今年80歳の誕生日を迎えた
書籍「歎異抄をひらく」「人生の目的」をもとに制作された本作の舞台は、平安時代末期から鎌倉時代にかけての時代。仏教家・親鸞の人間としての苦悩や葛藤に焦点を当て、「人はやがて死ぬのになぜ生きるのか」「幸せとはなにか」という普遍的なテーマを探求する。杉が80代の親鸞聖人、櫻井が青年期の親鸞、中が浄土宗の開祖・法然上人に声を当てた。
杉はこれまでに取り組んできた福祉活動に触れつつ「本作の『なぜ生きる』というテーマ。人生の道標を、分かりやすくアニメで見せてくれます。納得するまで何度も観てもらって、皆さんにとっての“人生の一作”となったら嬉しいです」と述べる。櫻井は「全部を理解する必要はなくて、見て感じたことを生きていくヒントにしていただけたらと思います」、中は「歴史小説を読むように、当時こういうことがあったんですよ、という一つの事実として楽しんでもらえればと思います」とそれぞれコメントした。
監督を務めたのは青山弘。このたび到着したポスタービジュアルには、京都の街並みや桜、青年期の親鸞の姿が描かれている。あわせて杉が台本を手にアフレコをする様子も解禁された。
杉良太郎 コメント
今回のオファーを頂いて、偶然に収録時期が少し遅れ、ちょうど80歳になった私が、80代の親鸞聖人の声を演じることに不思議な縁を感じました。親鸞聖人ですから、どういう方だったのか想像できませんし、人間でありながら、神様に近い存在の方なので、私がその親鸞聖人の声を演じていいものか考えました。アニメのアフレコは初めてで、自分の引き出しにはない仕事でしたので、いつもにもなく不安に思っていました。
本作のテーマである「人はなぜ生きるのか」「どんな目的があって生きているのか」は、自分の経験の中から、自分も実際に悩み、苦しみながら生きてきたこととも重なりました。今まで、様々なところで福祉活動をしてまいりましたが、知的障害や重度身体障害者施設などを訪問することもあり、実際に会って触れて感じて、こちらが教えてもらうこともありました。バングラデシュ・ダッカの「愛の姉妹会」という孤児院に行った時、子供たちがロボットみたいに全然動かないし、瞬きさえしないことに驚いたことがあります。理由は、栄養失調。とっさにその時に持っていた飴玉を1つあげたら、飴玉をじっと持って、5、6秒かかってやっとペロッと舐める。施設内をまわって、帰りがけに「今すぐ食べるものを持って帰ってくるから」と言うと、その子たちがみんな手を振ったんです! 瞬きもできない子が飴玉1つで手を振るエネルギーを得ることに考えさせられました。
別の施設では、両足の無い子が満面の笑みで、手だけで私の後をついてきてくれたり、手が全く使えない子は、口で割り箸を噛んで、パソコンを使って「ありがとう。よく来てくれたね」と迎えてくれたこともあります。目は全然私の方を見られず、抱いたら全然違う方向を見ているのに、私の存在をわかってくれていて、後日、口でタイプして作ってくれた御礼の手紙が届いたこともあります。いくら体が不自由であっても、魂は死なない。そういった人たちに、一瞬でも笑顔でいてもらえることが、いかに貴重なことなのか。
おこがましいですが、これからも私はそのようなところにも行って、その人たちと触れ合って、そこで経験し学んだことを、皆さんに説得力を持ってお話ししたいと思っています。
本作の「なぜ生きる」というテーマ。人生の道標を、分かりやすくアニメで見せてくれます。納得するまで何度も観てもらって、皆さんにとっての“人生の一作”となったら嬉しいです。
櫻井孝宏 コメント
歴史上の大人物なので自分と同じ次元で見られないと言いますか、そういう目つきで語れない役どころだと思っております。作品のテーマから難しい印象を持たれるかもしれませんが、とても見やすい物語だと思います。全部を理解する必要はなくて、見て感じたことを生きていくヒントにしていただけたらと思います。
中博史 コメント
私が演じた法然上人は、万人に愛される、普通に話をしていても万人の心に響くような人物だと思いました。お説教くさくならないようにと思いながら演じました。親鸞聖人に多大な影響を及ぼす人物なので、そういうお芝居ができていたらいいなあと。歴史小説を読むように、当時こういうことがあったんですよ、という一つの事実として楽しんでもらえればと思います。
takas。 @mh_takashi
杉良太郎がアニメ声優に初挑戦した「親鸞 人生の目的」公開、櫻井孝宏・中博史も参加(コメントあり) https://t.co/xLCqmhrK5x