「季節はずれの雪」が、本日12月7日に東京・シアター風姿花伝で開幕した。
「季節はずれの雪」は、スティーブン・メトカルフが、ベトナム戦争から帰還した兵士たちの心の傷を描いた戯曲。作中では、兄と妹、そして兄の戦友で、妹と愛し合うようになる男の3人芝居が展開する。今回は、
開幕に際し稲葉は「この物語の中ではたやすく『分かる』などと言えない事柄が起こるけれど、なぜそんなことが起こるのか、考え続け、思いを馳せることが大切だと信じて創り続けていると、時に自分ごとのように舞台上の役者を通して痛みを感じたり、喜びを感じたりすることがあります。その瞬間瞬間をどれだけ起こすか、そんな野望を抱きながらこの1ヶ月、3人の信頼する俳優陣と、強靭なスタッフ陣と全員で知恵を出し合い創ってまいりました」と自信を見せる。
牧島は開幕の喜びを述べつつ「戦争という大きなテーマがこの作品の背景にあるのは確かですが、大きなうねりの中で小さく生きる3人のたった1日の話を劇場で覗き見て欲しいなと思います」と観客にメッセージを送る。天野は「きっと千秋楽まで、一度も同じ道を辿らない舞台をお届けできると思います。座組全員でお互いに信頼しながら、私達なりに作り上げた『季節はずれの雪』です。楽しんで頂けたら嬉しいです」と述べ、大石は「稽古場で稲葉さんにしきりに『もっと相手に関わろうとして』と言われました。内省するのではなく相手に。この演劇が、観てくださったひとりひとりに何らか関わることができるように、最後まで務めたいと思います」と思いを語った。上演時間は休憩を含む約2時間10分。公演は12月17日まで。
稲葉賀恵コメント
この物語の中ではたやすく「分かる」などと言えない事柄が起こるけれど、なぜそんなことが起こるのか、
考え続け、思いを馳せることが大切だと信じて創り続けていると、時に自分ごとのように舞台上の役者を通して痛みを感じたり、喜びを感じたりすることがあります。その瞬間瞬間をどれだけ起こすか、そんな野望を抱きながらこの1ヶ月、3人の信頼する俳優陣と、強靭なスタッフ陣と全員で知恵を出し合い創ってまいりました。
今のお客さまにどうか届きますよう、これから10日間、大切に公演してまいります。1人でも多くの方々に観ていただけたらと願っています。
牧島輝コメント
今回メグス役を演じさせていただきます牧島輝です。約一年半前に演出稲葉さんと企画を立ち上げ、この作品を選び、ようやく初日を迎えることができます。ありがとうございます。劇場にセットが出来上がって音楽も照明も入り、舞台の上に立った時に自分たちで選んだ「季節はずれの雪」という作品を上演できるんだということを実感してとても嬉しくなりました。戦争という大きなテーマがこの作品の背景にあるのは確かですが、大きなうねりの中で小さく生きる3人のたった1日の話を劇場で覗き見て欲しいなと思います。
天野はなコメント
12月17日の千穐楽まで「季節はずれの雪」の応援よろしくお願いします。
誰一人欠けることなく初日を迎えられることを本当に嬉しく思っています。この詩的な言葉で語られる戯曲を「綺麗な話」として終わらせず、「人間の話」として伝えるにはどうすればいいか、稲葉さん、牧島さん、大石さん、そして尊敬するスタッフの皆様と共に戦った稽古期間でした。「とにかく目の前の人と関わって。事を起こしていって下さい。」稽古中に稲葉さんから何度も貰った言葉です。この言葉のおかげで、沢山の愛しい瞬間を見つけることが出来ました。きっと千秋楽まで、一度も同じ道を辿らない舞台をお届けできると思います。座組全員でお互いに信頼しながら、私達なりに作り上げた「季節はずれの雪」です。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
大石将弘コメント
健全で贅沢な稽古場でした。ひとつの戯曲を囲んで、出演者と演出の稲葉さん、翻訳の一川さんはじめ稽古場にいてくださったスタッフの皆様と、少しずつ積み重ねていく時間がありました。歴史と現実のあまりの酷さと想像の届かなさにくじけそうになる度、稽古場で皆と話して試してみることで、ひとりではつかめなかったイメージに辿り着ける瞬間が何度もありました。その瞬間を積み重ねて大切につくりました。改めて、演劇は、知り、想像することを誰かと一緒に営むことだと思います。記録と戯曲と他者との対話から、実際に起こったことを知り、あるかもしれない現在と、ありえるかもしれない未来を想像する。稽古場で稲葉さんにしきりに「もっと相手に関わろうとして」と言われました。内省するのではなく相手に。この演劇が、観てくださったひとりひとりに何らか関わることができるように、最後まで務めたいと思います。お待ちしています。
大石将弘 @ishio_slang
はじまりました。17日まで。完走できるように。 https://t.co/McHGr6xyDC