2018年にテレビ大阪で制作されたドキュメンタリー「おまえの親になったるで」が劇場映画化。6月28日から東京・テアトル新宿で、7月19日から京都・アップリンク京都で公開される。
元受刑者に住まいや仕事を提供し、再犯を防ぐ目的で誕生した日本財団「職親プロジェクト」。2013年に誕生した同プロジェクトの参加者である草刈健太郎さんは、2005年に妹がアメリカ人の夫に殺害されるという過去を抱えていた。「元受刑者を相手に、冷静な気持ちでいられるのか?」という思いで当初は活動に気が進まなかった草刈さんだが、ある青年との出会いによって、更生支援の活動にのめり込むように。全国各地の刑務所・少年院を訪問し、多くの元受刑者に手を差し伸べてきた。
そして活動を始めて7年後、妹を殺害した夫がロサンゼルスの刑務所から仮釈放される知らせが届くと、草刈さんは彼と面会することを決意するのだった。本作では、裏切られることが日常茶飯事な更生活動においても、親のように元受刑者を見守り続ける草刈さんの姿が映し出される。監督の
「
映画「おまえの親になったるで」予告編
※動画は現在非公開です。
北岸良枝 コメント
もし、自分の家族や大切な人が犯罪の被害者や加害者になったらどうするか? もし、自分がそうなったら…そんなことを考えることは、一生の中であまりないのかもしれない。でも実は、私たちのすぐそばで犯罪は日々起きている。
「被害者を二度と生まないために」という強い意志で、加害者を家族のように支援し続ける人がいた。その人は、自分の妹を殺された被害者遺族だった…なぜ? そこまで? どんな思いでかかわっているのだろうか? 再犯防止プロジェクトの発足式を取材したことから始まった。この先どうなっていくのだろうか? 採用した元受刑者たちは? 妹を殺された兄の想いは…? 取材を重ね、気づけば10年、撮影時間は700時間を超えた。映画を通じて、主人公の想いを追いかけ、何かを感じて頂くきっかけになればうれしいです。
草刈健太郎 コメント
ドキュメンタリー映画「おまえの親になったるで」を上映して頂くことになり大変光栄に思っております。私は10年前に、様々な人とのご縁から日本財団職親プロジェクトの発足に関わることになり、今日まで活動を続けて参りました。当初は私自身が妹を殺害された被害者家族であり、活動に取り組むことにあまり気が進みませんでした。しかし多くの元受刑者と関わり、このプロジェクトの難しさ、更生の厳しさにぶつかりながらも、共に汗をかき、涙を流しながら、多くの感動を与えて頂きました。感動があるから続けられる。そして何よりも加害者がいなくなれば被害者もいなくなる。その為なら何回裏切られても諦めずにとことん彼らに付き合って行こうと心に決めました。そして、いつしか活動は殺害された妹に「やれ!」といわれているような気がしたからです。殺害された妹は映画の聖地・アメリカで映画の脚本家になるのが夢でした。それは私の夢でもありました。その妹がスクリーンに映し出される…家族にとって、とても辛い過去の出来事がよみがえってきます。それと同時に、「妹」のような被害者を二度と生ませない…「兄」としての新たな決意も生まれてきました。皆様に職親プロジェクトを知って頂きたい、再犯防止に関心を持って頂きたい、安全で平和な世の中になって欲しいという思いから、この映画を全国で上映して行きたいと思っています。是非とも皆様に鑑賞頂き、想いを感じ取っていただければ、有り難く思います。
北岸良枝の映画作品
タグ
公益社団法人日本精神保健福祉士協会 @jamhsw
【情報】被害者遺族が“犯罪者の更生”に立ち上がる、テレビ大阪のドキュメンタリー劇場版が公開(動画あり) (映画ナタリー・06/25)
https://t.co/UuQ5pvSUvh