本作は、幸せを求めながら壊れていく家族の愛と再生が描かれる社会派ドラマ。佐津川は、傷付きながらも愛を求め一線を越えてしまう17歳の美月、秘密を抱えながら夫を愛し平穏な暮らしを望む32歳の美月を演じた。また、
母娘の愛憎シーンを収めた映像では、五十鈴が美月の派手な下着を切り刻み、美月が五十鈴の用意した地味な下着を火にくべる様子や、食卓で五十鈴が泣きながら美月を抱きしめるさまが確認できる。家族社会学者・永田夏来は、本作への寄稿で「興味深いのは、この典型に収まらない人間関係を丁寧に描写した点だと私は考える。主人公の美月は実父を軽蔑し、義父を屈服させ、実母をネグレクトし、義弟とは共依存である。若い娘が家庭を支配する過程は異様であるが、それ故に彼女は孤立し、大きな代償を払うことになるのだ。一筋縄ではない人間関係と孤独を正面から演じ、魅力的な主人公を体現した佐津川愛美は本作の見どころの一つだと感じた」とつづっている。
「蜜月」は3月25日より東京・テアトル新宿ほか全国でロードショー。
※「蜜月」の公開は中止となりました
※榊英雄の榊は木へんに神が正式表記
※「蜜月」はR15+指定作品
※動画は現在非公開です。
永田夏来 コメント
厚生労働省によれば、2020年に児童相談所等で新規受理・途中発覚した18歳未満の家庭内性被害事例は全国で704件だったという。被害者の大半は女児である。加害者で最も多いのが実父の250件であり、ついで多いのは実父以外の「父」は161件であった。
「父親」から「娘」への加害が最も多いという調査結果からは、「年長の男性が上」で「年下の女性が下」であるという典型的な権力構造が見えてくる。「蜜月」で興味深いのは、この典型に収まらない人間関係を丁寧に描写した点だと私は考える。主人公の美月は実父を軽蔑し、義父を屈服させ、実母をネグレクトし、義弟とは共依存である。若い娘が家庭を支配する過程は異様であるが、それ故に彼女は孤立し、大きな代償を払うことになるのだ。一筋縄ではない人間関係と孤独を正面から演じ、魅力的な主人公を体現した佐津川愛美は本作の見どころの一つだと感じた。
家族に関する美談は世間に溢れているが、実父から性的に加害される女児は実際に存在する。美月のように、我が身を差し出してでも家族に復讐したいと願う者もいるはずだ。実際の家族のあり方はさらに複雑で、ものごとを単純化しすぎているきらいもなくはない。美月をめぐる家族関係をどう解釈するのかによって、本作の評価は分かれるだろう。
※動画は現在非公開です。
佐津川愛美の映画作品
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ディズニー楽しかったクッブス @doninamura
作品に罪はないという人もいるけど、公開されている情報から推測するとふつうに作品にも罪ありそうじゃないか???https://t.co/lFUGIk8osh