「アルプススタンドのはしの方」「まなみ100%」の
本作は東北の被災地出身で、元写真家の理子奈を主人公に据えたヒューマンドラマ。子育てに追われる毎日を過ごす理子奈は、震災で家族が離散した過去を持っている。そのせいか自分の理想的な家族を作ることに執着しているが、夫の知久とは噛み合わない日々が続いていた。そんなとき、父親のように慕って師事していた写真家・浩志から、緊迫した情勢のベラルーシに難民取材に行くと連絡が入る。父親を失うような気持ちでいる中、理子奈は知久が浮気をしていることを知ってしまうのだった。苦悩し、本当に自分がすべきことは何かと自問しながら、彼女は東北の被災地へ車を走らせていく。
中村が理子奈役、ドラマ「VIVANT」や「鯨の骨」の
中村は「毎日一つ一つのシーンがいろんなこととの戦いでした」と振り返り、内村は「一瞬のうちに故郷を離れることになった方々の苦しみは想像にも及びません。この作品では、体験したもの、体験しなかったものの超えることのできない距離感を表現できたらと思いました」と述懐。今作が初めての長編劇映画となる岩崎は「東日本の大震災から12年が経ちました。まだ傷の癒えることがない女性を通して、震災によって引き起こされた人生の破滅と、それでも、再生の一歩を踏み出す人間を描きました」とコメントしている。
※記事初出時、人名に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします
中村守里 コメント
主人公理子奈も演じる私も、毎日一つ一つのシーンがいろんなこととの戦いでした。積み上げてきた現実が足元から揺らぎ出す過程を目の当たりにした時、あるはずの色彩が消え世界が灰色へと一変する。そこでの景色の日常は苦しく孤独で心のシャッターは閉じてしまいます。ただただ幸せになりたいと願っているのに。それでも癒えない傷は時間をかけて修復していってほしい。狂いながらも必死に立ち向かおうとした人間は、儚く脆く、そして最後には美しいとも感じました。
内村遥 コメント
「浪江のおばちゃん」という名前で呼ばれていたおばちゃんの「浪江」というのが福島の土地の名前だったと知ったのは震災があってから。なんとも恥ずかしい話でありますが、結果的に私は親戚が暮らした土地を訪れることなく今日も暮らしています。一瞬のうちに故郷を離れることになった方々の苦しみは想像にも及びません。この作品では、体験したもの、体験しなかったものの超えることのできない距離感を表現できたらと思いました。ご覧いただけたら嬉しいです。
岩崎孝正 コメント
東日本の大震災から12年が経ちました。まだ傷の癒えることがない女性を通して、震災によって引き起こされた人生の破滅と、それでも、再生の一歩を踏み出す人間を描きました。
多くの人間の人生が変わってしまいました。しかし誰にでも起こり得る事柄です。この作品では、みんなが抱えているかもしれない日常に潜む物語として、震災を扱っています。
人生の破滅と再生のドラマを、ぜひ劇場で体感していただければとおもいます。
FiNANCiE(フィナンシェ) @financie_jp
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