音楽ナタリー Power Push - 超特急

ソロ&全員インタビューで紐解く“劇的な7人”の物語

全員インタビュー

今作は“満を持して感”がある

──1年10カ月ぶりのアルバム作品ということで、前作「RING」リリースから今作に至るまでをざっと振り返っていただければと思うのですが、「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」「Beautiful Chaser feat. マーティー・フリードマン」「Yell」と、シングルだけでもすごくキャラの濃い作品が並んでいます。

コーイチ 本当に、シングルだけでもバラエティに富んでいますよね。「バッタマン」なんて今でこそ僕らの“最強の武器”になっているけど、この曲をもらったときどう思ったっけ?

ユースケ 最初は「テンポが速くて、踊るのしんどそう」って思った。でも踊るにつれ、みんな体力も付いたよね。

コーイチ 「バッタマン」の前には「Burn!」みたいな曲を盛り上げる際の定番として披露していたけど、「バッタマン」は僕らの盛り上げ曲の集大成的な感覚がありましたね。それに今これほどこの曲が成長したのは、やっぱりセンターのユースケのがんばりが大きかったなと思います。

──「スターダスト LOVE TRAIN」にも、小室哲哉さんからの楽曲提供という大きなトピックがありました。

タクヤ 今こうして振り返って「僕、この期間で2回もセンターをやってるんだな」って気付きました(「スターダスト LOVE TRAIN」と「Yell」)。渦中にいるときは全然そんなこと感じてなかった(笑)。

カイ あまりにも濃密過ぎたんだね。

タクヤ それに「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」から「Beautiful Chaser」までの期間、短かったもんね。

ユースケ そう、すぐ終わった!

コーイチ ユースケ、「やっとセンターきた!」って喜んでたのになあ(笑)。ユーキが「Beautiful Chaser」ですぐに持っていっちゃったよな。

左からタカシ、ユーキ。

ユーキ ええ(笑)。マーティさんとコラボできたのも、かなり大きいトピックですよ。すごくエッジが効いた曲で……でもホントあっという間に過ぎて行った感覚!(笑)

──シングルリリースの間にも、夏の全国ツアーや主演映画の公開、国立代々木競技場第一体育館でのワンマンライブなどがあって。

リョウガ 濃いなあー。

──でもこうしてシングル表題曲のリリースの流れを見てみると、「Beautiful Chaser」しかり「Yell」しかり、超特急がそれまで打ち出してきた「カッコいい×ダサい」というスタイルの“ダサい”要素は影を潜めていましたよね。

全員 はい。

──なので「このまま行ったら今回のアルバムはどうなるんだろう?」と思っていました。ますます“カッコいい”路線にシフトしていくのかな、と。メンバーの皆さんはそのあたりどう思っているんだろう?と気になっていたのですが……。

タクヤ 「安心してください」って感じですね(笑)。

──“ダサい”要素は常に意識の中にあった?

コーイチ みんなの中に共通する意識として、あったんじゃないかなと思います。

カイ 今作は“満を持して感”があるよね。2ndアルバムはまさに「カッコいいけど、ちょっとダサい」を表現しているアルバムだと思います。

──そうなんですね。

カイ それに、僕ら2013年や2014年は1年に4枚CDを出しているんですけど、去年と今年はシングルを合わせて3枚だけ。ペース的には以前と違うけど、でもそのぶん違った活動を通して濃密な時間を過ごしていて、いろんなところで8号車(超特急ファンの総称)やそうじゃない方と関わる機会が増えてきて……なんとなく、なんとなくですけど、「超特急が浸透していってるかな?」っていう感覚があるんです。そうやって世間の人にうっすら自分たちのことを知ってもらえたタイミングで「ドン!」と出すアルバムだから、この作品で超特急というグループを知ってもらいたい、という思いがあって。

コーイチ 「RING」から「Dramatic Seven」までは個々の成長期間というか。だからこの作品はこんなにバラエティ豊かな曲が集まった作品になったんだと思う。

──CDリリースじゃないところでの“経験値”というと、具体的にはどんなものでしょう?

左からカイ、タクヤ。

カイ やっぱりバラエティかなと思います。「超特急の撮れ高足りてますか?」だったり「超特急のふじびじスクール!」だったり、自分たちの番組でいろんなタレントさんとご一緒させていただく中で、音楽じゃないところでの戦い方を学んだり、今までとは違った価値観を得る機会があって。ただがむしゃらに歌とダンスをやってきたときよりも、みんなエンタテインメント性が付いてきたんじゃないかなと思う。自分たちがただ歌って踊るだけじゃなく、大前提として観ている人に楽しんでもらうための心構えができたというか。そういう部分の意識が、前よりも強くなったと思います。

コーイチ あとはリョウガが「ラブライブ!」に出会ったりとかね。

カイ ああ、それはデカいねえ。

コーイチ だから今回、リョウガの曲は「2次元」がテーマになったわけやし。

タカシ “それは僕たちの奇跡”(μ'sの楽曲)やな。

ユーキ いいじゃんいいじゃん!

リョウガ そう、あれは去年の6月のことでした……。

全員 あはははは!(笑)

強い愛を持って8号車と進んで行きたい

──アルバムのキャッチフレーズである「生まれ変わっても、愛してる。」には、どういった思いが込められているんですか?

ユーキ 「Beautiful Chaser」のミュージックビデオのテーマになった「七つの大罪」やこの曲のストーリーフィルムで演じた物語から、世界観が続いているんですよ。輪廻転生というか。

カイ 輪廻転生の「輪」は「RING」のテーマだった「輪」でもあるしね。僕ら、「Beautiful Chaser」のストーリーフィルムの中で一度死んでいるじゃないですか。そこから生まれ変わって、それでも「愛してる」と言えるくらいに強い愛を持って8号車と進んで行きたいっていう思いがキャッチフレーズには込められています。

ユーキ 生まれ変わって、それぞれ違った動物の姿になってね。今回の衣装は、「七つの大罪」でそれぞれが表現した罪を司る動物がモチーフになってるんですよ。

──そうだったんですね。今回の衣装、すごくデコラティブですよね。初めてビジュアルを見たときは「レディー・ガガが7人いる」と思いました。

リョウガ ポジティブな反応! 求めていた反応です!

カイ 「あのレディー・ガガ7人組、なんて名前だっけ?」「超特急!」みたいに言われたりするかな? 光栄だね(笑)。

コーイチ 俺、こんなレディー・ガガが7人も前から歩いてきたら嫌やわ(笑)。

──着心地はどんな感じですか?

リョウガ 着心地!? 着心地の質問はやめましょう(笑)。

コーイチ ユースケとか気持ちよさそうやん?

左からリョウガ、ユースケ、コーイチ。

ユースケ え? いや、暑いって! だってみんな、生地が冬物系なんですよ。だから通気性がなくて……。

カイ いや、“保温性に優れてる”んだよな?

リョウガ そうそう、ポジティブに変えていこう。

カイ まるで魔法瓶みたい。

タカシ 象印です。

コーイチ タカシ、被せんなって!(笑)

ユースケ あのー……早く寒くなってほしい! 冬にこれを着てライブしたい!

リョウガ そう、冬が待ち遠しくなる衣装です!

全員 あはははは!(笑)

コーイチ いやでも、細かいところまでかなりこだわっているよね。みんな特注で作っていただいて、既製品なんて靴くらいじゃない?

カイ うん。それに、動きを付けたときが抜群にカッコいい。(ユーキを見て)ね、タタリ神。

ユーキ タタリ神じゃない!

ユースケ スパゲッティ。

ユーキ ドラゴンだよ!

リョウガ 本当に(笑)、ビジュアルに特化した衣装ですね。

2ndアルバム「Dramatic Seven」 / 2016年10月26日発売 / SDR
通常盤[CD+ブックレット28ページ] / 3024円 / ZXRC-2007
Loppi・HMV限定盤 [CD+ブックレット4ページ] / 2700円 / ZXRC-2010
収録曲
  1. Seventh Heaven
  2. バッタマン(Lunatic ver.)
  3. 超えてアバンチュール
  4. LIBIDO
  5. スターダスト LOVE TRAIN
  6. Beasty Spider
  1. Beautiful Chaser
  2. Whiteout
  3. Peace of LOVE
  4. Yell
  5. ライオンライフ
  6. Clap Our Hands!
  7. Always you
超特急(チョウトッキュウ)
超特急

ボーカル2人の美しいハーモニー、奇抜で独特なダンスパフォーマンスで人気を集めている“史上初!! メインダンサー&バックボーカルグループ”。メンバーは1号車コーイチ(お父さん担当)、2号車カイ(神秘担当)、3号車リョウガ(ガリガリ担当)、4号車タクヤ(筋肉担当)、5号車ユーキ(ドジっ子担当)、6号車ユースケ(元気担当)、7号車タカシ(末っ子担当)の7人。2012年6月に1stシングル「TRAIN」でCDデビューした。2014年3月には6thシングル「ikki!!!!!i!!」を発売し、ホールツアーを実施。12月に1stフルアルバム「RING」を発表する。2015年6月にはデビュー3周年記念の9thシングル「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」を発表。さらにインドネシア・ジャカルタでのライブイベントに出演し、海外“初開通”を果たす。9月に10thシングル「Beautiful Chaser」をリリースし、12月23、24日には東京・国立代々木競技場第一体育館でのワンマンライブを成功させた。2016年3月に関西テレビ・フジテレビ系ドラマ「お義父さんと呼ばせて」の主題歌を表題曲とするシングル「Yell」を発表。10月26日に2ndアルバム「Dramatic Seven」をリリースする。

超特急「BULLET TRAIN CHRISTMAS ONEMAN SHOW 2016 愛す。in Wonder Land」
2016年12月17日(土)
兵庫県 ワールド記念ホール
2016年12月24日(土)
東京都 国立代々木競技場第一体育館

2016年10月25日更新