ウクライナとポーランドの合作「Carol of the Bells(英題)」が「
1939年1月、ポーランド領スタニスワヴフ(現在のウクライナ・イバノフランコフスク)を舞台にした本作は、偶然同じ屋根の下で暮らすことになったウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人の3家族の姿を描く物語。ウクライナの民謡「シェドリック」をもとに生まれた楽曲「キャロル・オブ・ザ・ベル」に支えられ、ひたむきに生きる戦時下の人々の様子が描かれる。
現在もキーウに在住する監督の
映画「ホーム・アローン」で歌われるなど、クリスマスソングとして世界的に知られている「キャロル・オブ・ザ・ベル」。駐日ウクライナ特命全権大使のセルギー・コルスンスキーは「ウクライナ人がここに存在しているよと、希望の声を届けてくれるウクライナに伝わる民謡です。この映画は激動する時代の流れの中で懸命に生きる家族を描いています。ウクライナ人としての尊厳を守り続けた両親の愛に育まれた子供たちの無垢で美しい歌声は、我々の心の奥底に染み渡ります。未来を生きる子供たちの平穏な日々を奪う権利は誰にもないのです」とコメントを寄せた。
オレシア・モルグレッツ=イサイェンコ コメント
この映画は、ロシアによるウクライナの本格的な侵攻の前に制作されましたが、その時点でさえ私たちが住む国は戦争中の状況でした。老いも若きも、ウクライナに生きる人々の中に戦争や悲劇的な出来事を経験せずに生き延びている人は1人もいませんので、この映画に取り組むことは私にとって非常に重要でした。
今、この映画はさらに現代との関連性が高まっています。映画で描かれたように、実際の戦争において、女性や子供は常に戦争の人質です。妊娠中だった私の姉と姪は、占領地の地下室に28日間過ごすことを余儀なくされました。なので、私は私たちの映画が記憶から消し去られてはいけない過去を反映したものであり、そして未来はウクライナ人と世界にとってよりよきものになるはずだと考えています。
この映画はあらゆる国家における<文化と伝統>が人間性においてもっとも偉大な宝物であることを提示します。登場人物たちは、作中ほとんどの時間を外界から隔絶されていますが<音楽>が彼女らをその悲しみから守っているのです。
アーテム・コリウバイエフ コメント
この映画は戦争こそ人類が発明した最悪のものであると人々に訴えかける重層的な物語です。
物語は女性たちと子供たちに焦点を当て、そして脚本のクセニア・ザスタフスカそしてオレシア・モルグレッツ=イサイェンコという女性映画人によって制作されました。彼らは20世紀にこの国が直面したもっとも暴力的で、残酷な人災であった戦火のまっただ中を生きたポーランド人、ユダヤ人、そしてウクライナ人の女性の声を代弁しています。古来より女性は家族的な伝統と国家の文化的価値観を子供たちに託す役目を担わされてきました。よりよい未来を築くために、新しい世代は過去を記憶しなければなりません。
この物語において過去と現在を結び付けているのは、今や世界でもっともポピュラーなクリスマスソングの1つとなった“キャロル・オブ・ザ・ベル”のもとになったウクライナの新年の歌<シェドリック>です。
セルギー・コルスンスキー(駐日ウクライナ特命全権大使)コメント
ウクライナは古くから侵略され続け、特にロシア革命以降ソ連とドイツから脅かされ続けてきました。その後の第2次世界大戦下ではもっとも激しい戦闘地域の1つでした。置かれた立場も非常に厳しく、やはりソ連やナチスに侵略され、大戦が終わってもソ連に侵略されたのです。
この歌のもとになったのは、ウクライナ人がここに存在しているよと、希望の声を届けてくれるウクライナに伝わる民謡です。この映画は激動する時代の流れの中で懸命に生きる家族を描いています。ウクライナ人としての尊厳を守り続けた両親の愛に育まれた子供たちの無垢で美しい歌声は、我々の心の奥底に染み渡ります。未来を生きる子供たちの平穏な日々を奪う権利は誰にもないのです。
映画ナタリー @eiga_natalie
ウクライナ民謡に支えられた戦時下の3家族描く「キャロル・オブ・ザ・ベル」公開(コメントあり)
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