映画ナタリー Power Push - 新千歳空港国際アニメーション映画祭 2015

コンペティションにミュージック・アニメーション部門が新設!ふかわりょうが語る “忘れられないミュージックビデオ”

新千歳空港国際アニメーション映画祭とは?

北海道・新千歳空港ターミナルビル内のじゃがポックルシアターをメイン会場に、世界中から集められた最新のアニメーションを空港内で楽しめる映画祭。今年で2度目の開催となり、爆音上映やゲストによるイベント、作品世界を体感できる展示などの企画が目白押しだ。メインイベントとなる短編作品対象のコンペティションでは、日本コンペティション部門とミュージック・アニメーション部門が本年度より新設される。新千歳空港は、道内の名物料理を楽しめるレストラン街や温泉などアミューズメント施設も充実。作品鑑賞とあわせて楽しむことができる。

前回の参加者から一言

  • クリス・ロビンソン(オタワ国際アニメーション映画祭アーティスティック・ディレクター)
    クリス・ロビンソン
    当初は空港の中で映画祭ができるのだろうかと不安だったが、杞憂だった。素晴らしい! 面白い作品がそろっていて、観客も多い。空港内だから移動も簡単だ。空港内映画祭という優れたアイデアが完璧に実現していた。毎年招かれたいね!
  • デイヴィッド・オライリー(3Dアニメーション作家)
    デイヴィッド・オライリー
    新千歳は世界で最も面白いアニメーション映画祭の1つです。開催場所も上映作品もとてもユニーク。活気あるこの場所は、日本の芸術的なアニメーションにとって重要な場なのは間違いありません。
  • ひらのりょう(アニメーション作家)
    ©Ryo Hirano / FOGHORN
  • 若井麻奈美(アニメーション作家)
    新千歳の想い出:爆音上映のAKIRAのことと、
    あと去年わたしはイクラ食べることを楽しみにしていたので、
    イクラのことをgifにしました。
    • ©Manami Wakai / FOGHORN
    • ©Manami Wakai / FOGHORN

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映画祭の花形! インターナショナル・コンペティション

映画祭のメインイベントは、世界中から応募された作品がグランプリ賞金100万円を競うインターナショナル・コンペティション。世界的に人気の高いアメリカ人作家ドン・ハーツフェルトの新作「ワールド・オブ・トゥモロウ」は、ジャパンプレミア上映となる。日本からはルミネのCMで話題を集めたシシヤマザキ、「レイナレイナ」の水尻自子ら気鋭の若手作家がそれに対抗する。

ここがオススメ
映画祭では、世界中からいろいろなタイプのユニークなアニメーション作品やアーティストを集めています。できるかぎりたくさんのプログラムを観て、一生ものの出会いを探してみてください。コンペティションは全世界を一望できるお得なプログラムです!(映画祭ディレクター・土居伸彰)
「ワールド・オブ・トゥモロウ」ドン・ハーツフェルト(アメリカ)
「月夜&オパール」シシヤマザキ(日本)

爆音上映で味わうビートルズの世界! 音楽とアニメの競演を大画面で堪能

音楽ライブ用の機材を使用することで迫力ある音で上映を行う「爆音上映」では、ビートルズの楽曲に彩られたポップアニメーション「イエロー・サブマリン」がスクリーンに。さらに大友克洋の「スチームボーイ」や押井守の「イノセンス」、ロバート・ゼメキスが実写とアニメを融合させた「ロジャー・ラビット」も大音量でよみがえる。ダフト・パンクの「One More Time」など選りすぐりのMVを楽しめる「アニメーション・ミュージックビデオ傑作選」も見逃せない。

ここがオススメ
爆音上映は間違いなくハイライトの1つ。巨大なスピーカーを劇場へ持ち込み、名作を迫力ある音でよみがえらせます。今年はさらに、その巨大スピーカーを使用して、アニメーションを使った名作MVの特集とコンペも開催。まるで本人が演奏しているかのような、バーチャルなロックフェス会場が空港の中に生まれます!(土居)
「イエロー・サブマリン」 ©Subafilms Ltd.
「ロジャー・ラビット」 Who Framed Roger Rabbit: images courtesy of Park Circus / Disney
  • 爆音上映作品
    「イエロー・サブマリン」
    「スチームボーイ」
    「イノセンス」
    「ロジャー・ラビット」
  • 爆音上映用のスピーカーを使用したプログラム
    「ミュージック・アニメーション・コンペティション」
    「アニメーション・ミュージックビデオ傑作選」

ガンダム、進撃の巨人、弱虫ペダルなどヒット作がそろう国内作品

国内からは劇場版アニメ「進撃の巨人」前後編や「劇場版 弱虫ペダル」「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」といったヒット作や、岩井俊二が手がけた「花とアリス殺人事件」、大島渚唯一のアニメーション映画「忍者武芸帳」、太平洋戦争中に作られた「くもとちゅうりっぷ」「桃太郎 海の神兵」などがラインナップ。昨年度日本グランプリを受賞した、ひらのりょうの特集上映やトークイベントも行われる。

ここがオススメ
国内作品は最新の商業・インディペンデント作品から、戦時中に作られた貴重な作品まで多彩なものを取りそろえています。日本がアニメーションの分野で積み上げてきた歴史を、一度に堪能できるまたとない機会。作家から声優まで、豪華なゲストも見ものです。(土居)
「劇場版 進撃の巨人 前編~紅蓮の弓矢~」©諫山創・講談社 / 「進撃の巨人」製作委員会
「忍者武芸帳」(1967)監督:大島渚 ©大島渚プロダクション
上映作品
「劇場版『進撃の巨人』【前編】~紅蓮の弓矢~【後編】~自由の翼~ 一挙上映」
ゲスト:石川由依(声優 / ミカサ役)
「劇場版弱虫ペダル」
ゲスト:山下大輝(声優 / 小野田坂道役)、福島潤(声優 / 鳴子章吉役)
「日本アニメ(ーター)見本市 特別プログラム」
ゲスト:吉崎響(映像ディレクター・映像作家)
「花とアリス殺人事件」
ゲスト:久野遥子(ロトスコープアニメーションディレクター)
「桃太郎 海の神兵」「くもとちゅうりっぷ」
ゲスト:とちぎあきら(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員)
「忍者武芸帳」
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル」
「北海道現代アニメーション総進撃!」
ゲスト:北海道在住アニメーション作家
「山村浩二 フォー ファミリー!」
ゲスト:山村浩二
「どんなカミソリにも哲学はある ひらのりょう特集」
ゲスト:ひらのりょう
「国内学生アニメーションの祭典~ICAFセレクション~」
ゲスト:布山タルト

「メアリー&マックス」のアダム・エリオット監督ほか海外ゲストも多数

海外からは、ギレルモ・デル・トロ製作のダークファンタジー「ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~」、韓国の長編アニメ「Clearer Than You Think」といった多くの日本初上映作が上陸。「メアリー&マックス」で知られるアダム・エリオットの特集上映「クレイオグラフィーの秘密」には監督本人が登壇する。

ここがオススメ
海外作品は普段あまり観る機会がないと思いますが、映画祭ではとても親しみやすくて楽しい作品をそろえています。海外からのゲストも多数。気に入った作品の作者に思い切って話しかけてみるのも、映画祭の醍醐味です!(土居)
「アーニー・ビスケット」アダム・エリオット(オーストラリア)
「Clearer Than You Think」ハン・ジウォン(韓国)
上映作品
「ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~」
「アダム・エリオット スペシャル『クレイオグラフィーの秘密』」
ゲスト:アダム・エリオット
「Over the Garden Wall」
「Clearer Than You Think」
「Rocks in My Pockets」
「『ゴースト・ストーリーズ』レイト・ナイト・ワーク・クラブの挑戦」
ゲスト:ケイレブ・ウッド、チャールズ・フエットナー(アニメーション作家)
「アメリカン・アナーキー」
ゲスト:アミッド・アミディ(Cartoon Brew編集長)
「オランダ国際アニメーション映画祭傑作選」
ゲスト:ゲルベン・シュレーマー
「チャン・ヒョンユンのすべて」
ゲスト:チャン・ヒョンユン
新千歳空港国際アニメーション映画祭2015 / 2015年10月31日(土)~11月3日(火・祝)
新千歳空港国際アニメーション映画祭2015

初音ミクとのコラボレートなど“エンタテインメント空港”としても知られる北海道・新千歳空港。そのターミナルビルを会場に、世界中から集められた最新アニメーションを一挙に上映する映画祭。3万人の来場者を集めた昨年に続き2度目の開催となる。ゲストを招いての招待作品上映など多彩なプログラムを用意。短編アニメーションのコンペティションには、今年から日本コンペティション部門、ミュージック・アニメーション部門が新設される。

<チケット情報>

前売り券はチケットぴあ、ローソンチケットで販売中。

  • 全期間パスポート
    前売り券 2500円 / 当日券 3000円
  • 1dayパスポート
    前売り券 1500円 / 当日券 2000円
  • 1プログラム券
    当日券 1000円 ※前売り販売なし