綾辻行人のミステリー小説「十角館の殺人」実写映像化、「どうやって?できるの?」

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ミステリー作家・綾辻行人の小説「十角館の殺人」の実写映像化が決定。3月22日からHuluで独占配信される。

綾辻行人「十角館の殺人」表紙

綾辻行人「十角館の殺人」表紙

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全世界シリーズ累計670万部を超える「館」シリーズ。綾辻が1987年のデビューから今もなお書き続けている同シリーズは「十角館の殺人」から「奇面館の殺人」まで9つの長編推理小説からなる壮大なストーリーで、現在はシリーズ10作目「双子館の殺人」が会員限定小説誌・メフィストで連載されている。「十角館の殺人」はたった1行で事件の真相を描くという大胆な手法で知られ、映像化は不可能と言われてきた作品だ。2023年10月には米タイム誌が選ぶ「史上最高のミステリー&スリラー本 オールタイムベスト100」に、フョードル・ドストエフスキーの「罪と罰」、アーサー・コナン・ドイルの「バスカヴィル家の犬」など世界の名著とともに選出された。

物語の舞台は1986年、十角形の奇妙な外観を持つ館“十角館”が存在する角島(つのじま)。この館を建てた天才建築家・中村青司(なかむら・せいじ)は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を遂げた。半年後、無人島と化した角島に、大学ミステリー研究会の男女7人が合宿で訪れる。その頃、海を隔てた本土では、かつてミス研メンバーだった江南孝明(かわみなみ・たかあき)のもとに“死んだはずの中村青司”から1通の手紙が届いた。調査を進める江南は、島田潔(しまだ・きよし)という男と出会い行動をともにしていく。一方、十角館では、ミス研の1人が何者かに殺害され、メンバーたちは疑心暗鬼に陥る。

映像作品では、連続ドラマW「殺人分析班」シリーズやドラマ「相棒」シリーズの内片輝が監督を務める。以前から親交のあった綾辻に映像化を打診し、20年間夢見たというプロジェクトの実現を果たすことに。脚本にはドラマ「半沢直樹」シリーズや「VIVANT」、連続テレビ小説「おちょやん」の八津弘幸のほか、早野円、藤井香織が起用された。

Huluオリジナル「十角館の殺人」ティザービジュアル

Huluオリジナル「十角館の殺人」ティザービジュアル[拡大]

綾辻は「どうやって実写化するの? できるの?という疑念を、やはりまず抱かざるをえませんでした」と率直に明かしつつ、「内片監督渾身の作であることは間違いないはずです。どんな仕上がりになるのか、僕も大いに楽しみにしています」と期待を込めた。綾辻、内片、八津のコメントは以下に掲載している。あわせて本作のティザービジュアル、15秒の超特報映像も解禁。十角館の内部も映し出される映像はYouTubeで公開されている。

Huluオリジナル「十角館の殺人」超特報映像

綾辻行人 コメント

監督から「十角館の殺人」を実写化したいと聞いて

どうやって実写化するの? できるの?という疑念を、やはりまず抱かざるをえませんでした。ただ、内片監督はかつて、非常にマニアックかつアクロバティックな犯人当てドラマ「安楽椅子探偵」シリーズ(有栖川有栖と綾辻の共同原作による深夜枠のテレビドラマ)を計7作、撮ってくれた人です。その内片さんが「やりたい」と云うのだから、何か彼なりの(実写化のための)アイディアがあるのだろうな、とは思いました。

36年の時を経て映像化されることについて、自身のデビュー作でもある「十角館の殺人」の存在について

「映像化不可能」と云われつづけてきた小説です。アニメならまだしも、実写ではとうてい無理だろう、と僕自身も考えていたので、今になって本気でそれにチャレンジしようという企画が成立してしまったのは驚きでした。
36年前のデビュー作が時代・世代を超えて今なお多くの人に読まれつづけている、というのは本当に幸せなことです。そんな未来など微塵も想像せずに書いた「十角館」でしたが、ここまで来ると「偉いねえ、きみ」と讃えてあげたい気分です。

米タイム誌が選ぶ「史上最高のミステリー&スリラー本 オールタイムベスト100」に「十角館の殺人」が選出されて

ひたすら嬉しく、夢のように感じました。「十角館」よりも優れた本邦のミステリーはいくらでもあるので、何だか申しわけないような気も。ただ、この作品が結果として、当時の日本のミステリーシーンに画期的な変化をもたらすきっかけになったことは確かなので、選出にあたってはおそらく、そういった歴史的な位置づけも相応に勘案されたのだろうと想像します。

ファンへのメッセージ

原作をすでに読んでおられる人にとっては、気になるのはやはり、「映像化不可能」であるはずのメインの仕掛けをどうやって「可能」にしているか、という点でしょうから、まずはその興味でご覧ください。ですが、その試みが成功しているか否かについては、原作を読まずに観た人の感想を伺うしかないわけです。そのあたり、なかなか向き合い方がむずかしい作品かもしれませんね。ともあれ、内片監督渾身の作であることは間違いないはずです。どんな仕上がりになるのか、僕も大いに楽しみにしています。

内片輝 コメント

映像化が実現することについて

長いお付き合いの綾辻さんの代表作「十角館の殺人」。いつかは自分の手で、と思い続けていました。
とはいえ簡単に映像化できる作品ではありません。自分自身の演出家としての成長が必要不可欠。結果、20年間もの月日が必要でした……。感慨深いです。

実写化に向けて意識したこと

「“あの1行”」に至るまでをいかにして映像で伝えるか、の部分。

実写化に際して綾辻から言われたこと

「傑作にしてください」の言葉がズシリと。

ファンへのメッセージ

鳥肌が立ちます。一気に観たくなります。必ず2回目も観たくなります。楽しみにしていてください!

八津弘幸 コメント

原作を読んだ感想

さすが本格ミステリーの代名詞とも言える作品で、それぞれのキャラクターの心理描写にすっかり引き込まれました。もちろん最後の展開にも驚かされましたが、それ以上に、この作品には綾辻先生の本格ミステリーに対する愛情が至る所に感じられ、それがじつはこの作品の一番の魅力であり、多くのミステリファンに長く愛される理由なのだと思いました。

脚本で意識したこと

島と本土という2つの舞台、十角館で起きているリアルタイムの事件と、過去の青屋敷の事件、この二つの要素を、できるだけスムーズな流れで見られるように、構成や、登場人物の感情を精査しました。特に江南と島田は、キャラクター、役割をより明確化して、このドラマを牽引する推進力となるように、原作をより膨らませました。

ファンへのメッセージ

この作品の映像化がいかに難しいかはファンの皆さんが誰よりもわかっていることと思います。そのチャレンジがうまくいったかどうか、ぜひ皆さんの目で確かめて頂きたいのと同時に、それ以外にも、クセのある登場人物たちや、十角館の異様なビジュアルなど、本格ミステリーならではのこの作品の魅力を存分に味わって頂けたらと思います。

この記事の画像・動画(全3件)

(c)綾辻行人/講談社

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KADOKAWAさん@本の情報 @kadokawa_san

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綾辻行人のミステリー小説
『十角館の殺人』実写映像化
「どうやって?できるの?」
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ミステリー作家・綾辻行人の小説「十角館の殺人」の実写映像化が決定。3月22日からHuluで独占配信される。

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