
今月のお笑い 38本目 [バックナンバー]
ウエストランド井口と作家飯塚が語る「2025年6・7月のお笑い」
祝・書籍発売!、現代日本への憂い、「ホセ」っていい名前、若手にブチギレ祭、大MCの道を歩む濱家
2025年8月14日 18:00 20
構成
※取材は8月2日に実施。
人生初の「本の出版」どうだった?
──「書籍!!今月のお笑い」が発売されてから初めての「今月のお笑い」通常回です。
井口 本屋さんに行ったら一応ありそうな棚を見るようにはしていますけど、意外と置いてくれてますね。
──けっこう目立ちますよね。清野とおるさんのイラストと井口さんの“セルフ帯”が。
井口 いろんな人に配りましたよ。けっこう勇気を出して。
飯塚 なんで勇気を出すの?(笑)
井口 いやいや、勇気いるじゃないですか。有吉(弘行)さんとか、「なんだこれ!?」って言われそうだし。たまたま有田(哲平)さんや上田(晋也)さんにも会ったのでお渡しできました。
──ありがとうございます! ただ、あまりXで「本もらいました!」みたいな芸人さんのポストを見かけない気が……。
飯塚 それは仕方ないですよ。「この本(今月のお笑い)読んでます」って、なんかカッコよくないじゃないですか(笑)。(
──飯塚さんもけっこういろんな人に渡していましたよね。
飯塚 思いつく限りのあらゆる裏方に配りました。DMしかしたことないような、1回もしゃべったことない人にも配ってます(笑)。三宅香帆さんもそうですけど。
井口 YouTubeで紹介してくれてましたもんね。
飯塚 すごいよね。今、三宅さんに本を紹介して欲しい人、たくさんいると思うよ。
井口 ありがたいですよ。ちゃんとした本の中にこれも混ぜてくれて。あと鬼のような取材にも応えたので、いろんな記事が一気に出ましたね。
飯塚 僕は先輩の作家さんから「
井口 「チャンスの時間」(ABEMA)の斉藤(崇)さんも言ってましたよ。「飯塚くんは変わらないスタンスで聞いてるな」って。
──恐れ多い存在なんですね。
飯塚 そうですね。太田さんがシンプルにすごく優しいから、こんな謎の作家がいろいろ聞いてきてもちゃんと答えてくれただけで。
井口 でも本当に太田さんパートだけでも買って読んでほしいです。僕らが毎月やっている目先のことじゃなく、10年、20年先のお笑いの話をしているので、太田さんが話していたように今後なっていくのかどうかっていう部分も楽しめると思いますから。
──「井口のありがたいお言葉スタンプ」という連載発のLINEスタンプも出しました。私は「水を飲め!」を親に連投しています。
井口 今暑すぎるので、「水を飲め!」がちょうどいいですからね。
飯塚 「水を飲め!」って言いたいときにちょうどいいスタンプないかなって、みんな思ってたもんね(笑)。
井口 最近のLINEスタンプって何種類か合わせて使えたりもするじゃないですか。ほかのスタンプに「水を飲め!」をつけて、各々好きなキャラクターに言わせるっていうのもできますからぜひ使ってほしいです。
井口ファンは移り変わり果てた人たち
飯塚 あと僕としては、本の宣伝と称してやったことないことを経験させてもらったのが楽しかったです。LiLiCoさんのラジオ(J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」)の生放送に出させてもらったり、BSの30分番組のゲストとして、普通に1人で呼んでもらったり。XXCLUBの大島くんのYouTubeにも井口くんと出たし、いろんな経験ができましたね。
──飯塚さんはサイン会も人生初でしたもんね。
飯塚 初めてでした。サイン会も面白かったです。
──長丁場になってしまいましたが、疲れました?
飯塚 いや、楽しかったです。まだまだ全然できます。
井口 僕も最近はファンの人と接する場面が減ってきている中、いい機会になりました。けっこう「お母さんが応援してます」という人が多かったので、世の中のお母さんたちに応援してもらっていることもわかりました(笑)。
飯塚 僕らより年上の女性が多かったね。
井口 こういう場に来るのは女性が多いっていうのもあるんでしょうけど。でも実際、街でも声をかけてくれるのはそういう人たちなので、テレビを観ているのがその世代っていうのをまざまざと痛感しましたね。「若い人ががんばってる」っていう感じで見てくれているのか。
飯塚 あと、「ウエストランドが一番好き」という人が多い気がしました。なんなら、中には「お笑いとかあんまり詳しくないけどウエストランドが好きだから本読んでみます」みたいな人もいて。
──ざっくり“お笑いファン”というより、ウエストランドをピンポイントで好きな方が多い。
井口 まあ、お笑いファンって僕らのことあんまり好きじゃないですからね。お笑い好きの人ってママタルトとかランジャタイのライブには行いくけど、ウエストランドに興味ないんですよ。
──でも以前までのウエストランドはライブシーンの中心にいましたよね。
井口 いや、あの頃も別に誰も僕らを観に来ている人っていませんでしたから。ただ僕らがライブにたくさん出ているってだけで、「出てるから観る」くらいの感じだったと思います。「ぶちラジ」のイベントに来る人はお笑いライブには来ませんし。だからサイン会も「お笑いライブには行ったことないです」という人が多く来ていたんだと思います。
飯塚 そんな感じはしたね。ちょっと独特な客層というか。でもそういう意味では、井口くんって流行り廃りじゃないところにいる気がする。ママタルトとかランジャタイのファンは移り変わっていくこともあると思うんだけど。
井口 僕のところには移り変わり果てた人が来てるんで(笑)。
飯塚 「ウエストランドのこと好き」っていう人は、けっこう好きだと思う。この先10年くらいは定着してそう。
感謝!人情!大事!
──では6月、7月のお笑いを振り返りましょう。
飯塚
井口 エースなんて「M-1アナザーストーリー」で実家に住んでる感じ出しておいて、めっちゃ嘘だったわけじゃないですか。面白いから好きっていうのは大前提として、独身だと思って応援していたファンの人もいるんですから。とはいえ、なぜかみんな祝福ムードなんですよね。僕だけが怒ってます、「嘘ついてたんだから謝れよ!」って。本人にも会ったので一応叱っときましたけど、ピンとは来てなかったです(笑)。
──それに関連して、書籍の取材のときに井口さんが話していた“組体操”の話をここでも紹介させてください。「日本は今、史上最悪な時代に突入している」と言っていましたよね。
井口 最近特に思うんです、情とか思いやりみたいなものが薄れてきているって。テレビに出させてもらうとMCやいろんな共演者、スタッフがいて番組ができていることがわかるんですけど、例えばYouTubeをメインに活動している人ってあまりそういう意識がないと思うんですよ。もっと言うと、先人たちがいたから日々お客さんで賑わう劇場があるのに、それになんの感謝もせずに出ているよしもとの若手もいる。それに腹が立ってます。タイタンにいたら爆笑問題に感謝せざるを得ないし、「この建物もそうか、爆笑問題がいたから……」って直に感じるわけですよ。
──自分と、自分の周りにいる少数の人の存在しか意識できていない。
井口 何が腹立つかと考えたら、それでした。「感謝が足りない」。オリエンタルラジオさんがいたから渋谷に劇場ができて(※)……とか、そういう歴史をスルーして、当たり前のようになっちゃってる。
※編集部注:ヨシモト∞ホールはオリエンタルラジオの公開番組を生放送する拠点としてオープン。
飯塚 例えば爆笑問題さんが「もうこの仕事やめたいな」と仮に思った場合に、社員や後輩たちの生活を考えたら自分の意思だけでは簡単には決められない部分もあると思う。でも、よしもとだったら組織が大きいから、自分がやるかやらないか、だけで決められる。グレープカンパニーのサンドウィッチマンもそうだと思うけど、小さい事務所であるほど、いろんな人のことを考えないといけないんだと思いますね。
井口 特に今、そういうのがどんどん希薄になってきている感じがしていて。ライブやテレビはいろんな人が関わって成り立っているけど、YouTubeって編集してくれる後輩とか、仲間内だけでやれちゃうから。そこの違和感が(自分には)すごくあるんだなって思いました。そういうのを「若い感覚だ」とか言って世の中も受け入れようという姿勢になってきていましたけど、それってもう「若い」とかじゃなくてただ嫌な奴なんですよ。で、これは極論ですけど、だったら昔みたいに太陽を浴びて組体操とかしたほうがいいんだ!っていう(笑)。それこそ太田さんも言っていましたよね、いろいろ一周して戻ってくるって。社会全体としてそうなってくるんじゃないかと思います。
飯塚 一昔前まではインターネットでバズっているものと、それの実際の評価ってちょっと違ったと思うんだよ。ネットではバズってるけど世の中の知名度は全然ない、みたいな。それがだんだん、社会全体としてネットのバズりに誘導されるようになっているのはちょっと怖さを感じる。「バズってる=評価されている」に引っ張られる傾向が強くなっていくと、見えないもの、それこそ人情とかが……って、またこんな話してるけど(笑)。
井口 いや、それだけ危機感が強まってるってことですよ。僕らが人情の話をしてしまうくらいに。パワハラとかはもちろんダメですし、飲みに誘われて無理して行く必要はないですけど、「業務外なんで」って言うのと、「すいません、ちょっとほかにやりたいことがあって」って言うのではまるで違うじゃないですか。「こういうもんっしょ」みたいなのはよくないなと思いますね。あと、「テレビは嘘でネットは本当」という決めつけも怖いじゃないですか。それはどっちもわからないから、疑って、自分で考えなきゃいけないのに。
飯塚 自分で考えないのって楽だから、そっちに流れちゃうんだよね。
井口 それが心配ですね。もっと考えろ!
飯塚 ……これが「今月のお笑い」です(笑)。
──現代日本への憂い。
飯塚 お笑いでさえネットでバズった者勝ちみたいなになっているから、ほかの業界も大変だと思います。絵を描いている人とか。拡散されていればいい絵なのか?っていう。
井口 難しいですよね。
飯塚 でもなんかこの連載、だんだん苦言が多くなってきてるなと思って反省しているんですよ。ジジイの苦言が(笑)。
井口 確かに。飯塚さんバランス取って褒めるラジオ(放送作家・大井洋一と共演するポッドキャスト「褒めたいラジオ」配信中!)始めてましたよね。
飯塚 そう(笑)。僕はそっちで褒めていきます。
井口 まあ僕はでも、なかなか褒める人間じゃないのでね。
──じゃあこの連載で井口さんが褒めていることは真の褒めなわけですね。
「ツギクル芸人グランプリ」と爆笑問題
飯塚 で、ようやく今月の“お笑い”の話をすると、6月、7月は賞レースがたくさんあった。
井口 毎週のように賞レースの決勝があって、本当にすごいことになってきましたね。「ツギクル芸人グランプリ」は飯塚さん何かやってたんでしたっけ?
飯塚 予選の審査員をやらせてもらった。
井口 優勝は、
飯塚 豆鉄砲のことはこの連載でもよく名前を出していたので、優勝してよかった。
井口 さすらいラビーのミス(※)のおかげですね(笑)。さすらいラビーに関しては直接説教もしましたけど。
※編集部注:さすらいラビーは1stラウンドで漫才を披露し、10票中8票を獲得してファイナルステージへ。漫才への期待が高まっていた中、コントを披露して優勝を逃した。ファイナルステージの結果は豆鉄砲4票、スタミナパン3票、さすらいラビー3票。
飯塚 (決勝MCを務めた爆笑問題の)太田さんからも「大失敗だった」って言われたっていう(笑)。
井口 ざまあみろと思いました。タイタン2代に渡って怒られて(笑)。誰が見ても2本目は「何やってんだよ」という結果でしたからね。つまり1本目の漫才がめちゃくちゃよかったってことですけど。
飯塚 おそらくライブシーンでウケた感覚を持って決勝に臨んだんだと思うけど、お客さん票はさすらいラビーに入っていたからそのイメージ自体は合っていたんだろうね。ただ実際の審査員はテレビおじさんとプロの芸人(各テレビ局のバラエティ担当クリエイターと、渡辺正行、ますだおかだ増田、チョコレートプラネット長田ら)だから、そこで差が出てしまった。まあ1票差だったけど。
井口 いやいや、あれは漫才の貯金で3票入っただけです。長田さんが入れてくれて、コントの人が褒めてくれたと思ったら「最初の漫才がよくて」と言ってましたから。
飯塚 個人的には、前も言ったけど
井口 ストレッチーズの貫太が言ってました。教えにきてくれてたとかで、お世話になったと。学生お笑いで尊敬されている人みたいな感じだったみたいですね。
──「ツギクル芸人グランプリ」も「明日から使いたい!」という新たな芸人を発掘するというコンセプトではあるものの、知名度が関わってきてしまうんでしょうか。
飯塚 芸風やキャラクターを知られているほうがウケる人と初見のほうが強い人がいると思うんですよ。ヒガ2000に関して言うと、ある程度「この人って面白い人なんだ」とわかっていたほうがもっとウケる芸風なのかなと思いました。「ツギクル」のいいところは、終わったあとに「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)で話題にしてくれるじゃないですか。しかも、気になった人のことだけちょっとしゃべるとかじゃなくて、必ず全員触れてくれる。その優しさがすごいですよね。それだけでもこの大会に挑む価値があると思います。
井口も芸名を付けたい
──飯塚さんはLiLiCoさんのラジオでも豆鉄砲を注目芸人として紹介していましたよね。
飯塚 そのときに、衣装じゃない私服の豆鉄砲を見たんですけど、普通の大学生みたいでよかったです。今の芸人さんっておしゃれな人もいるけど、豆鉄砲はすごく親しみやすい感じで(笑)。不器用そうだし、“面白い”だけでやってる感じが好感持てました。がんばってほしいです。
井口 金もまだそんなに持ってないでしょうしね。この間ちょうど番組の収録で会いましたよ。その前日に(マセキ芸能社主催のイベント)「真夏の笑フェス」で会ったら、ツッコミのホセのほうが「やってやりますよ、明日」って変に意気込んでいて。「そういうのじゃないから」と言ったんですけど、「いや、マジでやってやります」みたいな。でも結局収録では全然ダメで、昨日の威勢はなんだったんだ?と思ったら、緊張しすぎて、できものできて、めっちゃ体調崩してました(笑)。
飯塚 「ホセ」っていい名前だよね。「ホセってなんなの?」って言いたくなる。「(エルフ)はる」とかも。
井口 今みんな芸名付けてますよね。羨ましいです。僕らの時代はそういうのなかったので。
飯塚 ちょっと前までは芸名付けるのって恥ずかしい感じがあった。
井口 「くるま」とか「ケムリ」っていいですもんね。とうとう「タイヤ」とかもいて。パーツもいるんだ、と思って(笑)。「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日)に寄せられる芸人アンケートとか見てても、みんな芸名。生きやすいでしょうしね。病院とかで本名呼ばれてもバレないし。
飯塚 「くるま」とかに憧れて付けるんだろうね。「粗品」とか。
井口 僕らは「松本人志」「浜田雅功」「内村光良」「南原清隆」とかを見てきたからフルネームが普通だと思っていましたけど。
飯塚 元祖って誰なんだろう? 個人名の芸名。
井口 誰でしょうね?
飯塚 実は「(マヂカルラブリー)村上」も芸名っていう(笑)。「野田クリスタル」はピンのときの名前だからちょっとまた別だけど。「村上」は異常だと思う。
井口 本名「鈴木」ですからね(笑)。
──千鳥の「ノブ」「大悟」とかでしょうか。
飯塚 ああー確かに。覚えやすいですよね、単純に。「井口浩之」は覚えにくい。漢字だと子供は読めないから、「あばれる君」とか「フワちゃん」はやっぱりいいんですよ。これからどんどんみんなカタカナひらがなになっていくんじゃないですか?
──井口さんはじゃあ、「ひろゆき」?
井口 「ひろゆき」さんはもういますから。
飯塚 ヒロユキMc-Ⅱもいる。
井口 「ひろゆき」って多いんですよ。正直、「ひろゆき」はなくしてもいいんですけどね。
──では、「井口」。
井口 「ウエストランド井口」だと思われてることもけっこうあります。「カンニング竹山」みたいな。
飯塚 でも霜降り明星せいやさんですら「粗品」っていうコンビだと思われてるって言ってた。「粗品のせいやがいた」とか。
井口 三四郎も、「小宮三四郎」だと思っている人がいますから。
飯塚 そういえば、「耳の穴」の若手のアンケートで「匿名希望」っていう若手もいた。ちょっとでも名前売れよっていう(笑)。
井口 なんで(テレビで読まれる)チャンスに匿名希望するんだよ(笑)。
「UNDER5 AWARD」でアマチュアが優勝
井口 「UNDER5」は誰が優勝したんでしたっけ?
飯塚 あなたとネっていう現役の大学生がプロを全員倒して優勝した。ときどき大学お笑いの大会に審査員として呼んでもらうこともあるんだけど、傾向として、過激なことを言うのが大学生のお客さんの中でウケるし、「大学生の中でウケるネタ」というものができあがってきている中で、あなたとネはそれを自覚してプロのライブにも出て調整して、ちゃんと“プロのネタ”っていう感じがしてよかった。
井口 2400組も出てるんですね。すごいなあ。学生がめっちゃ出ているんですか?
飯塚 たぶん意識が高い大学生が出てると思う。誰でも出てるっていう感じはない。
井口 あなたとネはまだアマチュアなんですね。
飯塚 でも「プロになる」って言ってた。
井口 じゃあ、よしもと行くか。
飯塚 今はよしもとに入ったほうがいいってなっちゃってるからね。
井口 なんなら、よしもと以外に入ってる奴がもうその段階でつまんない可能性が高いですからね(笑)。
飯塚 すごい自信がある人はよしもとがいいよね。「同世代で一番面白い」と思ってるんだったら、よしもとに行ったほうが仕事はあるから。
井口 早々に食えますもんね。
飯塚 あと
──兄弟は昨年の「今月のお笑いネタライブ!!」に出てくれました。
飯塚 兄弟も独特の発想があって面白いし、これからさらに伸びそう。あと、例えば炎がやっぱり好きな感じでした。ふざけてるのにネタとしても成立してちゃんと面白いっていう、あまりいないタイプ。例えば炎の話もこの連載で何回かしてますよね?
──飯塚さんはけっこう前から言っていました(参考記事:2022年10月のお笑い)。
飯塚 ダサいけど、早くから名前を出していたことをちゃんと言っておかないと(笑)。あとサンミュージックの
井口 すごいなあ。これ、タイタンも直面している問題なんですけど、今って大学お笑いを経てとか、いろいろ転々としたあとの人が養成所に入ってくるじゃないですか。だから養成所のバトルライブでは当然、経験の差でそういう奴らが勝つけど、そこがそいつらの天井かもしれないわけですよね。で、本当に面白い奴はバトルで負けて、発掘されずにやめていってる可能性があるなと思って。
飯塚 同じスタートラインに立たされて、「こんな奴らがいるんだったらもういいや」ってやめちゃってる可能性はあるね。本当は未経験の人だってのちのちすごく化けるかもしれないのに、最初の1年の差で諦めちゃうかもしれない。
井口 結局、最初にすごかった奴がまったく伸びないことだってありますし。
飯塚 井口くんがそういう場所を作ったらいいんじゃない? 「井口塾」。大学お笑い禁止。本当の未経験の人のみ。一番レベルが低い養成所。
井口 ただ単につまんない奴が集まるだけですよ(笑)。でも、昔はほとんどそうだったわけですからね。
飯塚 松竹芸能にいた骨付きバナナっていう、「M-1」とか「キングオブコント」で準々決勝とか行ってた芸人さんも、解散したのちNSCに入っていて(※)。
井口 それを言ったらワタナベにいたデカい奴、
※編集部注:うえしはNSC東京校に31期生として入所。こうだいは高校の同級生でよしもと所属の川合裕也と「しっとり最高裁」を結成している。ちなみにドンココは2024年4月よりワタナベエンターテインメント→フリーに。同年NSC東京校に30期生として入所し、2025年4月から吉本興業所属に。
関連記事
ウエストランドのほかの記事
リンク
ウエストランド井口 @westiguchi
読んでね!!!
#今月のお笑い https://t.co/C0wXpgUdjg