「NEWSクライシス」特集|天竺鼠・川原、ニュース番組に挑戦 コメンテーター・真空ジェシカ川北と共にボケ封印宣言

天竺鼠・川原が司会を務めるニュース番組「NEWSクライシス」(テレビ大阪)が12月5日から4週連続で放送され、YouTubeとTVerでも配信されている。これは「書店の減少」「視力の低下」など日本のクライシス(危機)にまつわるトピックを取り上げる番組。コメンテーターとして真空ジェシカ川北も参加した。

川原と川北は各所で自由奔放にボケているイメージが強いが、今回は「ふざけられない」「勉強するつもりで臨みたい」「お笑い芸人がニュースを茶化すような番組が多いが茶化すのは違うと思っている」と真面目モード。2人は本当にふざけずにニュース番組へと臨むのか、収録前インタビューでその思いに迫る。

取材・文 / 塚越嵩大撮影 / 浜村晴奈

天竺鼠・川原&真空ジェシカ川北の収録前インタビュー

真剣な表情で現場に現れた(左から)真空ジェシカ川北、天竺鼠・川原

真剣な表情で現場に現れた(左から)真空ジェシカ川北、天竺鼠・川原

──収録を前にした現在の心境はいかがですか?

天竺鼠・川原 非常に緊張しています。もちろんニュース番組なんてやったことがないですし、ボケとしてバラエティに寄ったMCはやったことがありますけど、純粋なニュース番組のMCは初めてなので。すべてが初めて尽くしですね。

真空ジェシカ川北 普段からニュース番組を観るようにはしているんですけど、自分が出るというイメージはあまり湧かなかったんです。この番組では世間を騒がせている話題が取り上げられるとのことで、個人的にも気になるので、勉強するつもりで臨みたいと思います。

──最初にこの番組の内容を聞いたときは、ニュース番組というテイでお二人がボケ倒す番組なのかなと思ったんですが、あくまで真面目に?

川原 そうですね。日本のクライシス(危機)のニュースを扱うということなので、そこはふざけられないです。どうなるかは未知ですね。普段使っていない脳みそを使わないと成立しないんじゃないかと思っています。無茶苦茶するのは簡単ですけど、ニュースだとそうもいかないので。

「ふざけられない」と話す天竺鼠・川原と、それに頷く真空ジェシカ川北

「ふざけられない」と話す天竺鼠・川原と、それに頷く真空ジェシカ川北

川北 視聴者の皆さんにこの国で起こっているクライシスを知ってもらうという趣旨の番組なので、あくまで情報を伝えることを大切にしたいです。皆さんの一助となれば。

川原 一助?

川北 一助。1つの助けですね。

川原 1つを助ける?

川北 「1つの助けとなれば」みたいな意味です。

──本当に一切ボケないのでしょうか?

川原 すごくたくさんの人が関わっているので、ボケられないです。バラエティ番組でも「ボケないでください」と言われることがあるんですよ。例えば以前、「ウッチャンがチャーハンを作るときはボケないでください」と言われたときにボケたんですけど、スタッフさんに怒られてしまいました。

川北 それはよくないですね。

川原 はい。内村さんがチャーハンを作る集中力を奪ってしまったということで、そのときは内村さんにだけ迷惑をかけたという形だったのですが、ニュース番組の場合はたくさんの人に迷惑をかけてしまう心配があるので、十分に気を付けながらやりたいです。

川北 正直な話、本当に初めてなのでなんともいえなくて。真剣になりすぎるのも、観ている方々が疲れてしまうから違うのかなとも思うし。不慣れな部分も多いのですが、温かく見守ってほしいです。

川原 若者のニュース離れと言われて久しいじゃないですか。それを「僕たちの力で!」とまでは言わないですけど、若い世代の方々もニュースを観るようになるきっかけの番組になってほしいです。もちろん年配の方にも観てほしいですね。その一助となれば。

川北 一助?

川原 一助となればと思っています。

──お二人は普段はどのようなニュースを熱心に追っているんですか?

川原 実はテレビをあまり観ないので、ニュースもあまり追っていないんですよ。だからこそこの機会に世の中の流れにも目を向けてみたいです。

川北 僕は「ワイド!スクランブル」をよく観ます。あとは同じ時間帯にいろんな局でニュースをやってるじゃないですか。チャンネルを変えると、さっきやってたニュースがちょっと時間ズレて別の局でもやってることがあるので、「なんだよ!」と思ってチャンネルを戻すことはあります(笑)。

川原 ふふふ(笑)。あるあるですね。

「ワイド!スクランブル」をよく観るという真空ジェシカ川北

「ワイド!スクランブル」をよく観るという真空ジェシカ川北

──今回の「NEWSクライシス」がきっかけでニュース番組の仕事が増えるかもしれません。どのようなキャスター像やコメンテーター像を目指したいですか?

川原 東野幸治さんをはじめ、芸人の先輩方がキャスターやコメンテーターをけっこうやっているじゃないですか。でも皆さん真面目なニュースというよりはバラエティ寄りなので、そこがあの方々の限界だと思うんです。僕たちはそこよりさらに一歩進んで、真面目なニュースをやりきることで、ちゃんとあの方々を下に見たいです。東野さんは気が緩んでいると思うんです。でも僕や川北くんがちゃんとしたニュースをやっているところを見せて、そういった気が緩んでる方々の一助になればと思っています。

真剣な眼差しで語る天竺鼠・川原

真剣な眼差しで語る天竺鼠・川原

川北 お笑い芸人がニュースを茶化すような番組が多いんですよ。でも茶化すのは違うと思っていて、伝えるべきところはちゃんと伝えるべき形で届けるのが本来のニュースの役割だと思います。その中でどれだけ一助となれるかということだと思います。

気合い十分の(左から)天竺鼠・川原、真空ジェシカ川北

気合い十分の(左から)天竺鼠・川原、真空ジェシカ川北

川原と川北はニュースを茶化すことなく、司会とコメンテーターとしての役割を果たそうとしていたが、それ自体が大きなボケになっているようにも見える。これは真っ当なニュース番組なのか、高度なお笑い番組なのか。普通の番組に飽き飽きしているという視聴者は、「NEWSクライシス」の独特すぎるムードをオンエアで体験してほしい。地上波放送後、本編はTVer、YouTubeで公開されている。

プロフィール

川原克己(カワハラカツミ)

1980年1月21日生まれ、鹿児島県出身。同じNSC大阪26期生の瀬下豊と2004年に天竺鼠を結成。2008年に「キングオブコント」第1回大会の決勝に進出し、2013年には3位に輝いた。2014年に「第35回 ABCお笑いグランプリ」で優勝。2024年3月に冠番組「天竺鼠の川原の」がテレビ埼玉でスタートした。

川北茂澄(カワキタシゲト)

1989年5月23日生まれ、埼玉県出身。大学在学中だったガクと2011年に真空ジェシカを結成し、2012年にプロダクション人力舎に所属してプロデビュー。2019年に「マイナビ Laughter Night 第5回チャンピオン大会」で優勝。「M-1グランプリ」では2021年から2025年までの5年連続で決勝に進出。2025年6月からはヤーレンズとの冠番組「真空レンズ」(テレビ東京)が放送されている。