「鴨川ホルモー、ワンスモア」は“大群像劇”に、中川大輔らの生演技に万城目学「完璧です!」

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ニッポン放送開局70周年記念公演「鴨川ホルモー、ワンスモア」の合同取材会が、本日1月26日に東京都内で行われた。

左から浦井のりひろ、平井まさあき、八木莉可子、中川大輔、上田誠、万城目学。

左から浦井のりひろ、平井まさあき、八木莉可子、中川大輔、上田誠、万城目学。

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これはニッポン放送と、ヨーロッパ企画の上田誠による舞台シリーズ第4弾。今回は万城目学の小説「鴨川ホルモー」と続編「ホルモー六景」を原作に、上田が脚本・演出を手がける。2浪して京大に入学した安倍は、怪しい先輩の誘いと早良京子への一目惚れに任せ、サークル“京大青竜会”に入る。そこでは謎の競技・ホルモーが行われていて……。

万城目学(中央)の直木賞受賞を祝い、花束を手渡す中川大輔(右)。

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会見には、脚本・演出の上田、安部役の中川大輔、早良役の八木莉可子、双子である三好兄弟の弟を演じる浦井のりひろ(男性ブランコ)、松永役の平井まさあき(男性ブランコ)、原作の万城目が登壇。冒頭では、万城目が「八月の御所グラウンド」で第170回直木三十五賞を受賞したことを祝い、中川が花束を手渡した。

中川大輔

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中川は原作を読んだ印象を「読んだ前後で印象が180度違いました。奇想天外な物語かと思ったら青春群像劇で、爽やかな気持ちになれた」と話す。舞台初主演の意気込みを尋ねられると「オニ語として人間が発しないような言葉を発するので、喉がもつか不安です」と苦笑いし、「安部はもがき苦しむ役。僕も恥も外聞も捨ててがんばります!」と瞳を輝かせた。

八木莉可子

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ヨーロッパ企画のファンだという八木は、今回が初舞台。八木は「上田さんにお会いできてとてもうれしい。ヨーロッパ企画さんの作品はコメディ要素がいつも含まれていて、かつひと癖ふた癖あって面白いです。皆さんにしがみついてがんばりたい」とコメントした。

浦井のりひろ

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平井まさあき

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浦井が「ずっと平井と2人でコントをしてきたので、共演者の方々を平井だと思えば緊張しないかな」と不安を打ち明けると、隣の平井は即座に「やめたほうがいい」と続けて記者を笑わせる。大学生時代からヨーロッパ企画を観ていたという平井は「こんなに楽しそうな現場に呼んでいただけるとは、“最も高い”と書いて最高です!」と喜びをかみ締めた。

上田誠

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上田は本作を「“大群像劇”で“大コメディ”にしたい」と構想を述べ、「京都での学生時代、飲み会のあと土手で2次会をしていました。この劇では、そういうことをキャスト18人でやってみたい。タイトルの“ワンスモア”要素をどう盛り込むかは……考えています!(笑)」と語る。またもともと男性ブランコのファンだという上田は「ヨーロッパ企画には奇跡的に、浦井さんとよく似た角田貴志がいるので『これだ』と思った」と、三好兄弟の配役の意図を明かす。浦井は「僕の妹たちは双子なので、角田さんと双子役だと知り運命を感じた」と言い、平井は「僕は『角田さんに似ている浦井を呼んだら付いてきた』感じかと思っていた(笑)。でも上田さんが男性ブランコを知ってくださっていてうれしい」と笑顔を浮かべた。

万城目学

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上田は、宮沢賢治の作品をもとにした「たぶんこれ銀河鉄道の夜」を上演した際、観劇に訪れた万城目に「舞台化の原作におすすめの作品はあるか?」と尋ねたところ、「鴨川ホルモー」を推されたとエピソードを披露。万城目は上田のコメントを受け、「『たぶんこれ銀河鉄道の夜』が素晴らしく、上田さんは古典を再構築する手法を確立したと感じたんです。だから僕は『シェイクスピア作品とかもできるのでは?』と言ったはずなのに、上田さんは聞いていなかったのか、そのまま僕におすすめ作品を聞いてきた」と明かし、報道陣を笑わせた。

松永のことを忘れていた万城目学(左)に向かって、「ちょっと待ってくださいよ!」と声を上げる、松永役の平井まさあき(右)。

松永のことを忘れていた万城目学(左)に向かって、「ちょっと待ってくださいよ!」と声を上げる、松永役の平井まさあき(右)。[拡大]

また万城目は2006年に発表した「鴨川ホルモー」について「僕の技量が足りず、京大青竜会のメンバー1人ひとりに役割を与えられなかった」と振り返る。万城目が「平井さんの役名に“松永”と書いてあり、『松永って誰』と思った」と、原作者であるにもかかわらず、松永をあまり覚えていないことを告白すると、平井は思わず「ちょっと待ってくださいよ!」と立ち上がる。万城目は平井の勢いに笑いつつ、「全員をうまく書けなかったことの悔いがある。でも舞台ではきっと、上田さんが18人全員に役割を持たせた群像劇を作ってくれるはず」と期待を込めた。

ラジオスポット公開収録を前に、出演者たちにイメージを共有する上田誠(手前右)。

ラジオスポット公開収録を前に、出演者たちにイメージを共有する上田誠(手前右)。[拡大]

取材会のあとにはキャストたちが、記者たちを前に40秒間のラジオスポット2本の公開収録に挑む場面も。ここでは上田が原作をもとに書いた台本を、出演者たちが報道陣の前で演じた。1本目では京大青竜会の新歓コンパで安倍が早良に一目惚れするシーン。ここでは上田からは一発でOKが出て、万城目も「完璧です!」と笑顔をこぼす。2本目のスポットでは、出演者たちがオニ語の発声練習をするシーンが使われた。テイク2で上田がOKを出すと、万城目も再び「完璧です!」と太鼓判を押す。これを聞いた上田が「同じこと言ってる! やる気あります!?」とツッコみ、報道陣の笑いを誘った。なおラジオスポットは2月上旬より放送予定となっている。

公演は4月12日から29日まで東京・サンシャイン劇場、5月3・4日に大阪・サンケイホールブリーゼで行われる。チケットの一般前売りは1月28日10:00にスタート。

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ニッポン放送開局70周年記念公演「鴨川ホルモー、ワンスモア」

2024年4月12日(金)~29日(月・祝)
東京都 サンシャイン劇場

2024年5月3日(金・祝)・4日(土・祝)
大阪府 サンケイホールブリーゼ

原作:万城目学(「鴨川ホルモー」「ホルモー六景」 / 角川文庫刊)
脚本・演出:上田誠
出演:中川大輔八木莉可子、鳥越裕貴、清宮レイ(乃木坂46)/ 佐藤寛太、石田剛太、酒井善史、角田貴志、土佐和成、中川晴樹、藤松祥子、片桐美穂、日下七海、ヒロシエリ / 浦井のりひろ(男性ブランコ)、平井まさあき(男性ブランコ)、槙尾ユウスケ(かもめんたる)、岩崎う大(かもめんたる)

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読者の反応

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上田誠(ヨーロッパ企画/脚本家) @uedamakoto_ek

始まった感じがした!
万城目先生のお祝い、クロストーク、ラジオCM収録、いろいろやりました。

台本もないのにたくさん喋っていただきすいませんキャストの皆さま。僕の脳内では完全に18人が躍動していて、あとはそれを聞きとって書き写すだけです!

#鴨川ホルモーワンスモア https://t.co/JmD5HifpcT

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