パゾリーニ生誕100年「テオレマ」「王女メディア」が3月にリバイバル上映

「奇跡の丘」「ソドムの市」で知られるイタリアの映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニの生誕100年を記念し「パゾリーニ・フィルム・スペシャーレ1&2」が開催。「テオレマ 4Kスキャン版」「王女メディア」が3月4日に公開される。

現在公開中の「ラストナイト・イン・ソーホー」にも出演するテレンス・スタンプが主演を務めた1968年製作「テオレマ」は、見知らぬ青年の出現によって崩壊の道をたどるブルジョワ家庭を描いた1作。前触れもなく同居を始めた青年は、一家の1人ひとりを魅了し関係を持つことで、穏やかな日々をかき乱していく。スタンプが謎の青年を演じたほか、アンヌ・ヴィアゼムスキーやシルヴァーナ・マンガーノが出演。2020年にアメリカのクライテリオン社が行った、オリジナルネガからの4Kスキャンによる修復版での公開となる。

「テオレマ」の翌1969年に製作された「王女メディア」は、エウリピデスによるギリシャ悲劇に着想を得た作品だ。ソプラノ歌手マリア・カラスを主演に迎え、王座を得るために裏切った男への復讐を誓うメディアの姿が描かれた。一切の映画のオファーを断り続けていたカラスが「この映画だけは断れない」と出演を承諾した唯一の映画主演作としても知られる。

「テオレマ 4Kスキャン版」「王女メディア」は東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で順次ロードショー。