太鼓」でお馴染みの俳人・宝井其角とも親しく交流し、浪士とは同時代の人物。寺の入り口には狛犬ならぬ狛件(くだん、牛から生まれた半人半牛の妖怪)が鎮座。