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吉本ばななの短編小説を映画化した本作は、恋人の死を受け入れることができないさつきを主人公とした物語。小松がさつき、宮沢氷魚がさつきの恋人・等、臼田がさつきの前に現れる不思議な女性・麗を演じた。エドモンド・ヨウが監督を務めている。
上映後の舞台挨拶のため、トークはネタバレありで展開。もっとも印象に残っているシーンを、小松は「撮影の最初の3日間はずっと1人で走るシーンだったので、等や柊、ゆみこちゃんと合流してからみんなで過ごすシーンはどれも楽しくて印象的でしたね」と回想する。また「一軒家の中に作られたピタゴラ装置のこだわりがすごくて、小さい頃に兄弟でそういうことをしてみたいなって憧れがあったので、夢が叶いました! 装置を崩したり直したり、みんなで作業をしてひとつになれる時間が思い出深く残っていますし、素を見せられたような気がしました」と語った。
宮沢は等の弟・柊のダンスシーンを挙げ「驚きました。長尺で踊っていたから監督のこだわりがあったんだろうなと思いました。それと全編を通して、多くを語る場面はないのですが、言葉のない場面をどう表現するかというところに意識を集中させていましたね」と感想を口にする。臼田は「さつきが熱を出しているとき、部屋に麗が現れるところ。唯一原作の言葉をセリフとして話したシーンですね。言葉だけではないたくさんの意味が込められているような気がしました」と答えた。
満月の夜の終わりに死者と再会できるという“月影現象”の話題になると、小松は「あのシーンは前日にリハーサルを何度かしていて、日の昇る瞬間などいろいろなことをみんなで調整して撮影に臨みました。12月の寒い時期だったので、早朝にみんなで暖炉を囲みながら撮影したのを覚えています」と述懐。臼田が「佐藤緋美くんと中原ナナちゃんが川で踊ったシーンのあと、小松さんがお母さんのように2人にひざ掛けをかけていたりするのを見かけて『頼りになるなあ』と感じていました」と感心した様子で話すと、小松は「私は臼田さんがいてくれて、すごく心強かったです。先輩に聞くのが一番いいなと思っていました!」とかしこまる。宮沢は「僕も現場にいたんですが、なんとも言えない集中力と緊張感が伝わってきて、皆さんのパワーがすごいなと思いました」と振り返った。
そんな月影現象にちなんだ「今1つだけ願いが叶うとしたら」という質問に、小松は少し悩みながら「さつきもそうですが、猫を飼いたいなと思っています。お仕事で動物と触れ合うことが多くて、本当に癒やされるんです。この作品の現場にいた猫が“CIAOちゅ~る(ペットフード)”に夢中だったんですが、私も猫と仲良くなりたかったので、それを見てうらやましいなあと思っていました」と回答。最後に「私の母も今朝、作品を観に行ってくれて感想をくれたんですが『難しかった』と話していました。この映画は自分なりにいろいろと考えながら観られる作品のように思います。私はさつきを演じる中で共感できる部分もあったので、それぞれのキャラクターに共感しながら観てもらえたらうれしいなと思います」と述べ、舞台挨拶を締めくくった。
映画ナタリー @eiga_natalie
【イベントレポート】「ムーンライト・シャドウ」小松菜奈、今の願いは「猫を飼いたい」
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