「M-1グランプリ2025」決勝戦が12月21日(日)に生放送される。今年の「M-1」には過去最多となる1万1521組がエントリーした。その中から勝ち上がったファイナリストは、エバース、豪快キャプテン、真空ジェシカ、たくろう、ドンデコルテ、ママタルト、めぞん、ヤーレンズ、ヨネダ2000の9組(五十音順)。ABCテレビ・テレビ朝日系にて生放送される決勝で、当日行われる敗者復活1組を加えた10組が王者の座を狙う。昨年2連覇した令和ロマンに続く新王者は誰なのか。
お笑いナタリーでは今年も「M-1グランプリ」で優勝、2位、3位となるコンビの三連単予想を、お笑い好きとして知られる著名人5名に依頼した。そのメンバーは、齋藤有紗(ラフ×ラフ)、EMILY(HONEBONE)、DJ KOO、でか美ちゃん、樫本学ヴ。決勝で爪あとを残しそうなコンビや敗者復活を勝ち上がりそうなコンビについても予想してもらった。
取材・構成 / 成田邦洋
齋藤有紗
優勝した町田さんの「ガチでエグいぞ」聞きたいです!
エバース
去年、最終決戦に残らなかったのも惜しすぎるというくらい、ずっと実力の高いコンビで、今年はよりパワーアップしているので優勝するのではないかなと予想します。エバースさんは、設定の切り口が独自のスタイルで本当に面白いですし、世代問わず幅広く笑わせられるのが、よさだと思います。佐々木さんの淡々とした鋭いボケに、町田さんの追い込まれながらも出てくる的確なツッコミで笑いをどんどん掻っ攫っていくのが最高です。決勝の舞台でもエバースさんらしさを全開に爆発的な笑いを掻っ攫ってくれると期待しています! 優勝した町田さんの「ガチでエグいぞ」聞きたいです!(笑)
ドンデコルテ
渡辺さんの知的で一気に引き込まれるしゃべりと小橋さんの熱量のあるツッコミで空間を一気にドンデコルテ色に染めてくれると思います。昨年の敗者復活戦で披露されていたネタもすごく面白くて、決勝でドンデコルテさんを見たいなって強く思いました。渡辺さんの堂々とした語りかけがクセになってとても面白くて好きです! 決勝でドンデコルテさんの引き込まれる面白さにみんな魅了されると思います!
真空ジェシカ
5年連続決勝って恐ろしい……強すぎる! 川北さんのボケは常に磨きがかかっていて、誰も予想できないボケに次は何がくるんだろうってワクワクが毎回高まります。ガクさんが振り回されながらも世界観にどんどん突入していく姿も面白すぎます。お二人から出てくるワードが全部強くて、1個1個確実に笑ってしまいます。メディア出演も多い中、クオリティを毎回上げて決勝に出ている姿は本当にカッコよすぎます。今年も上位に入るのは確実かなと思っています。
ヨネダ2000
3年ぶりの決勝で思いっきりかき乱すところまで、もう想像出来ています! どんな日常を送っていたらこんな設定やボケが思い付くのだろうかと毎回センスに驚かされます。仲良しなお二人が繰り出す独自の世界観、そして奇想天外な展開にみんな夢中になること間違いなしです。3年前もそうでしたが、見終えたあとに「あの言葉が頭から離れない」とか「あのリズムがずっと頭で流れてる」とか中毒者続出な予感がしています。私自身、一番好きな芸人さんがヨネダ2000さんなので応援しています!
カナメストーン
零士さんの特徴的な声を活かしたツッコミと山口さんの狂気じみたボケがとにかくクセになります。毎回つかみの「頭下げなね」のくだりがとても面白くて絶対に笑ってしまいます。準決勝では、これで落ちてしまうのは残念って思うくらいネタがすごく面白くて、敗者復活戦での活躍を期待してます! ラストイヤーなので決勝に勝ち進み、カナメさんのすべてをぶつけてほしいです!
今年の「M-1」も激アツでどんなドラマが繰り広げられるのか楽しみでいっぱいです。やはり、令和ロマンさんの2連覇という快挙のあと、次は誰がチャンピオンに輝くのかドキドキしています。「はじめましょう。」というティザービジュアルにかけて、新たなチャンピオンが生まれ、新しい時代の始まりを見られたらいいなって思ってます。今年は決勝経験のあるコンビが多く、安定感や強さも増していてどんな戦いになるのか楽しみです。個人的に、めぞんさんとたくろうさんも爪あと残しそうだなって思います。ほかにも今回の準決勝は、ネコニスズさんや例えば炎さんが強いなと思いました。もしネコニスズさんが勝ち進めば、“赤ちゃん”なので、史上最年少での決勝進出になるのかなとも想像しちゃってます(笑)。今年の「M-1」も絶対に最高な大会になること間違いなしなので目が離せません!! 21日が楽しみです!
プロフィール
齋藤有紗(サイトウアリサ)
佐久間宣行総合プロデュースのアイドルグループ・ラフ×ラフのリーダー。自身も佐藤佳奈子とのお笑いコンビ「お気に召せて」を結成しており、漫才やコントでプレイヤーとして出演する機会も。ラフ×ラフは1stアルバム「わたしファンファーレ」を12月17日に発売。2月12日には「アイドル天下一大喜利武道会」、3月9日には「3rd Anniversary LIVE」の開催が決定。
EMILY
今大会を支配しているような迫力
私が重視したのは“爆発力”です。(以下コンビ名敬称略で失礼します!)
真空ジェシカは記者会見を見ても既に今大会を支配しているような迫力があり、勢いに乗り本番で爆発して優勝する姿が想像できました。エバースは漫才の完成度と緩急が抜群。どのネタでも間違いない笑いが巻き起こる気がしています。ヨネダ2000は唯一無二の発想力で、出順やその時の空気次第で会場を大爆笑に巻き込むのでは……! どの組も可能性があって予想が難しすぎますが、頑張って考えてこのような結果になりました。
昨年の令和ロマン2連覇でひとつのフェーズを終え、「M-1」2025は、キャッチコピー通り“新しい始まり”になる気がしています。ファイナリストたちは実力も個性も揃い、今年も“未知の笑い”を更新してくれるはずです。いち視聴者としてワクワクが止まりません。
つい勝手に審査員の一人のような気持ちで観てしまうこともありますが、結局私たちがこの番組を観る理由はただ一つ──思いきり笑いたいから。今年もその気持ちを存分に満たしてくれる大会になることを確信しています。楽しみです!
プロフィール
EMILY(エミリ)
フォークデュオ・HONEBONEのヴォーカル、作詞、作曲を担当。2021年公開の品川ヒロシ監督映画「リスタート」で主演を務めた。歌唱力とトーク力が評価され、「THE カラオケ★バトル」「家、ついて行ってイイですか?」「二軒目どうする?」「千鳥の鬼レンチャン」といったテレビ番組にも出演している。
DJ KOO
ついに頂点を極める予感 DO DANCE!!
真空ジェシカ
常人では辿り着けない鬼才! ついにその鬼才が頂点を極める予感 DO DANCE!! あれだけクセの濃いボケを演じる川北さんと端的なガクさんのツッコミで確実に笑いを積み重ねていく完成度、立体的な動きのある構成は期待感をともない笑いを増幅し会場を巻き込んでいく! この数年、常に優勝戦線に絡んでいる実力と経験値は最有力!
ヤーレンズ
笑いの勢い、ボケ数、テンポ感、構成(素人目ですが)どれをとっても超が付く一流コンビ! スピード感溢れる楢原さんのボケとアクションは常にピークで突っ走る! それを最大限に活かす出井さんのツッコミは天才的!! 隙のない仕上がり! ヤーレンズ優勝あります!
たくろう
こんな漫才の形があったのか!! 赤木さん、きむらバンドさん絶妙な最強コンビ!! 超良い意味で見やすく二人の間(マ)がたまらない面白さ! 850点台で最終決戦に進むと予想します!
ドンデコルテ
展開の面白さ! 笑いの醍醐味、緩急、後半への盛り上がりはしっかり爪痕残してくれます!!
ゼロカラン
掴んだら離さない技巧派×パワープレイ! 予選から注目していたコンビなので! 応援 DO DANCE!!
プロフィール
DJ KOO(ディージェーコー)
大阪芸術大学客員教授。日本盆踊り協会特別芸術顧問。今年DJ活動45周年を迎えたTRFのリーダー。日本の文化である“お祭り”“盆踊り”とのコラボレーションはエンタテイメント型ジャパンカルチャーの発信として、国内外において精力的に活動を行っている。
でか美ちゃん
「いつも通り」と「覇気」のバランス感覚が断トツ
優勝予想は真空ジェシカさん! のっけからスピ的なことを言ってしまうのですが準決勝での「いつも通り」と「覇気」のバランス感覚が断トツで、こういう人たちが優勝するのでは、と感じました。決勝は常連、今年は“漫才コント”ツアーも行われ、真空さんのスタイルはお笑い好きには皆に知れ渡ったと言ってもいい、ある意味不利な状況でさえも味方につけている余裕を感じます。
ドンデコルテさんの漫才は整合性が取れているというか、こう感じている時点で術中にハマっているのかもしれないですが、めちゃくちゃな理論に巻き込まれていくのが本当に気持ちよく笑える。佇まいも天才的。
エバースさんは昨年からの勢いが衰えることなく、佐々木さんがますます町田さんを面白がっていることが面白い。昨年は惜しくも4位だったので今年は最終決戦に行くと思います。
たくろうさんは不勉強ながら今回初見だったのですが、一瞬で好きになりました。ずっと気まずそうで、よく見たら二人とも変すぎる。
敗者復活はずる賢く◯◯も面白かったし△△も面白かったし~といろんな芸人さんの名前をあげたいくらいなんですが、シンプルに一番面白いと思った豆鉄砲さんにしました!
年々、門外漢な私のような者から見ても露骨にレベルがあがり、漫才が厳かなものであると錯覚を起こしそうになるほど一大イベントになっていると感じます。もはや準決勝まで来たら正直どの組も面白いので誰が優勝しても納得なんですが、今年もドキドキしながらゲラゲラ笑いながら楽しみたいと思います! 人の人生が動く瞬間をピザや鍋を食べながら見られるのはお笑いの賞レースだけ! ちなみにサツマカワは金の国の渡部おにぎりと見るそうです。
プロフィール
でか美ちゃん(デカミチャン)
多方面から評価される的確なコメント力を武器に、場所を選ばず大活躍。自身の楽曲の作詞作曲やライブ活動、楽曲提供、コラム執筆など、ジャンルやメディアにとらわれず活動中。2024年3月にサツマカワRPGとの結婚を発表した。
樫本学ヴ
きっと強いネタを複数持っている
真空ジェシカとエバースが頭ひとつ抜け出している印象。正直どちらが優勝してもおかしくないし納得できる2組ですが、2本目もきっと1本目に負けないくらい強いネタを複数持っているであろうエバースを優勝に選びました。めぞんはハマると大爆発しそうな勢いを感じたので期待も込めて。爪痕を残しそうなのは豪快キャプテン。ギャンゴリさんが愛されキャラとしてさらに世間に認知されるのでは!?
今回のファイナリストを見てワクワクが止まりません。連続出場組はもちろんですが、一見地味だけどその独特の間についつい笑ってしまうたくろうや、まさにいぶし銀のドンデコルテの選出に歓喜しました。ヨネダ2000の復活も嬉しい! 今回不思議とピリピリした空気を感じないというか(芸人さん本人はそうはいかないと思いますが)、そんな意味でも子供から大人まで家族揃って楽しめる大会になるのではないかと思います。
プロフィール
樫本学ヴ(カシモトマナヴ)
児童漫画家。「コロッケ!」「コロッケ!BLACKLABEL」「学級王ヤマザキ」「ぼくはガリレオ」など、電子書籍も発売中。エバースとのコラボでも知られている。


