阿部サダヲ×宮藤官九郎のドラマ放送、昭和から令和にタイムスリップした男描くコメディ

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阿部サダヲが主演を務め、宮藤官九郎が脚本を手がけるドラマ「不適切にもほどがある!」が2024年1月にTBS系の金曜ドラマ枠でスタート。共演には仲里依紗磯村勇斗吉田羊が名を連ねた。

ドラマ「不適切にもほどがある」ビジュアル

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本作は“昭和のダメおやじ”が令和にやって来ることで展開する“意識低い系タイムスリップコメディ”。中学の体育教師である主人公・小川市郎(おがわ・いちろう)は、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップしてしまう。言葉遣いが荒く、令和では考えられない“不適切”な言動を繰り返す市郎だが、彼の極論はコンプラで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えることになる。

阿部が演じるのは野球部の顧問でもあり、“地獄のオガワ”と恐れられている市郎。妻を病気で亡くしており、家では一人娘の非行に手を焼く父親というキャラクターだ。また仲は、市郎が令和で出会うシングルマザー・犬島渚(いぬしま・なぎさ)に扮する。磯村は市郎と同じ1986年に生きており、あるアイドルに心酔するあまり身なりや言動すべてを完コピする男、“ムッチ先輩”こと秋津睦実(あきつ・むつみ)役で起用された。市郎の娘から密かに思いを寄せられている役どころだ。

市郎とは逆に、2024年から1986年へ息子と一緒にタイムスリップする向坂(さきさか)サカエ役は吉田が担う。サカエは社会学者であり、性差別やジェンダー問題の論者としてメディア露出もしているフェミニズムの旗手。令和時代の代弁者として、昭和の人々にするどくツッコミを入れていく人物となる。なおNetflixシリーズ「離婚しようよ」で宮藤・仲は仕事をともにしており、ドラマ「恋する母たち」では阿部・仲・磯村・吉田が共演。吉田と磯村が宮藤脚本の作品に出演するのは今作が初となる。

阿部は「昭和を生きてきた方たちが楽しめるのはもちろん、平成から令和を過ごしている若い方たちにも『こんな時代があったんだな』『こんな時代もかっこよかったな』と思っていただけるようなドラマになると思いますので、ぜひ楽しんで観ていただければと思います」とつづり、宮藤は「第1話を読んだ関係者から『スカッとした』『痛快です』『溜飲が下がった』などの感想を頂きましたので、おそらくそんな肌触りのドラマになると思います」と自信をのぞかせた。そのほかコメント詳細は以下の通り。

ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」「タイガー&ドラゴン」で阿部・宮藤と組んだ磯山晶がプロデューサーに名を連ね、同じく3作品に参加した金子文紀らが演出を手がける。市郎とサカエ、それぞれの子供を演じる顔ぶれは後日解禁される。

「不適切にもほどがある!」は毎週金曜22時よりオンエア。

金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」

TBS系 2024年1月スタート 毎週金曜 22:00~22:54

阿部サダヲ コメント

小川市郎役の阿部サダヲ。(c)TBS

小川市郎役の阿部サダヲ。(c)TBS[拡大]

2020年以来のTBSドラマへのレギュラー出演ですし、宮藤さんが脚本のドラマも久しぶりなので、お話をいただけてうれしかったです。脚本を読んで、宮藤さんはやっぱり面白いことを考えるなと思いました。挑戦するところもあるドラマで、今の時代だからできるようなドラマになるだろうと思っています。
今回演じる小川市郎という役は、昭和を知っている方たちが見ると「懐かしい。こういう人いたな」と思うような体育教師なので、僕自身もそういう先生いたなと思いながら役作りをしていこうと思っています。そして、今の時代の方々にも「こういう人っていていいんじゃないか」と思わせてくれるようなキャラクターになれたらいいなと思っています。
皆さん(仲、吉田、磯村)とは2020年の金曜ドラマ「恋する母たち」でも共演していて、色んな役を演じられる方たちなので、今回もどういう芝居になるのか、今から撮影が楽しみでしょうがないです。
昭和を生きてきた方たちが楽しめるのはもちろん、平成から令和を過ごしている若い方たちにも「こんな時代があったんだな」「こんな時代もかっこよかったな」と思っていただけるようなドラマになると思いますので、ぜひ楽しんで観ていただければと思います。

仲里依紗 コメント

犬島渚役の仲里依紗。(c)TBS

犬島渚役の仲里依紗。(c)TBS[拡大]

「恋する母たち」以来、本当にお久しぶりなみなさまと共演できるということで、前もあたたかい現場だったので、今回も撮影がすごく楽しみです。ポスター撮影のときから「絶対面白くなるな」っていう確信が持てました(笑)。
私の役どころは、2024年で市郎さんに出会うシングルマザーでバラエティ番組のAPさんです。私もシングルマザーではないですけど母親なので、ちょっと共感しながら演じられる部分があるのかなと思っています。脚本を読んで、本当に読む手が止まらなくて…。まだ言えないんですけど、「どうやって撮るの?」とすごくワクワクするシーンがいっぱい組み込まれていました。今から撮影が楽しみでもあるし、上手にできるかなというプレッシャーもすごくあります(笑)。
すごく元気をもらえるドラマになると思っています。昭和・令和それぞれの世代の方たちが見てもプラスな気持ちになれる、みんなの笑顔につながるようなドラマになればいいなと思っています。頑張ります!

磯村勇斗 コメント

秋津睦実役の磯村勇斗。(c)TBS

秋津睦実役の磯村勇斗。(c)TBS[拡大]

またみなさまと共演できるのですごく楽しみです!
宮藤官九郎さん脚本の作品に参加するのは初めてなので、そこも含めて今からワクワクしています。この時代だからこそ描けるテーマに、宮藤さんの生み出す掛け合いや言葉がすごく面白いので、自分の役がこれからどうなっていくのか楽しみです。「この表現どうするんだろう?」と思う部分もあって、僕らも挑戦的なことをするやりがいのある3か月になりそうだなと思っています。
僕の役は、昭和の1986年に生きていて、あるアイドルに憧れているという人物…もうそれ以上言えることはないです(笑)。役を通して昭和の時代を体験できるというのも楽しみです。
日々、悶々としていたりちょっと悩んでいたり、そういったものが吹っ飛んでいくようなドラマになっていくと思います。登場人物みんなが個性的ですごく魅力的なので、たくさん笑って楽しんでもらえたらうれしいです。

吉田羊 コメント

向坂サカエ役の吉田羊。(c)TBS

向坂サカエ役の吉田羊。(c)TBS[拡大]

宮藤さん脚本のドラマは好きで拝見していたので、選んでいただけてうれしい気持ちでいっぱいです。私が演じるのは令和時代を生きるフェミニストの社会学者です。令和の正義を振りかざしながら市郎さんに斬り込んでいく役どころ。そして、それはきっと視聴者の方の目線と近くなると思うので、私を通して視聴者の方はこのドラマをご覧になっていく、そういう存在になるのかなと思っています。
この4人は「恋する母たち」で共演をしたメンバーなので、配信でサイドストーリーをやるのかなと思ったほど(笑)。緻密な計算したお芝居もできる一方で、アドリブで爆発する瞬間的なお芝居もできる方々なので、シーンが膨らんでいくのもすごく楽しみです。
令和と昭和を行き来するかなりハチャメチャなドラマですが、非常に面白いです。令和という時代に、その感性を持って生きながらも「でもこれってどうなんだろう?」って思ってらっしゃるような方がいたとしたら、それにほんの少し、もしかしたらヒントをくれるようなドラマになるかもしれません。ぜひ最後までご覧いただけたらと思います。

宮藤官九郎 コメント

阿部くんも僕も53歳。
思春期に「夕やけニャンニャン」と「毎度おさわがせします」と「ビートたけしのオールナイトニッポン」で倫理観を設定され、不適切に不適切を塗り重ねて生きてきた世代にとって、日々アップデートを強いられる令和はなかなか生きづらい。「昔は良かった」なんて口が裂けても言いたくない。昭和もそこそこ生きづらかったし、戻りたいとは思わないけど、あの頃の価値観を「古い」の一言で全否定されるのは癪なんです。
だって楽しいこともあったし、大人が自由で元気だったし、若者は携帯電話を使わずに友達と待ち合わせできてたし、カセットテープのレーベルを自己流でレタリングするのに命かけてたし。
そんな瑞々しく甘酸っぱい記憶を無かったことにはしたくないし、「知らねーし」の一言で片付けてほしくない。だからこんなドラマを考えました。
市川森一先生がご存命だったら、こんなタイトルを付けたんじゃないでしょうか。
「正しいのはお前だけじゃない」
自分と違う価値観を認めてこその多様性。
第1話を読んだ関係者から「スカッとした」「痛快です」「溜飲が下がった」
などの感想を頂きましたので、おそらくそんな肌触りのドラマになると思います。
仲里依紗さん、磯村勇斗くん、そして吉田羊さんが、持ち前のコメディセンスで多少の不適切は笑いに転化してくれそう。
楽しみです!
宮藤でした。

磯山晶 コメント

常日頃、出来るだけ適切な言動を心掛けています。特に、高いコンプライアンス意識が必要とされる昨今は、ますます自分の言動が気になってしまう毎日です。
だから「昭和から来たおっさん」が、自分の発言のリフレクションを恐れず、傍若無人に意見を言うことで、令和の人々が「今はそんなこと言っちゃダメなんだよ!」と呆れながらも「でもそれってちょっと真理ついてるかも」と考えるきっかけになるような物語を作りたいと思って企画しました。
そんな昭和の意識低い系主人公・小川市郎を阿部サダヲさんに演じてもらえることになり、心の底から楽しみです。阿部さんだったら、今は言っちゃダメだけど、本当はちょっと言ってほしいことを言っても許されるキャラクターにしてくれるはずです。
阿部サダヲさんという役者を一番光らせるのは、宮藤官九郎脚本だと心から思うし、そんな阿部さんと宮藤さんの信頼関係のフルスイングを間近で見られるなんて幸せです。
仲里依紗さん、磯村勇斗さん、吉田羊さんという人気と実力を兼ね備えた役者陣の振り切った演技にもご期待ください。市郎さんがどんな極論を言っても、驚いたり、癒やされたり、突っ込んだりしながら3人が全てを受け止めてくれると信じています。コメディだとか時空を飛ぶとか関係なく、4人の名優が織りなす演技の丁々発止を楽しんでいただけたらうれしいです。
今、この世に生み出すべき作品となるよう、精一杯頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします。

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読者の反応

神庭亮介 @kamba_ryosuke

うわー!これ絶対面白いやつじゃん。

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「昭和もそこそこ生きづらかったし、戻りたいとは思わないけど、あの頃の価値観を「古い」の一言で全否定されるのは癪なんです」(宮藤官九郎)

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